ホンモノの「中国の特権階級」の正体 小職と20年来の親交をもつ中国人一家が、10月末に東京を訪れた。この一家とは今後もお付き合いをしていくので、拙稿では、身元が特定される個人情報を控えめにさせていただく。 くしくも、中国・北京でアステラス製薬の日本人男性社員がスパイ容疑で半年以上拘束された挙げ句、逮捕された10月19日直後に出迎え、彼らを空港に見送る道中で李克強前首相急死のニュースをスマホで知ることになった再会になった。 この中国人一家の跡取り息子であるA氏は、中国の特権階級に属する。中国の地方都市で一族三代にわたり、富を生む重厚な権力基盤を一族郎党親戚縁者で堅守している。億ション数戸をポケットマネーで即買いするような目立つ行為は聞いたことがないし、「富裕層」に「超」が付く言葉で呼べば、「冗談はよせ」と一笑に付せられるだろう。 氏一家の言動で明らかになったのは、既得権益の堅守が一族の安泰に