『カサンドラ妻の体験記 心の傷からの回復』(西城サラヨ/星和書店) なぜ、夫婦生活で「コミュニケーションがうまく取れないと困る」のか。 そもそも、夫婦は“家庭という運命共同体”の舵取りという任務をともに担う相方であり、パートナー。そのミッションは多岐にわたり、穏やかで平和な家庭運営のためには役割分担が大切となる。ワーキングマザーの友人夫妻などは、TPOごとに分担のフォーメーションを変え、平常時(夫が仕切る)・子どもや親族まわりの緊急時(妻が仕切る)・子どもを叱る(日常のしつけは妻だが、重要な場面で叱るときは夫)と、状況に合わせた立ち位置を決めている。そして、それはあうんの呼吸で遂行されるのだという。その際には相手の空気を読み、感情を察する力が不可欠だ。 ところが、愛すべきパートナーが、実は人の気持ちを読み取ることが難しい発達障害を抱えていたとしたら…。 近年「カサンドラ症候群」という、結婚