【前回までのあらすじ】 遊郭の化けの里で、越後の大入道の跡を継いだ今入道と、丹後のヒヒの養子の見越入道は、新屋の毛女郎を巡ってケンカを始めましたが、毛女郎が間に入って、その場は何とか収まりました。 ※この記事では、国立国会図書館デジタルコレクションの画像を適宜加工して使用しています。 大昔化物双紙 2巻 - 国立国会図書館デジタルコレクション (8ページ目です) ※画像は拡大できます。 【原文】 「入道さん、疑ひが晴れたハいのう」 今入道、毛女良へ心中《しんぢう》に片/\の目を刳《く》り貫《ぬ》いてやる。 「痛い/\、目板鮃《めいたびらめ》ときてゐる」 手水鉢《てうづばち》の化け物、水鏡《みずかゞミ》に此の由《よし》を見て、狒ゝに告げる 【現代語訳】 毛女郎「今入道さん、トラブルが解決してよかったですのう」 今入道は毛女郎への愛の証《あかし》として、片方の目をくりぬいて渡しました。 今入道