1人暮らしの高齢者が賃貸住宅への入居を断られるケースが後を絶たない。国土交通省の調査によると、大家の約7割が高齢者に住宅を貸すことに拒否感があるという。孤独*どのリスクへの懸念があるとみられる。1人暮らしの高齢者は増加の一途で、対策は急務だ。 東京都内の分譲マンションに賃貸で住んでいた自営業の74歳の男性は昨年6月に妻に先立たれ、1人で暮らしていた。今年4月、部屋の所有者から「売却する」と立ち退きを求められた。男性は不動産会社で部屋を探したが、希望した3つの物件はいずれも断られた。 「都営住宅も条件に合う物件は空きがないようで、もうだめだと思った」 男性は役所に紹介された居住支援法人「高齢者住まい相談室こたつ」(東京都立川市)に駆け込んだ。 居住支援法人は都道府県から指定を受け、住まいの確保が困難な高齢者などの入居を支援する。高齢者住まい相談室こたつは、デイサービスなどを運営する「こたつ生