東京五輪・パラリンピックのボート、カヌー会場として、東京都が300億円をかけて東京湾に新設した「海の森水上競技場(江東区)」。完成後、カキが大量発生し、競技に影響しかねないと都が1億円以上をかけて除去したことで話題となった。 五輪後も活用していく競技場だけに、都は対策を講じると言っていたが…。江戸前のカキ騒動のその後を追うと、今後も対策には莫大な経費がかかることが分かった。
グーグルマップで遊んでいたら、北太平洋にぽつんと浮かぶミッドウェー諸島に、明治時代の「櫻井又五郎」という名の墓を見つけた。 墓の存在に気づいたのは2020年9月。新型コロナウイルス「第2波」で自粛ムードが漂う中、せめて旅行気分だけでも、と(グーグルマップで)太平洋の島々を巡っていた時だった。 深夜にスマホの中の墓を見つめながら、素朴な疑問が浮かんだ。100年以上も昔、櫻井さんはなぜこんなところに? こつこつと調査を重ね、結論には至っていないが、ひとまず経過をまとめてみたい。何か情報をお持ちの方は、ぜひお寄せください。(デジタル編集部・谷岡聖史) ミッドウェー諸島(環礁) ホノルルから約2000キロ北西、東京都心から約4100キロ東南東にあり、主に大小2島からなる。世界複合遺産でもある北西ハワイ諸島の一部だが、行政上はハワイ州ではなく、米連邦政府の魚類野生生物局が直接管理する。長らく無人島だ
「演劇・映画・芸能界のセクハラ・パワハラをなくす会」代表の俳優知乃さんらが5日、東京都内で記者会見し、セクハラ被害防止の活動を巡り、名誉毀損(きそん)を理由に慰謝料500万円などを求めて提訴されたと明らかにした。同会は「内容や金額に照らしても、ハラスメントをなくそうとする活動への不当な攻撃だ」と主張している。 同会は、講師を務めたワークショップの受講者の少女にわいせつな行為をしたとして、2013年に児童福祉法違反容疑で逮捕され、懲役2年の実刑判決を受けた男性演出家が出所後の18年、再び舞台の演出や主演に起用されると知り、短文投稿サイト「ツイッター」への書き込みや署名集めを通じて、反対運動を展開した。
自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件で、不記載が5年間で総額約13億5000万円もあった安倍派の幹部4人が出席した1日の衆院政治倫理審査会。いつ裏金づくりが始まり、なぜやめられなかったのか。国民が抱く不信と疑念に対し、4人は「反省」を口にしたが、詳細は「知らない」「存じ上げない」と異口同音に繰り返した。裏金を国会の議員事務所で保管して秘書の判断で支出していたのに、納税を否定するなど、国民感情を逆なでするような責任逃れの弁明が相次いだ。(井上峻輔) 裏金づくりがいつから始まったかについて、安倍派で事務総長を務めた西村康稔前経済産業相は「歴代会長と事務局長との間で長年慣行的に扱ってきたことだ。判然としない」と回答。塩谷立元文部科学相も「二十数年前から始まったのではないかと思うが、明確な経緯は承知していない」と述べるにとどめた。
厚生労働省が省内の全部局に、根本匠厚労相の指示として「非正規」や「非正規労働者」という表現を国会答弁などで使わないよう求める趣旨の文書やメールを通知し、本紙が情報公開請求した後に撤回したことが分かった。同省担当者は撤回の理由を「不正確な内容が散見された」と説明。根本氏の関与はなかったとしている。 (中根政人) 厚労省雇用環境・均等局によると、文書は「『非正規雇用労働者』の呼称について(周知)」という件名で四月十五~十六日に省内に通知。当面の国会答弁などの対応では、原則として「有期雇用労働者」「派遣労働者」などの呼称を用いるとした。「非正規雇用労働者」の呼称も認めるが、「非正規」のみや「非正規労働者」という表現は「用いないよう留意すること」と注意を促している。 各部局に送信したメールには、同じ文書を添付した上で「『非正規雇用』のネーミングについては、(中略)ネガティブなイメージがあるとの大臣
若手の論客として知られた新井将敬という政治家がいた。東大卒、旧大蔵省のキャリア官僚出身のエリートだったが、株取引での利益供与を要求した証券取引法違反容疑が浮上し、衆院が逮捕許諾の議決をする直前に自らの命を絶った▼在日韓国人として生まれ、十六歳の時に日本国籍を取得した新井氏は一九八三年に旧衆院東京2区から初出馬、落選した際に悪質な選挙妨害を受けた。選挙ポスターに「元北朝鮮人」などと書いた黒いシールを大量に張られたのだ▼それを思い出したのは、永住外国人への地方参政権付与に反対する集会で、石原慎太郎東京都知事が「(帰化した人や子孫が)国会はずいぶん多い」などと発言したからだ▼選挙区内の新井氏のポスターにせっせとシールを張って歩いたのは、同じ選挙区の現職だった石原知事の公設第一秘書らだった。「それ(帰化)で決して差別はしませんよ」と集会で知事は語ったが、彼の取り巻きが過去にしでかしたことを思い起こ
厚生労働省が昨年、過労死などの労災認定をする際の労働時間の算定について、一定条件下の仮眠を除外したり、持ち帰り残業で極めて厳しい基準をとるよう全国の労働基準監督署に通達していたことが分かった。労働時間のとらえ方を労災被災者らの救済を目的とする労災保険法でなく、法令を守らせる労働基準法に基づいていることを問題視する声も強い。労働時間が実態より過小に算定され、労災の「不認定」の増加につながる恐れがある。(久原穏) 厚労省の意図について、過労死問題に取り組む弁護士でつくる「過労死弁護団」は「働き方改革と言いながら、労災認定が増えるのは不都合だからではないか。(労働者より)経営側に立つ政権の意向に沿うためもある」と推測する。 通達は厚労省労働基準局補償課が昨年3月30日付で送った「労働時間の認定に係る質疑応答・参考事例集」。機密扱いだが、家族を過労死で亡くした遺族ら関係者の情報公開請求で明るみに出
築地市場(東京都中央区)からの移転が延期された豊洲市場(江東区)の主要な建物下に盛り土がされていなかった問題で、石原慎太郎氏が都知事在任中の二〇〇八年、地下にコンクリートの箱を埋める案に言及していたことが分かった。長所として工費の安さや工期の短さを挙げていた。土壌汚染対策を検討する専門家会議の盛り土案に反し、都が地下空間案を採用した判断に、石原氏の意見が影響したかどうか、解明が進むことになりそうだ。 (中沢誠、中山高志) 専門家会議は〇七年五月、ベンゼンで土壌が汚染されていた豊洲市場の地下利用について「有害物質が建物内に入る恐れがあるため、地下施設は造らない方がいい」と指摘。〇八年五月十九日、土を入れ替えて盛り土にする方針を決定した。 しかし、石原氏は〇八年五月三十日の都知事の定例会見で、海洋工学の専門家がインターネットで「もっと違う発想でものを考えたらどうだ」と述べていると紹介。土を
音楽家の坂本龍一さんが、明治神宮外苑地区の再開発の見直しを求める手紙を東京都の小池百合子知事らに送った。都は再開発事業を許認可する立場にあり、「知事のリーダーシップに期待します」などとつづったが、小池氏は17日の記者会見で「(再開発の意義などが)坂本さんや都民の方に伝わるよう(職員に)情報発信をあらためて指示した」と述べ、取り合わなかった。再開発は3月下旬に神宮第2球場の解体から始まる計画だ。(森本智之、三宅千智) 外苑再開発は、三井不動産など民間事業者が中心で、小池氏は従来「明治神宮の私有地をめぐる開発の話」(3月3日の会見)と民間開発であることを強調してきた。17日の会見でもこうした姿勢を踏襲したとみられ、「事業者の明治神宮にも手紙を送られた方がいいんじゃないでしょうか」とも述べた。
政府の観光支援策の「Go To トラベル」事業に参加登録している長野県のホテルで、新型コロナウイルスの感染者が出たことが分かった。4日に国会の野党ヒアリングで野党側が指摘したが、事業を所管する観光庁の幹部は把握していなかった。 「Go To」は、コロナで大きな打撃を受けた観光事業者を救う重要施策だが、感染拡大を助長する懸念もある。野党からは「感染者が出たという基本的な事実もつかめていないのに、感染防止と事業の両立が図れるのか」と批判が出た。 ヒアリングでは、野党側が「『Go To』の利用者で感染者はいるのか」と繰り返し問い、そのたびに観光庁幹部は「参加登録している宿泊事業者、旅行業者からの報告は受けていない」「宿泊事業者が感染者を把握していたら報告が上がる仕組みになっている」と返答していた。
「PCR検査は誤判定がある。検査しすぎれば陰性なのに入院する人が増え、医療崩壊の危険がある」―。新型コロナウイルスの感染が拡大していた5月、厚生労働省はPCR検査拡大に否定的な内部資料を作成し、政府中枢に説明していたことが、民間団体の調査で判明した。国民が検査拡大を求め、政権が「件数を増やす」と繰り返していた時期、当の厚労省は検査抑制に奔走していた。 厚労省の資料は「不安解消のために、希望者に広く検査を受けられるようにすべきとの主張について」と題した3ページの文書。コロナ対策で政府関係者への聞き取りをしたシンクタンク「アジア・パシフィック・イニシアティブ」(船橋洋一理事長)が8日公表の報告書に載せた。 文書では「PCR検査で正確に判定できるのは陽性者が70%、陰性者は99%で、誤判定が出やすい」と説明。仮に人口100万人の都市で1000人の感染者がいるとして、全員に検査した場合、感染者10
安倍晋三元首相銃撃事件で、山上徹也容疑者(41)=殺人容疑で送検=の供述によりクローズアップされた宗教団体「世界平和統一家庭連合(旧統一教会)」。山上容疑者は、母親が入信後に破産するほどの献金をして家庭が崩壊したため同会への恨みを持ち、同教会とのつながりが深い安倍氏を狙うことにした、などという趣旨の供述をしているという。同会と自民党との関係は、半世紀以上前までさかのぼるとされるが、その経緯や実態はどうなのか。(特別報道部・宮畑譲、北川成史) 旧統一教会とはどんな団体か。フランスの経済紙「レゼコー」は襲撃事件後、欧米では「カルト宗教」と認識されていると報じた。上越教育大の塚田穂高准教授(宗教社会学)は「活動の基軸はあくまで宗教的理念と実践。その活動の中において多くの問題を抱え、人権侵害や違法行為を積み重ねてきた宗教団体だ。他の宗教一般と同列には扱えない」と話す。 旧統一教会は教祖の故・文
新型コロナウイルスの第7波が拡大する中、東京都内では感染で容体が悪化しても救急搬送が極めて困難な状況となっている。7月末には高齢のがん患者の搬送先が見つからず、感染判明から10時間後に自宅で亡くなった。都が公表する病床使用率は50%台と数字上は空きがあるものの、訪問診療の医師は「なぜ入院できないのか」と憤りの声を上げる。(小川慎一) 搬送先の病院が見つからず、感染判明から10時間後に自宅で死亡した男性に手を合わせる田代和馬院長(手前)と男性の妻=東京都品川区で(ひなた在宅クリニック山王提供) 7月28日午後9時前、品川区内のマンション一室で、救急隊員がスマートフォンで電話をかけていた。感染し容体が悪化した男性(83)の搬送先を探し、既に2時間を超えていた。駆けつけた区内の「ひなた在宅クリニック山王」の田代和馬院長が「100件ぐらいかけたか」と聞くと、隊員は「100件以上かもしれない」。
大阪府豊中市の国有地が学校法人「森友(もりとも)学園」(大阪市淀川区、籠池(かごいけ)泰典理事長)に評価額の14%の値段で売却された問題に関し二十四日、昨年六月の売買契約を巡る売り主の近畿財務局と学園側の交渉や面会の記録が、既に廃棄されていることが分かった。財務省の佐川宣寿理財局長が衆院予算委員会で明らかにした。 (横山大輔) 佐川氏は、記録は同省の文書管理規則で保存期間一年未満に分類されるとし、「売買契約の締結をもって、事案は終了した。記録は速やかに廃棄した」と説明した。これに対し、共産党の宮本岳志氏は「契約と同時に破棄したのでは調査しようがない。隠蔽(いんぺい)と言われても仕方がない」と批判した。 国有地は、小学校用地として当初の評価額九億五千六百万円から、生活ごみや廃材の撤去費用八億円余りを差し引き、大幅に安い一億三千四百万円で売却された。民進党など野党側が経緯が不自然だとして国
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