上野千鶴子さん 日本における女性学の第一人者で東京大学名誉教授の上野千鶴子さんの著書が、中国で次々に翻訳されブームとなっている。『女ぎらい ニッポンのミソジニー』(単行本は紀伊国屋書店、文庫版は朝日新聞出版)もそのうちの1冊で、単行本は中国国内で版が重ねられている。副題にある通り、日本社会におけるミソジニー(女性嫌悪)に光を当てる内容だが、儒教的な家父長制が残る中国や韓国など東アジア圏の若い女性たちから根強い支持を得ている。その理由は何か。著者の上野千鶴子さんに聞いた。 【アンケート結果】家庭や学校で感じるジェンダーのモヤモヤ * * * 中国で「上野千鶴子」の名前が広く知れ渡ったのは2019年。東京大学の入学式で上野さんが述べた祝辞が大きなニュースとなってからだ。 「祝辞はすぐに中国語に翻訳され、中国版のツイッター『微博(ウェイボー)』で、あっという間に拡散されました。中国では私の知