海江田万里経済産業相による原発の「安全宣言」をめぐり、全国最多の原発が立地する福井県と隣接する滋賀県の嘉田由紀子知事は21日の定例記者会見で、政府が原発の老朽化の影響を検証していないことに触れ、「浜岡原発以外は安全だと言われても、(福井県の)若狭の人が信じられないのと同じで信じられない」と発言。近畿1400万人に供給する琵琶湖の水を守る立場から、「できるだけ早くハイリスクな原発をやめてほしい」と、原発の廃止を改めて主張した。 嘉田知事は、元官房長官の武村正義氏が講演で語った言葉を引用し、代替エネルギーの活用で「原発に頼らず、卒業しよう」と「卒原発」を訴えた。 嘉田知事は22日、福井県美浜町の関西電力美浜原発と、同県敦賀市の日本原子力研究開発機構の高速増殖原型炉もんじゅを視察する。関西電力と同機構によると、震災後、立地県以外の自治体の知事の視察は初めてという。(千種辰弥)