東北大と東京工業大は18日、「世界初の商用量子コンピューター」とされるカナダ製の「ディーウェーブ」を、2019年秋頃に東北大に設置すると発表した。従来のコンピューターでは膨大な時間がかかっていた複雑な計算を一瞬で解く能力があるとされ、国内に導入されるのは初めてという。 両大学は、量子コンピューターの仕組みを探る基礎研究のほか、民間企業と連携して交通渋滞予測や効率の良い物流ルートの計算などの応用研究も進める。設置費用は数十億円という。ディーウェーブは11年、カナダの新興企業が発売。グーグルや米航空宇宙局(NASA)も導入している。 国内ではこれまで、東北大や民間企業などがインターネットでカナダと通信する方法でディーウェーブを利用していた。だが、5万分の1秒程度で計算できる問題でも、カナダから日本に解答を送る通信に時間がかかり効率が悪かった。東北大の大野英男学長は「量子コンピューター研究と人材