投機ファンド特有の積極的な売買はまだ限られているものの、一部海外ファンドはドルが120─130円付近に上昇するとの大胆シナリオでドルコールオプション(ドルを買う権利)買いに動き出すなど、その存在感を再び示しつつある。 <ポジション構築/解消の繰り返し> 今年3月以降、ドルは95―100円付近を中心とするレンジ相場が続いている。各国政府・中銀などの相次ぐ景気刺激策や量的緩和策が株価を下支えたことで、ドルは1月につけた13年半ぶり円高水準の87.10円から「過度の悲観論が修正」(都銀のチーフディーラー)される形で、4月にいったん100円台を突破したものの、その後は先行きに対する不透明感から方向感を再び失い、売買が交錯している。 連日のように続くレンジ相場の裏側では、多くの参加者が多様なシナリオを描き、売買を繰り広げている。投資家のリスク回避姿勢の緩和で円売りや新興国通貨買い、米財政リスク懸念で