『バック・トゥ・フロント/ギルバート・オサリバン』 (ビクターエンタテインメント) 自殺願望があり、だがそれに気付かれずに教会に取り残され、希望が現実にぶつかり、神に捨てられたと嘆き、両親の死を悲しみとともに振り返る、ごく自然にひとりぼっちになってしまった―—と歌われるギルバート・オサリバンの「アローン・アゲイン」。 オサリバンが自らのことを歌ったのではないかと多くの人から思われてきた。だが彼は否定する。彼がまだ11歳の時に父が亡くなったのは事実だが、嘆き悲しむほど父を身近に感じたことはなかったという。その時点で彼の愛する母は健在だった。 オサリバンは1946年、アイルランドで生まれた。13歳の時にイギリスに移住した。そして彼は美術大学に進む。2つのバンドに所属し、その頃から作曲を開始した。そしてグラフィック・デザイナーと音楽の二者択一を迫られることになった。 オサリバンの運命が開けたのは