冒険活劇漫画『ゴールデンカムイ』のリアリティをアイヌ語監修で支える中川裕氏 日露戦争後間もない北海道を舞台に、精鋭軍人、新撰組の生き残り、奇人変人の数々、そしてアイヌと、バラエティに富んだ登場人物が金塊をめぐって冒険とバトルと美食を繰り広げる冒険活劇漫画『ゴールデンカムイ』(野田サトル著、集英社)。 この漫画を「アイヌ語監修」という立場から支える言語学者の中川裕(なかがわ・ひろし)氏の新著『アイヌ文化で読み解く「ゴールデンカムイ」』(集英社新書)が先月刊行された。 中川氏は東京大学在学中の1976年から北海道に足しげく通い、減る一方のアイヌ語話者を訪ねては話を聞き、研究を続けてきた。今でも毎月のように北海道に行くが、今度は逆にアイヌ語を教える側になっていると言う。 40年以上、アイヌ語を見守ってきた中川氏に、『ゴールデンカムイ』のアイヌ語監修の舞台裏と、言葉への想いを訊いた。 * * *