日本語を論じる際に「ありがち」な批判の1つに「カタカナ語(外来語)が多すぎる」という指摘があります。例えば文化庁が実施する「国語に関する世論調査」(2010年度)は、「言葉や言葉の使い方に関して困っていること」を質問しています。「流行語や新しい言葉の意味が分からない」(41.8%)に次いで多く選ばれた選択肢が「外来語・外国語の意味が分からない」(39.1%)でした。 とはいえ日本語は、外来語を積極的に取り込むことで今日の姿となったとも言えます。そもそも日本語の語彙のうち、和語(やまとことば)と呼ばれるオリジナルの語彙は40%ほどにすぎません。残りの60%(漢語が45%、西洋系の外来語が12%など)はなんらかの形で外国語の影響を受けた言葉です(参考「外来語とは何か~新語の由来・外来語の役割~」田中建彦著・鳥影社)。 ところで外来語の借用は、日本語だけで起こっている現象ではありません。程度の差