大阪の言葉といえば河内弁や泉州弁が有名で、少々言葉遣いが悪く、早口なイメージがある。地域外からきた人には、普通の会話さえ漫才のように聞こえるという。あるいは喧嘩をしていると思ったのに、よくよく聞いてみると日常会話だったことに驚く人もいるとか。 しかし、大阪にも優雅な雰囲気を与える言葉がある。大阪を舞台としたドラマや小説などで、「いとさんは、別嬪さんやさかいなぁ」などという柔和な言葉遣いを聞いたことがあるだろう。これは商人たちが使っていた「船場言葉」である。 よく聞く「いとさん」は「愛しい人」からきた言葉で、商家の娘を指す。特に長女に使われていた言葉だ。末娘は「こいとさん」が縮まって「こいさん」。中の娘は「なかんちゃん」などとも呼ばれる。 船場は江戸時代以降「天下の台所」とも呼ばれるほど繁栄した商業地帯で、客に対して丁寧な言葉遣いが求められたため、船場言葉は「かんにん(ごめん)」や、「おはよ
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