山口県下関市の水産物加工卸売会社「エツヒロ」(森敏一社長)が中国産のフグやアンコウを国産と偽り販売していたとして、山口県警は29日、不正競争防止法違反(虚偽表示)の疑いで、本社を兼ねた森社長の自宅を家宅捜索した。県警は同県長門市の加工工場なども捜索。資料を押収し、全容解明を進める。 農林水産省の調査では、エツヒロは今年3月から6月、中国産のフグを熊本県産や山口県産と偽って刺し身や鍋用の切り身を販売。アンコウも山口県産と偽装し、空揚げ用に加工した約1.1トンのほか、切り身も売っていた。出荷したフグとアンコウは計約6トンとみられている。 農水省は23日、日本農林規格(JAS)法に基づき、エツヒロに是正を指示。同日、記者会見した森社長は「従業員に偽装を指示したことはない」と話していた。