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山下裕毅の検索結果1 - 40 件 / 180件

  • 中国のネット監視・検閲「グレートファイアウォール」を個人で再現 オープンソース「OpenGFW」公開中

    このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 Twitter: @shiropen2 米国の研究機関であるAperture Internet Laboratoryは、Linuxで動作する中国のインターネット検閲システム「グレートファイアウォール」(Great Firewall、GFW、金盾)をオープンソースで実装したシステム「OpenGFW」を発表した。このシステムは家庭用ルーターで使用可能なほど柔軟で使いやすく、GFWを個人レベルで実現することを目指している。 OpenGFWは、IPとTCPのデータを完全に再構築する能力を持ち、HTTP、TLS、DNS、SSHなどのネットワークプロトコルを解析できる。特に、Shadowso

      中国のネット監視・検閲「グレートファイアウォール」を個人で再現 オープンソース「OpenGFW」公開中
    • なぜ人は“録音”よりも“ライブ演奏”で感動するのか スイスの研究者が解明 MRI内で音楽鑑賞して実験

      このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 Twitter: @shiropen2

        なぜ人は“録音”よりも“ライブ演奏”で感動するのか スイスの研究者が解明 MRI内で音楽鑑賞して実験
      • 「なぜ時間は過去→未来にしか進まない?」を“量子もつれ”で説明か 未解決問題「時間の矢」に切り込む

        このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 X: @shiropen2 普段感じている時間は、過去から未来へと一方向にしか流れていかない。このような時間が一方向に進む概念を「時間の矢」と呼び、物理学の未解決問題の一つとしている。この時間の矢を説明する新しい考え方を提案したのがこの研究である。 この論文では、宇宙が始まったときには「量子もつれ」は少なかったと主張(宇宙の初期状態が非常に低いもつれエントロピーを持つ状態であったという仮定)しており、これを「量子もつれの過去仮説」(Entanglement Past Hypothesis、EPH)と呼んでいる。 「量子もつれ」とは、2つ以上の量子がどんなに遠く離れていても互いに強

          「なぜ時間は過去→未来にしか進まない?」を“量子もつれ”で説明か 未解決問題「時間の矢」に切り込む
        • バッハの曲を数学的に分析 “情報量が多く効果的に伝達している”と判明 米研究者らが検証

          このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 Twitter: @shiropen2 ペンシルベニア大学などに所属する研究者らが発表した論文「Information content of note transitions in the music of J. S. Bach」は、音楽作品を情報ネットワークへと変換し、作品が内包する情報量と伝達効率を調査した研究報告である。この研究では、バッハの楽曲を情報ネットワークとしてモデル化し、楽曲が持つ情報量とその情報をいかに効率よく伝達するかを定量的に評価する。 手法の第一歩として、楽曲の各音符をネットワーク上のノードとして捉え、音符間の遷移をエッジで結び付けている。このエッジは指向

            バッハの曲を数学的に分析 “情報量が多く効果的に伝達している”と判明 米研究者らが検証
          • 「歩くのが遅い人は脳が小さくIQが低い」──歩行速度と脳の構造に相関あり? 米国チームの実験結果

            このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。通常は新規性の高い科学論文を解説しているが、ここでは番外編として“ちょっと昔”に発表された個性的な科学論文を取り上げる。 X: @shiropen2 人は日常的に歩行という動作を行っているが、その速度は単なる身体能力の指標ではないことが、この研究で明らかになった。研究チームは、ニュージーランドで1972~1973年に生まれた1037人(45歳時点で生存していたのは997人、そのうち904人の歩行速度を測定)を対象に、45歳時点での歩行速度とさまざまな健康指標との関連を調べた。参加者は3歳から定期的にさまざまなテストを受けてきた縦断的調査の対象者である。 研究チームは、通常歩行や、二重課題歩行(アルファベットの文字を交互に声に出して読み上

              「歩くのが遅い人は脳が小さくIQが低い」──歩行速度と脳の構造に相関あり? 米国チームの実験結果
            • 新MacBook Pro(M3)でも機密情報が漏えい 2020年以降のApple製品全てに脆弱性 米国チームが発表

              このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 Twitter: @shiropen2 米ジョージア工科大学などに所属する研究者らが発表した論文「iLeakage: Browser-based Timerless Speculative Execution Attacks on Apple Devices」は、Mac、iPad、iPhoneなどのApple製品に搭載のSafariを標的としたサイドチャネル攻撃に関する研究報告である。 この攻撃は、最近発売されたM3チップを搭載した新型MacBook Proでも成功し、ソフトウェアの更新状況に関わらず、Apple製品にとって依然として脅威であることを示した。 「iLeakage」

                新MacBook Pro(M3)でも機密情報が漏えい 2020年以降のApple製品全てに脆弱性 米国チームが発表
              • 大画面ディスプレイ1台 vs. 複数枚ディスプレイ──作業効率がいいのはどっち? 2009年発表の論文を紹介

                被験者8人(企業で知的財産管理業務に携わる人たち)に17インチのディスプレイ1台(これをSmall条件とする)、24インチのディスプレイ1台(同Large条件)、17インチのディスプレイ2台並置(同Dual条件)の3つの環境を使ってもらい、実験を行った。 ディスプレイ環境変更の前後約2週間ずつ、被験者のPC操作ログを収集した。操作ログには、マウスやキーボードによるウィンドウ操作(ウィンドウのアクティブ化、移動、サイズ変更)が含まれ、これらが要する総時間を算出した。 その結果、Small条件では作業時間の8.5%をウィンドウ操作に費やしており、現行のウィンドウシステムの改善が必要だと示唆した。Large条件ではウィンドウ操作コストの削減は見られなかったが、Dual条件では13.5%の削減を確認した。よって、ウィンドウ操作コストの観点からは、大画面単一より複数ディスプレイの方が優れているといえ

                  大画面ディスプレイ1台 vs. 複数枚ディスプレイ──作業効率がいいのはどっち? 2009年発表の論文を紹介
                • もっとも人間の皮膚を切り裂く「紙の厚さ」 デンマークの物理学者が特定

                  このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 X: @shiropen2 この研究では、ティッシュペーパーや雑誌、オフィス用紙、本のページ、名刺、写真プリントなど、さまざまな種類と厚さの紙を使用。実験方法として、人間の皮膚を正確に模倣するとされる弾道ゼラチン「スラブ」を用い、小型ロボットを使って異なる角度で紙サンプルをゼラチンに押し付けた。 実験の結果、最も危険な状況は65μm(0.065mm)の厚さの紙がゼラチンスラブに15度の角度で接近した場合であることが判明した。この厚さの紙は、ドットマトリックスプリンタや科学雑誌の印刷に一般的に使用されている。 この特定の厚さの紙が最も切りやすい理由は、その物理的特性にある。65μm

                    もっとも人間の皮膚を切り裂く「紙の厚さ」 デンマークの物理学者が特定
                  • 他人が装着するイヤフォンだけに“いきなり音楽を注入できる”システム 明治大が開発

                    このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 Twitter: @shiropen2 明治大学の渡邊研究室に所属する研究者らが発表した論文「WhisperCast: ヘッドフォン装着者だけが聴取可能な音を再生する磁気誘導を利用した手法の検討」は、ヘッドフォンやイヤフォンを装着している人のみが聞こえる音声や音楽を外部から挿入するシステムを提案した研究報告である。 このシステムは、磁気誘導を用いて、ヘッドフォンやイヤフォン内の振動板を直接鳴動させ、装着者だけが聴取できる音を生成する。WhisperCastのハードウェア構成には、空芯コイルとアンプを含んでいる。 具体的なプロセスとして、コンピュータが任意の波形(通知音や好きな音楽

                      他人が装着するイヤフォンだけに“いきなり音楽を注入できる”システム 明治大が開発
                    • YouTuber or VTuber どちらで配信する方が支持される? 明治大などの研究者らが比較調査

                      このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。通常は新規性の高い科学論文を解説しているが、ここでは番外編として“ちょっと昔”に発表された個性的な科学論文を取り上げる。 X: @shiropen2 明治大学やソフトバンク、NTTドコモ、ドワンゴに所属する研究者らが2023年1月に発表した論文「カテゴリ別におけるVTuberとYouTuberの配信スタイルによる印象評価」は、動画配信における顔出し、2DCGアバター、3DCGアバターの3種類の配信スタイルが視聴者にとってどれほど影響があるのかを比較調査した研究報告である。

                        YouTuber or VTuber どちらで配信する方が支持される? 明治大などの研究者らが比較調査
                      • SMSを送って相手の位置を特定するサイバー攻撃 スマホ持つ全ユーザーに到達可能 米研究者らが開発

                        このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 Twitter: @shiropen2 米ノースイースタン大学などに所属する研究者らが発表した論文「Freaky Leaky SMS: Extracting User Locations by Analyzing SMS Timings」は、SMS(Short Message Service)を送ることで相手のスマートフォンの位置を特定するサイドチャネル攻撃を提案した研究報告である。攻撃者は、ユーザーのスマートフォンに複数のテキストメッセージを送信する。ユーザーの自動配信の返信のタイミングによって、ユーザーの位置を三角測量で特定できる。 攻撃は、SMSの送信者がネットワークを介し

                          SMSを送って相手の位置を特定するサイバー攻撃 スマホ持つ全ユーザーに到達可能 米研究者らが開発
                        • 数学の「=」(等しい)とはどういうことか? 英ICL教授が発表 「コンピュータの登場で定義が曖昧に」

                          このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 X: @shiropen2 英インペリアル・カレッジ・ロンドン(ICL)の教授であり、数学者のケビン・バザードさんの単著論文「Grothendieck’s use of equality」は、数学者が等式の概念をどのように使用しているか、そしてそれが数学の形式化を試みる際にどのような影響を与えるかについて議論した研究報告である。 バザードさんは「現状、数学者は等式の概念を曖昧に使っており、近年のコンピュータプログラムによる証明(形式化)においてその曖昧さが障害になっている」と指摘する。 「=」(等号)にみる一般的な等式の定義は、両辺が同じ数学的対象を表しており、一方から他方への論

                            数学の「=」(等しい)とはどういうことか? 英ICL教授が発表 「コンピュータの登場で定義が曖昧に」
                          • AIを使った“利益を出す馬券”の買い方とは? はこだて未来大の准教授がAIによる競馬予想法を指南

                            このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 Twitter: @shiropen2 情報処理学会が会員向けに月刊で発行する学会誌「情報処理」の2019年1月発行分(60巻2号)で「情報学者が競馬予想に踏み出すときに知っておくべきこと」と題した解説記事が掲載された。公立はこだて未来大学の寺沢憲吾准教授が、AIを活用して利益が出る馬券を買うために考慮しなければならない競馬予想に関することが記されている。ここでは、その内容を簡潔に紹介したい。 馬券には多様な賭け方が存在するが、ここでは単勝式を中心に説明している。単勝式の馬券は、どの馬が1着になるかを当てるもので、予想が的中すれば購入金額×オッズ(倍率)の払い戻しが行われる。オッ

                              AIを使った“利益を出す馬券”の買い方とは? はこだて未来大の准教授がAIによる競馬予想法を指南
                            • 米OpenAI「公表しないで……」 ブラックボックスであるLLMの中身を“盗む”攻撃 米Googleらが発表

                              このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 Twitter: @shiropen2 米Google DeepMindなどに所属する研究者らが発表した論文「Stealing Part of a Production Language Model」は、米OpenAIのGPT-4や米GoogleのPaLM-2などのクローズドな大規模言語モデル(LLM)から、モデルの一部を盗み出す攻撃を提案した研究報告である。言語モデルのAPIへのクエリを通じて、低コストでモデルの内部構造に関する情報を抽出することに成功した。 GPT-4やPaLM-2などの最先端AIモデルは、APIを通じて一般ユーザーに提供されているが、内部構造や学習に使用され

                                米OpenAI「公表しないで……」 ブラックボックスであるLLMの中身を“盗む”攻撃 米Googleらが発表
                              • 古代の投槍武器「アトラトル」、男女が同じ速度で発射できると判明 女性ハンターの高い狩猟能力を示す

                                このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。通常は新規性の高い科学論文を解説しているが、ここでは番外編として“ちょっと昔”に発表された個性的な科学論文を取り上げる。 X: @shiropen2 米ケント州立大学、米タルサ大学などに所属する研究者らが2023年に発表した論文「Atlatl use equalizes female and male projectile weapon velocity」は、数千年前から使用されてきた古代の投槍器「アトラトル」を用いると、女性と男性が非常に近い速度で投射物を発射できることを発見した研究報告である。この発見は、先史時代の女性ハンターが男性ハンターと同等に狩猟能力を持っていたという証拠を補強するものである。 アトラトルは、テコの原理を利用し

                                  古代の投槍武器「アトラトル」、男女が同じ速度で発射できると判明 女性ハンターの高い狩猟能力を示す
                                • 「時間」とはなにか?→「量子もつれ」によって作られた“副産物”かも イタリアの研究者らが提唱

                                  このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 X: @shiropen2 イタリアのフィレンツェ大学などに所属する研究者らが発表した論文「Magnetic clock for a harmonic oscillator」は、時間が量子もつれから生じるという理論モデルを提唱した研究報告である。研究チームの計算結果は、時間が物理的現実の基本的な要素ではなく、量子もつれの結果として生成されたものである可能性を示唆している。 (関連記事:「なぜ時間は過去→未来にしか進まない?」を“量子もつれ”で説明か 未解決問題「時間の矢」に切り込む) 一般相対性理論では、時間は宇宙の構造に組み込まれており、この物理的現実は時空に設定されている。こ

                                    「時間」とはなにか?→「量子もつれ」によって作られた“副産物”かも イタリアの研究者らが提唱
                                  • ピアノコンクール合格者の特徴とは? 参加者のMIDIデータと審査員の合否基準を解析 東大とピティナなどが発表

                                    このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 Twitter: @shiropen2 東京大学大学院、ピティナ音楽研究所、高知工科大学、京都大学大学院に所属する研究者らが発表した論文「MIDIピアノを用いたピアノコンクールの合格者と不合格者の演奏における拍間隔変化の比較」は、ピアノコンクールにおける参加者のピアノ演奏をMIDIデータとして取得し、複数の審査員による合否基準とどのような結び付きがあるかを分析した研究報告である。 これまでの演奏研究では、主に波形データが使われてきたが、これには演奏時の打鍵・離鍵のタイミングを正確に捉えることができないという限界があった。 特に、演奏の個性や速度変化を詳細に分析する上で、波形データ

                                      ピアノコンクール合格者の特徴とは? 参加者のMIDIデータと審査員の合否基準を解析 東大とピティナなどが発表
                                    • 電力不要「“ゴム”コンピュータ」 伸縮により「0」と「1」をカウント【研究紹介】 レバテックラボ(レバテックLAB)

                                      山下 裕毅 先端テクノロジーの研究を論文ベースで記事にするWebメディア「Seamless/シームレス」を運営。最新の研究情報をX(@shiropen2)にて更新中。 オランダのライデン大学と研究機関AMOLFに所属する研究者らが発表した論文「Controlled pathways and sequential information processing in serially coupled mechanical hysterons」は、ゴムを使った構造物を用いて、エレベーター、自動販売機、改札口、洗濯機などのデバイスに用いられる単純な電子計算タスクを実行できることを示した研究報告である。 従来の電子機器では、複雑な回路を構成する多数の要素を用いてデジタルビットによる計算が行われている。一方、研究チームは、細長いゴム素材を機械的なビットとして使用した構造体を組み立てることで、電子回路を

                                        電力不要「“ゴム”コンピュータ」 伸縮により「0」と「1」をカウント【研究紹介】 レバテックラボ(レバテックLAB)
                                      • 人だと正解率92%なのに、GPT-4だと15%になる新型テスト集「GAIA」 米Metaなどが開発

                                        このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 Twitter: @shiropen2 米Metaや米HuggingFaceなどに所属する研究者らが発表した論文「GAIA: a benchmark for General AI Assistants」は、難しいタスクではなく、人間にとって簡単なタスクを達成する大規模言語モデル(LLM)を評価するためのベンチマークを提案している。この研究は、人間が日常で当たり前に実行してほしいタスクを正確にこなすLLM構築を目指すためのテスト集である。 現在のベンチマークは、人間にとってより困難なタスクを求めており、LLMには数学や法律などの複雑なタスクや、一貫性のある本を書くなどの複雑な課題が

                                          人だと正解率92%なのに、GPT-4だと15%になる新型テスト集「GAIA」 米Metaなどが開発
                                        • お前は今から“鵜”だ──「鵜になって鮎を丸のみ」を体験できる装置 岐阜大の研究者らが開発

                                          このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 Twitter: @shiropen2 本物の鵜が鮎を捕まえるとき、水中に潜り鮎をくちばしで捕まえ、水面に浮上した後で丸のみする。この研究は、のみこみを再現する装置「腹結」、首が冷たくなる感覚を再現する装置「首結」、鵜のくちばしを模した装置、そしてVR HMD(ヘッドマウントディスプレイ)を組み合わせ、鵜が鮎を捕獲する一連の感覚を再現する。 まず、のみこみを再現する装置は、電気通信大学野嶋研究室の研究チームが開発した嚥下感再現装置「Grutio」(1)をベースにして改良を行った。先端に接着電極が付いた平たいひもを備え、内蔵するサーボモーターでひもを引っ張ることができる。 (1)

                                            お前は今から“鵜”だ──「鵜になって鮎を丸のみ」を体験できる装置 岐阜大の研究者らが開発
                                          • 集中力を高めないと抜けない"聖剣” 東大が開発 脳波と視線で集中力を推定

                                            このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 Twitter: @shiropen2 東京大学に所属する研究者らが発表した論文「聖剣を継ぐ者 - 集中の証明 -」は、フィードバックされた集中力を用いて祭壇に埋まった聖剣を抜くというVR体験を提案した研究報告である。体験者にはVR HMD(ヘッドマウントディスプレイ)や脳波計測デバイスなどを装着させ、マルチモーダルに集中力をフィードバックすることで、腕力ではなく集中力を高めて聖剣を抜く体験を提供する。

                                              集中力を高めないと抜けない"聖剣” 東大が開発 脳波と視線で集中力を推定
                                            • 複数のAIが話し合ってアプリを作るフレームワーク 米Microsoftなどの研究者らが開発

                                              このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 Twitter: @shiropen2 米Microsoftや米ペンシルベニア州立大学などに所属する研究者らが発表した論文「AutoGen: Enabling Next-Gen LLM Applications via Multi-Agent Conversation」は、複数のエージェントの会話を使用してさまざまな大規模言語モデル(LLM)ベースのアプリケーションを作成するためのフレームワークを提案する研究報告である。このフレームワークでは、各エージェントを容易にカスタマイズでき、多様なアプリケーションへの対応が可能となる。プロジェクトページはこちら。

                                                複数のAIが話し合ってアプリを作るフレームワーク 米Microsoftなどの研究者らが開発
                                              • スマホ指紋認証の“摩擦音”を録音→指紋を復元する攻撃 中国の研究者らが開発

                                                このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 Twitter: @shiropen2 中国の華中科技大学などに所属する研究者らが発表した論文「PrintListener: Uncovering the Vulnerability of Fingerprint Authentication via the Finger Friction Sound」は、スマートフォンによる指紋認証時の摩擦音を録音し解析することで、その指紋を復元する自動指紋識別システム(AFIS)へのサイドチャネル攻撃を提案した研究報告である。 この攻撃手法は、ユーザーの画面上でのスワイプ動作を利用して指紋の特徴を抽出し、これらの特徴に基づいて、ユーザーの指紋

                                                  スマホ指紋認証の“摩擦音”を録音→指紋を復元する攻撃 中国の研究者らが開発
                                                • スマホでの録音を無効化するツール、中・米の研究者らが開発 部屋内での会話を収録不可に

                                                  このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 Twitter: @shiropen2 中国の浙江大学や米マサチューセッツ大学アマースト校などに所属する研究者らが発表した論文「Cancelling Speech Signals for Speech Privacy Protection against Microphone Eavesdropping」は、マイクによる録音を無効化する手法についての研究報告である。この手法を用いると、隠し持ったスマートフォンや録音機で録音しても、その部屋での会話を収録することはできなくなる。 スマートフォンや音声アシスタントのようなデバイスは、盗聴のリスクを増加させている。この問題への対策として

                                                    スマホでの録音を無効化するツール、中・米の研究者らが開発 部屋内での会話を収録不可に
                                                  • 「GPT-4」は論文の査読ができるか? 米スタンフォード大らが検証 参加者の80%以上「AI査読は有益」

                                                    このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 Twitter: @shiropen2 米スタンフォード大学、米ノースウェスタン大学、米コーネル大学に所属する研究者らが発表した論文「Can large language models provide useful feedback on research papers? A large-scale empirical analysis」は、大規模言語モデル(LLM)が研究論文の査読を行えるかを調査した研究報告である。この検証のため、論文の査読を自動で行うシステムと、LLMによる査読コメントと人間による査読コメントとの間の共通点を探るシステムを開発した。 学術雑誌に投稿される研究

                                                      「GPT-4」は論文の査読ができるか? 米スタンフォード大らが検証 参加者の80%以上「AI査読は有益」
                                                    • 人間の精子は「ニュートンの運動の第3法則」を破って泳いでいる? 京大が発表 肝は“しっぽ”の動き

                                                      このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 Twitter: @shiropen2 京都大学数理解析研究所に所属する研究者らが発表した論文「Odd Elastohydrodynamics: Non-Reciprocal Living Material in a Viscous Fluid」は、人間の精子細胞や一部の微生物(クラミドモナス藻)がニュートンの運動の第3法則(作用反作用の法則とも呼び、壁を手で押すと、壁も同じ大きさの力で手を押し返すという法則)に反して泳いでいるようにも見えることを明らかにした研究報告である。

                                                        人間の精子は「ニュートンの運動の第3法則」を破って泳いでいる? 京大が発表 肝は“しっぽ”の動き
                                                      • 米Microsoftら、“コーディング専用”大規模言語モデル「WizardCoder」開発 文章から高品質なコード出力

                                                        このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 Twitter: @shiropen2 米Microsoftや香港浸会大学に所属する研究者らが発表した論文「WizardCoder: Empowering Code Large Language Models with Evol-Instruct」は、米Hugging Faceが5月に発表したCode LLM(コーディング専用大規模言語モデル)「StarCoder」を軽量で高精度に強化する手法を提案した研究報告である。リポジトリはこちら。 コード生成に関連する課題に取り組むため、多数のCode LLMが提案されている。これらのCode LLMは、大量のコードデータを使用して事前学

                                                          米Microsoftら、“コーディング専用”大規模言語モデル「WizardCoder」開発 文章から高品質なコード出力
                                                        • リポジトリ全体のコーディング作業を一気に自動編集する生成AI「CodePlan」 米Microsoftが開発

                                                          このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 Twitter: @shiropen2 Microsoft Researchに所属する研究者らが発表した論文「CodePlan: Repository-level Coding using LLMs and Planning」は、単なる一部のコード編集にとどまらず、リポジトリ全体のコーディング作業を計画的に自動編集するための大規模言語モデル(LLM)を使用したフレームワークを提案する研究報告である。 近年、LLMによるプログラミングの自動化が進展を見せている。「Amazon Code Whisperer」「GitHub Copilot」「Replit」などのツールは、自然言語の意

                                                            リポジトリ全体のコーディング作業を一気に自動編集する生成AI「CodePlan」 米Microsoftが開発
                                                          • 周期性のない図形「ペンローズ・タイル」が量子コンピュータのエラーを訂正? カナダの研究者らが発表

                                                            このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 Twitter: @shiropen2 カナダの研究所Perimeter Institute for Theoretical Physicsとエジンバラ大学に所属する研究者らが発表した論文「The Penrose Tiling is a Quantum Error-Correcting Code」は、繰り返さないパターンである「ペンローズ・タイリング」が、量子コンピュータの誤り訂正に応用できることを提案した研究報告である。 量子コンピュータは量子力学の原理を利用することで、従来のコンピュータでは解くことが難しい問題を高速に解くことができる。しかし、量子情報は環境ノイズからの影響に

                                                              周期性のない図形「ペンローズ・タイル」が量子コンピュータのエラーを訂正? カナダの研究者らが発表
                                                            • “ネコ量子ビット”をフランスの研究者らが発表 「シュレーディンガーの猫」から発想 一体どんなもの?

                                                              このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 X: @shiropen2 フランスの量子コンピューティング・スタートアップ「Alice & Bob」などに所属する研究者らが発表した論文「Quantum control of a cat qubit with bit-flip times exceeding ten seconds」は「シュレーディンガーの猫」にヒントを得た量子ビットが、従来にない長時間にわたってエラーを起こさずに機能することを明らかにした研究報告である。 量子コンピュータは、従来のコンピュータでは解決できない問題を解決できると期待されているが、計算中にエラーが発生しやすいという問題がある。エラーを自動的に修正

                                                                “ネコ量子ビット”をフランスの研究者らが発表 「シュレーディンガーの猫」から発想 一体どんなもの?
                                                              • ChatGPTの“脱獄プロンプト”登場 文末に書くだけで「爆弾の作り方」「IDの盗み方」に回答

                                                                このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 Twitter: @shiropen2 米カーネギーメロン大学などに所属する研究者らが発表した論文「Universal and Transferable Adversarial Attacks on Aligned Language Models」は、大規模言語モデル(LLM)が有害なコンテンツを生成しない仕組みを無効にする手法を提案した研究報告である。入力プロンプトの語彙に敵対的フレーズを入力するだけで解除可能だという。 ChatGPT、Bard、ClaudeなどのLLMは、ユーザーの質問に対する回答で有害なコンテンツ(例:爆弾の作り方やIDの盗み方、人種差別的なジョーク、詐欺

                                                                  ChatGPTの“脱獄プロンプト”登場 文末に書くだけで「爆弾の作り方」「IDの盗み方」に回答
                                                                • GPT-4でコードを生成するなら“日本語”と“英語”どっちがいい? 日立製作所が検証

                                                                  このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 Twitter: @shiropen2 この研究では、ChatGPT(GPT-4)に対して日本語と英語の両方でコード生成を指示し、その結果で生成した450個のコードサンプルの安全性を詳細に分析した。具体的には、英語、日本語の命令形と日本語の丁寧語の3種類でそれぞれ同一の内容を示すタスクのコー ドをGPT-4で生成した。 いくつかの条件で安全性を比較するため、暗号化と復号、サンドボックス化されたディレクトリの2つのシナリオを用意し、同じシナリオ内でPython、C、JavaScriptの3種類のプログラミング言語で25回コードを生成した。出力されたコードの安全性と、コード以外の部分

                                                                    GPT-4でコードを生成するなら“日本語”と“英語”どっちがいい? 日立製作所が検証
                                                                  • ブラックホール内部の量子状態をもとにエントロピーを計算 ホーキング博士の理論と一致【研究紹介】

                                                                    山下 裕毅 先端テクノロジーの研究を論文ベースで記事にするWebメディア「Seamless/シームレス」を運営。最新の研究情報をX(@shiropen2)にて更新中。 米ペンシルベニア大学などに所属する研究者らが発表した論文「Microscopic Origin of the Entropy of Astrophysical Black Holes」は、ブラックホール内部をモデル化し、それらの状態の数を数え上げる式を導き出し、ブラックホールの総エントロピーを計算した研究報告である。 ▲論文のトップページ スティーブン・ホーキング氏とヤコブ・ベッケンシュタイン氏は1970年代に、ブラックホールはエントロピーを持つこと、そしてそのエントロピーがブラックホールのホライズンの面積に比例することを発見した。しかし、統計力学の観点から、このエントロピーがブラックホール内部のどのような微視的状態の数に対

                                                                      ブラックホール内部の量子状態をもとにエントロピーを計算 ホーキング博士の理論と一致【研究紹介】
                                                                    • 日本のアニメなどから収集したデータセット「Sakuga-42M」 国際研究チームが公開 「学術研究でのみ使用可能」【更新済み】

                                                                      このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高いAI分野の科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 X: @shiropen2 【更新履歴:2024年5月24日 午後1時50分更新 同時刻時点で論文は取り下げられ、GitHubのリポジトリ非公開となったことを確認しました。 カナダのアルバータ大学や中国の四川音楽学院に所属する研究者らが発表した論文「Sakuga-42M Dataset: Scaling Up Cartoon Research」は、AIモデルのトレーニング用に作成したアニメ動画データセットを提案した研究報告である。 Sakuga-42Mは、GitHubにおいてリポジトリが公開されており、学術研究の目的でのみ使用可能。また、データセット内の画像やビデオの著

                                                                        日本のアニメなどから収集したデータセット「Sakuga-42M」 国際研究チームが公開 「学術研究でのみ使用可能」【更新済み】
                                                                      • パスワードを“ちょっと変える”はどれくらい危ない? 「abc123」→「123abc」など 中国チームが発表

                                                                        このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 Twitter: @shiropen2 中国の南開大学や北京大学などに所属する研究者らが発表した論文「Pass2Edit: A Multi-Step Generative Model for Guessing Edited Passwords」は、1つのサービスで使っているパスワードを少し変えて別のサービスで使い回しているパスワードを予測して特定する攻撃を提案した研究報告である。 インターネットでサービスを利用すると、アカウント数が増加する。一般のユーザーは、80~107個ものオンラインアカウントを持っているとされている。このような状況において、新しいパスワードを都度設定するのは

                                                                          パスワードを“ちょっと変える”はどれくらい危ない? 「abc123」→「123abc」など 中国チームが発表
                                                                        • 囲いなしでその場所だけ“防音化” 特定の人物の声だけを“消す・聞く”ができる小型音響ロボット群

                                                                          このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 Twitter: @shiropen2 米ワシントン大学と米Microsoftに所属する研究者らが発表した論文「Creating speech zones with self-distributing acoustic swarms」は、部屋内で話す人々の位置を特定し、その音声を分離するための小型の移動式音響ロボット群を提案した研究報告である。 この技術は、多くの人が一度に話している部屋において、部屋の一部で音を消す領域「ミュートゾーン」や、周囲を気にせず対話できる領域「スピーチゾーン」を作り出すことに活用できる。また多数の人が話している中で、物理的に離れた位置にいても特定の人々

                                                                            囲いなしでその場所だけ“防音化” 特定の人物の声だけを“消す・聞く”ができる小型音響ロボット群
                                                                          • 隣の防音部屋をミリ波で盗聴、瞬時にテキスト化する技術 中国の研究者らが開発

                                                                            このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 Twitter: @shiropen2 香港大学や清華大学に所属する研究者らが発表した論文「Radio2Text: Streaming Speech Recognition Using mmWave Radio Signals」は、ミリ波(mmWave)信号から音声を認識するストリーミング自動音声認識(ASR)システムを提案した研究報告である。このシステムは、周囲のノイズに強く、防音対策した部屋の外からでも取得でき、これまでと異なり長い文章をリアルタイムに認識する能力を提供する。 無線センシングの進展に伴い、特にミリ波信号の注目が高まっている。なぜなら、音源のミリメートルレベルの

                                                                              隣の防音部屋をミリ波で盗聴、瞬時にテキスト化する技術 中国の研究者らが開発
                                                                            • 画像生成AIに“AIが作った画像”を学習させ続けると? “品質や多様性が悪化” 「モデル自食症」に

                                                                              このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 Twitter: @shiropen2 米ライス大学と米スタンフォード大学に所属する研究者らが発表した論文「Self-Consuming Generative Models Go MAD」は、AIが生成した画像(合成データ)を用いて別の生成モデルが学習し続けると、その精度にどのような影響がでるのかを検証した研究報告である。 結果は、AIモデルを合成データでトレーニングすると、画像が乱れるアーティファクトが徐々に増幅され、品質や視覚的多様性のいずれにおいても悪化する結果を示した。研究チームは、この状態を狂牛病になぞらえて「Model Autophagy Disorder」(モデル自

                                                                                画像生成AIに“AIが作った画像”を学習させ続けると? “品質や多様性が悪化” 「モデル自食症」に
                                                                              • 幼少期ポケモンにハマってた人は「ポケモン特有の脳活動」に成長 米国チームによる2019年の研究報告

                                                                                このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。通常は新規性の高い科学論文を解説しているが、ここでは番外編として“ちょっと昔”に発表された個性的な科学論文を取り上げる。 X: @shiropen2 米スタンフォード大学や米UCバークレー、米ペンシルベニア大学に所属する研究者らが2019年に発表した論文「Extensive childhood experience with Pokemon suggests eccentricity drives organization of visual cortex」は、幼少期にポケモン(ポケットモンスター)に熱中していたことが、成人してから脳の機能的構造にどのような影響を与えているかを調べた研究報告である。

                                                                                  幼少期ポケモンにハマってた人は「ポケモン特有の脳活動」に成長 米国チームによる2019年の研究報告
                                                                                • 「Wikipediaっぽい記事」を自動生成できるAIシステム「STORM」 米スタンフォード大学が開発【研究紹介】 レバテックラボ(レバテックLAB)

                                                                                  米スタンフォード大学に所属する研究者らが発表した論文「Assisting in Writing Wikipedia-like Articles From Scratch with Large Language Models」は、AIモデルを使い、Wikipedia風の記事を生成するシステムの開発に関する研究報告である。GitHubのリポジトリはこちら。 ▲STORMは、記事にしたいワードから網羅的かつ深い内容の記事を生成することができる。 近年、大規模言語モデル(LLM)は文章生成タスクにおいて目覚ましい性能を示している。しかし、Wikipediaのような網羅的かつ内容の深さを備えた記事を一から生成することは、依然として挑戦的な課題である。記事の生成には、事前の調査やアウトラインの作成など、執筆前の段階における準備が重要な役割を果たすが、従来の研究ではこの点に着目したものは少ない。 この研

                                                                                    「Wikipediaっぽい記事」を自動生成できるAIシステム「STORM」 米スタンフォード大学が開発【研究紹介】 レバテックラボ(レバテックLAB)