北大路魯山人のような人物は、残寝ながら世界中どこにも見当たりません。知られているだけでも、その顔は美食家、料理家、書道家、陶芸家、芸術家、文筆家、批評家……と実に!かなり!様々。仏の美食家、ブリア・サヴァランのように自己流のグルメ道を貫き、英国のデザイナー、ウィリアム・モリスのように「人々の生活を少しでも美しく」と言いつつ一般には手が届かない高級品を作り、さらにドイツの哲学者、ニーチェのように周囲の人々との衝突を繰り返した魯山人。しかし伝わっている横柄なエピソードに似合わず、作品は自由で大らか、素朴と呼べるものまであります。では、彼が愛した食の現場では、一体彼はどういう存在なのでしょうか。彼の器と料理の関係には、日本食をもっと楽しむためのヒントが散りばめられていました。 北大路魯山人 魯山人の書の才能が開花したのは、なんと10代! 0歳の折に実母がいる東京へ。 美食倶楽部から、会員制料亭の