朴沙羅さんの「欧州季評」 暦の上では春のはずだが、私の住んでいるフィンランドのヘルシンキでは、ようやく雪が解けたころだ。日本では春闘も山場を超えたが、去年の11月から今年の春にかけて、フィンランドではストライキが頻発している。2月初めにはストライキの影響で国内の主要な空港が貨物と人の輸送を停止したため、フィンエアーは約550便を欠航させた。また国営鉄道VRや地方の交通機関がストライキを行っただけでなく、主要都市の各地で公立・私立を問わず保育園も運営を停止した。 このストライキは、経営者ではなく政治に向けた「政治ストライキ」で、新政権による労働政策への反対を訴えるものだ。フィンランド国営放送yleによれば、現政権の掲げる労働政策のうち、有給でとれる病気休暇の最初の1日は賃金を支払わないこと、子供の数に応じた失業給付の増額を廃止、そして特別な理由なく雇用者側が労働者を解雇できるようにすること、