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ブックマーク / shinichiroinaba.hatenablog.com (12)

  • 流れた研究会用のメモ - shinichiroinaba's blog

    「新自由主義neoliberalism」という思考停止用語について 何でもかんでも憎らしいものに対してレッテルを貼っているだけではないか? ☆例えば―― バブル崩壊前の日経済についての理念的モデルとしての「日的経営」「日型企業社会」と「産業政策」「護送船団行政」の組み合わせ その組み合わせを破壊し、退廃した安定を崩してより大きな混沌へと導いたのが「新自由主義」である――というのがバブル崩壊以降、ことに21世紀に入ってからよく聞かれる話 「ネオリベ」という頭の悪そうな略称が出現したのは21世紀? しかしながらそもそも「新自由主義」の語自体はもっと古い。 フーコーはすでに70年代、「福祉国家の危機」の時代に用いている。 石油ショック、財政危機、スタグフレーションから貿易摩擦の時代には大流行 80年代には定着 ただしその時代は――「ジャパンアズナンバーワン」 ケインズ政策への懐疑とマネタリ

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    pycol
    pycol 2014/10/03
  • 「9月22日『日本の起源』出版記念 中世化する日本?『平清盛』から『日本の起源』まで@ネイキッドロフト」へのフォロー - shinichiroinaba's blog

    当日は入場料負けてもらったかわりに壇上でしゃべらされましたのですがそのフォローアップのメモです。 ================= 與那覇潤『中国化する日』の構想の重要な着想源のひとつ(参照文献の中にはあげられていないにもかかわらず、原論文「中国化論序説」などを見る限りではおそらくは最重要の)は、中国史家足立啓二の『専制国家史論』などにおける中国史理解である。與那覇が「中国化」と呼ぶ傾向性は、足立がその研究において中華帝国の統治や社会の特性を日、更には西欧のそれと比較して際立たせる時に用いる「専制」なる言葉がさすものと重なっている。(たとえば足立「一八〜一九世紀日中社会編成の構造比較」。) 周知のとおり與那覇は『中国化』において古代末期、律令制導入以降の日歴史を、中国に範をとった集権的帝国化=中国化と、割拠型自治体制化=江戸化との間で引き裂かれたものと描いているが、この描像の新し

    「9月22日『日本の起源』出版記念 中世化する日本?『平清盛』から『日本の起源』まで@ネイキッドロフト」へのフォロー - shinichiroinaba's blog
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    pycol 2013/09/26
  • 6月21日「BRAINZ 人文系の壁 第1回 憲法」稲葉配布資料 - shinichiroinaba's blog

    配布資料ですからこの通りしゃべったわけではありません。対談だし。 =========================== ☆第二次安倍政権下での自民党その他の改憲案を巡る動向についての雑感 ・改憲案自体ならびにその議論のされ方の特徴:96条(改正条項)が一番の焦点 ついで人権 平和主義(9条)はそれほどでもない ・プロの憲法学者の反応:意外に遅い。格的な動きは春以降? 冬の時点では「世田谷事件」の最高裁判決(2012年12月7日)の方に注目が集まっていた。 推測される理由:今回の自民党草案その他の改憲案がいずれも「出来が悪すぎて真面目に検討するに値しない」ものだったから → 法律素人の疑問 「機械や建物であれば、あまりにお粗末な設計のものはそもそもものとして完成しないし、完成したところでまともに動かないだろうが、法律の場合には、あまりにお粗末でもとりあえず手続きを踏めばできてしまうかもし

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    pycol 2013/06/30
  • 中江兆民『三酔人経綸問答』評 - shinichiroinaba's blog

    ゼミでしゃべったことをもとに。 ================== 中江兆民『三酔人経綸問答』というの切迫感とアクチュアリティを支えているのはその独特の問答体、三人のキャラクターが、それぞれある程度一貫した政治思想的なスタンスのみならず、人格的な個性、肉体的な息遣いまでをも割り振られ、論争を繰り広げるという体裁である。これはたとえば丸山真男が指摘している通り、世界的にのみならず、日の思想史上もいくつかの先例を見つけることができるスタイルであるが、その中でもある種の突出性を帯びている。 複数の登場人物のうちの特定の一人、主人公格のキャラクターが、著者自身の思想を仮託され、他のキャラクターたちはこの主人公、すなわちは思想家としての著者自身に対する(仮想)論敵としてありうべき疑問、反論を突き付け、それに対して主人公が応じる、というスタイルは、ひとつのありふれたパターンである。はなはだしい場

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  • アセモグル&ロビンソン『国家はなぜ衰退するのか:権力・繁栄・貧困の起源』(早川書房) - shinichiroinaba's blog

    国家はなぜ衰退するのか(上):権力・繁栄・貧困の起源 作者: ダロンアセモグル,ジェイムズ A ロビンソン,稲葉振一郎(解説),鬼澤忍出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2013/06/21メディア: 単行この商品を含むブログ (31件) を見る国家はなぜ衰退するのか(下):権力・繁栄・貧困の起源 作者: ダロンアセモグル,ジェイムズ A ロビンソン,稲葉振一郎(解説),鬼澤忍出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2013/06/24メディア: 単行この商品を含むブログ (21件) を見る amazon予約開始。

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  • おもいつきでしゃべったこと - shinichiroinaba's blog

    大したことではない(別段独創的ではないし文献学的には間違いも含んでいるだろう)が一応メモ。 =============== 17世紀あたりを近代社会科学の出発点とし、トマス・ホッブズやジョン・ロックで代表させるのは、彼らが「自然状態」という理論装置を用いているからである。彼らは神様を信じてはいるが、神様の仕事は天地創造、そして人間を今あるような存在として創造したところで終わっていて、あとは介入せず(奇蹟は起こさず)、社会の構築は人間に任されている、という形に議論がなっている。これはちょうどアイザック・ニュートンが神様の仕事を自然法則を作るまでで終わらせていることに対応する。 しかしホッブズやロックよりも、ベネディクト・スピノザの方が更に吹っ切れた近代性を感じさせることは言うまでもない。はっきりと民主政を支持しなかったホッブズ、ロックと比べて明確に民主政を最優位に置いたあたりもそうだが、もっ

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  • 「成長の政治経済学」についてのノート(未定稿) - shinichiroinaba's blog

    11月23日の科研の研究会での報告。 実際にはこの前段のサックス、イースタリーらの論争を軸とする開発の政治経済学の簡単な展望を口頭で行ったうえで、このレジュメの要所だけを紹介した。 未定稿だが単なる勉強ノートで金をとるようなものではないので公開する。専門家がご覧になっていろいろ不備を指摘していただけることを期待していることは言うまでもない。大幅に拡充したものをいずれ紀要あたりに載せて、更にまた大幅に圧縮して準備中の『政治理論入門(仮)』に取り込む予定。 なお口頭報告で紹介したのは 貧困の終焉―2025年までに世界を変える 作者: ジェフリーサックス,Jeffrey D. Sachs,鈴木主税,野中邦子出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2006/04/01メディア: 単行購入: 15人 クリック: 174回この商品を含むブログ (85件) を見るエコノミスト 南の貧困と闘う 作者: ウ

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  • 「社会学2」講義メモ(10月11日分) - shinichiroinaba's blog

    日の範囲:教科書 第2講「「モデル」とは何か」 社会学入門 〈多元化する時代〉をどう捉えるか (NHKブックス) 作者: 稲葉振一郎出版社/メーカー: NHK出版発売日: 2009/06/26メディア: 単行(ソフトカバー)購入: 18人 クリック: 224回この商品を含むブログ (121件) を見る 理論とか、モデルとか 思考実験って何? そもそも実験って何? 標準的な実験は、対象の周囲の条件をいろいろと変えてみて、それによって対象にどのような変化が起きるか起きないかを確かめるもの。 どういう条件を選んで、どのような変化を起こしてみるのか? でたらめな試行錯誤か、ある程度「これが重要ではないのか」という予想を立てて、それに基づいて行うか。 この予想は堅い言葉でいえば「仮説」。ある程度関連付けられた「仮説」の集まり、あるいは系統立てて一連の仮説を導き出せるアイディアは、すでに「理論」と

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  • 「社会学2」講義メモ(10月4日分) - shinichiroinaba's blog

    日の範囲:教科書 第1講「理論はなぜ必要か」 社会学入門 〈多元化する時代〉をどう捉えるか (NHKブックス) 作者: 稲葉振一郎出版社/メーカー: NHK出版発売日: 2009/06/26メディア: 単行(ソフトカバー)購入: 18人 クリック: 224回この商品を含むブログ (121件) を見る 擬似相関の罠に陥らずに因果関係を見出すことが大切――というのはいいけれど、「因果関係」ってそもそも何? 「出来事Aが出来事Bを引き起こす」「法則Xが出来事αを引き起こす」 法則というものはそもそも観察不可能で、出来事間の関係といった形でしか定義できない。 観察可能なのは出来事だけで、関係は観察できない(単なる偶然≒単なる相関かも!) つまり……。 因果関係自体は実は直接には観察できない! 一時期は「因果関係自体は心理的なもので客観的には実在しない」という説が有力だったくらい。 現代最有力の

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  • 「社会科学基礎論に関する2,3の話題提供」@東大社会学 メモ - shinichiroinaba's blog

    社会科学の自然科学と比べた時の特徴として、「対象の複雑性」が挙げられることがしばしばあるが、物理化学的対象、生物的対象の挙動もしばしばきわめて複雑であり、それが決定的に彼我を分かつとは言い難い。そこにおいても回顧的な視点でしか全体性が獲得できない場合は多く、それゆえ進化生物学や宇宙論はしばしば比喩でなしに歴史学に近づく。 いまひとつの社会科学、そして人文学の特徴としては、対象とのコミュニケーション、相互干渉の可能性が排除できないこと、がしばしば挙げられる。だが、これも実は大部分の社会科学においては、巧妙に回避――とは言えないながら、さほど深刻な問題とはなっていないのではないか。コミュニケーション、相互干渉の可能性、リスクは意識されることによってコントロールされてはいないか。 「純粋に対象を観察するのみの狭義の「科学」に徹するならばまだしも、社会科学とはそもそもしばしば「政策科学」でもあるで

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  • 「震災/原発事故後の「政治」」 - shinichiroinaba's blog

    『アルファ・シノドス ―“α-synodos”』vol.46(2010/02/15)、vol.81(2011/8/1)から転載。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◇高木仁三郎氏に感じた「違和感」 今回の東日大震災は十分にひどい経験であった。いや、過去形にしてはならない。未だにそれは進行中である。 それは従来日が経験したほとんどの自然災害と異なり、その被害が局地的にコミュニティを破壊するだけにとどまらず、複数のコミュニティに同時に襲い掛かり、かつそれらを結ぶネットワークをも寸断した。 正直言ってぼくはロジスティックス、物流というものを舐めていた。1個単位で商品の動向を把握するPOSが象徴する物流システムの洗練に、すっかり油断させられていた。日を含めた先進国において、電子的なデータ通信ならともかく、ものの流通がこれほど深刻に滞り、人命を危機にさらすようなことが起こりうるとは、正直想像

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  • 「社会科学基礎論に関する2,3の話題提供」@東大社会学 メモ(25日追記) - shinichiroinaba's blog

    『社会学入門』「社会学の居場所」においては、対象を支配する一定の法則の具体的内容を前提として、そこから対象のふるまいを予測しようとする姿勢を「工学的」、それに対して対象を支配する未知の、しかし一定の法則の存在を仮定し、その法則の具体的内容を探り当てようとする姿勢を「科学的」と呼んだ。そしてそれに対して、理論社会学の一部(ポスト・パーソニアンの社会システム論)を支配した欲望を、法則そのものの多様性、更には可能であればその法則そのものの変容を支配する更なるメタ法則の理解を目指すものと解釈した。 しかしそのような欲望には質的に倒錯的なところがあり、どのような「メタ法則」を想定しても必ずやその背後に更なる「メタメタ法則」を想定してしまうことができるがゆえに不毛である、と『入門』「居場所」では断じた。それはちょうどカール・ポパーがマルクス主義を「歴史(法則)主義」と批判したのと同様の論理である。

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