「精鋭五千をお貸し頂ければ、禁裡に斬り込んで新君を冊立し、宦官を誅滅して朝廷を清め、 天下を安んずることでありましょう。」 司徒の袁逢の子で、袁隗の甥、司隷校尉を務める袁紹、字を本初である。 何進は喜んで近衛軍五千を動員し、何顒と荀攸と鄭泰ら重臣三十人を引き連れ、宮中に入った。 霊帝の棺の前で、太子辯を擁立して皇帝に即位させた。 さて、何進を亡き者にしようとした蹇碩を捕えるため、袁紹は禁裡に踏み込んだ。 慌てふためいた蹇碩は御園に逃げ込んだが、中常侍の郭勝に殺された。 そして、蹇碩の指揮下にあった親衛軍はすべて降参した。 袁紹は何進に進言した。 「宦官共はみな徒党を組んでおります。これを機に皆殺しにしておくべきかと存じます。」 この動きに張譲らは気付き、何皇后にもとに訴え出た。 「何進大将軍を陥れようとしたのは、蹇碩の独断によるもので、我らは何も存じませぬ。 袁紹の進言で、宦官を皆殺しにし