逆境下も消費者に情報発信 新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大は、市場縮小に直面するデジタルカメラ業界にとって新たな試練となった。生産への影響にとどまらず、物流の混乱や小売店の臨時休業、個人消費の落ち込みなど環境は厳しさを増している。国内外で開催予定だった大規模見本市の中止や東京五輪・パラリンピックの1年延期で業界が翻弄(ほんろう)されているようにも見えるが、全体が暗いムードに包まれているわけではない。(国広伽奈子) 一眼レフ発売延期 新型コロナ感染症の世界的な流行は、カメラ業界にも至る所で影響を及ぼしている。最初に打撃を受けた中国には複数社のデジカメ生産拠点がある。1月下旬の春節直後こそ休暇の延長を余儀なくされたが、ソニーや富士フイルムによると稼働再開以降は春節前に近い水準まで回復している。 ニコンはラオス政府の指示に従い同国内の生産子会社の稼働を停止していたが、4月21日に再開した。