慶応大先端生命科学研究所(先端研、鶴岡市)は、ウイルスを除くと世界最小の生物とされる「アーマン」の近縁種など27種類の微生物を湯野浜温泉の源泉中から発見した。 研究には、先端研の修士課程に在籍する村上慎之介さん(23)ら3人が取り組んだ。3人は、湯野浜温泉(鶴岡市)の源泉3・5リットルを採取し、きめの細かいフィルターで濾過(ろか)。フィルターにかかった微生物を、遺伝情報から特定する「メタゲノム解析」で判別し、27種類の微生物を発見した。 その中に、体長0・0002ミリ・メートルで、世界最小とされる微生物「アーマン」と、同様の遺伝情報を持つ微生物が存在したという。 先端研によると、「アーマン」はこれまで、アメリカの鉱山やフィンランドの沼地といった、酸性~強酸性下でしか生存が確認されておらず、弱アルカリ性の湯野浜温泉から発見されたことで、地球上の様々な環境下で生息していた可能性が強まったという