夏ドラマが終盤に差し掛かっている。今期は飛び抜けた注目作がなく、オリンピックに話題を奪われてきたなか(過去記事:話題作なく総崩れ?「夏ドラマ」評価分かれる背景)、SNSなどの口コミでじわじわと関心を集めているドラマがある。 すでに飽和気味のグルメドラマのなかで、これまでとは異なる新しい“味”を出している『飯を喰らひて華と告ぐ』(TOKYO MX)だ。 ドラマのアウトラインを見ると『深夜食堂』シリーズの世界観に近いのかと思いきや、ストーリーも登場人物のキャラクター性もまったく異なる。 また、グルメドラマの頂点に君臨する『孤独のグルメ』シリーズとは、料理シーンを除くと対極に位置するようなエンターテインメント性の高さが特徴になっている。 『飯を喰らひて華と告ぐ』は、味が濃すぎる昭和的なクセ強キャラの店主(仲村トオル)が、悩める市井の人々の心を救う、喜劇と悲劇のヒューマンドラマの要素を混ぜ合わせて