軍用気球は旅順攻撃で初めて使用され、青島戦役、支那事変に功績を挙げたが、制空権がないノモンハンでは撃墜された。海軍でも艦砲射撃・魚雷発射の観測や、哨戒用として訓練に用いられた。太平洋戦争初期のコレヒドールでの活躍を最後に使命を終了した気球、語られることのなかった戦場の脇役の航跡を詳解する。 第1章 軍用気球の発達と気球部隊の歩み(平賀源内と林子平の気球研究 気球の誕生と発達 ほか) 第2章 風船爆弾(対ソ戦特殊兵器の研究 風船爆弾の構想 ほか) 第3章 軍用気球の構造と機能(気球の種類 気嚢の構造 ほか) 第4章 軍用気球の操法と運用(操作班の区分と任務 気球の操作 ほか) 第5章 海軍の気球(イギリス製SS式飛行船の導入 フランス製アストラ・トウレ飛行船の導入 ほか)