■論文の概要 研究チームは「はやぶさ2」に搭載された中間赤外カメラ(TIR)を用いて、2018年8月1日に実施された小惑星リュウグウの連続1自転観測と、凹凸表面の見かけ温度変化(凹凸効果)を考慮した熱モデル計算との比較を行いました。その結果、リュウグウの熱慣性は一様に小さく、スカスカな岩塊が全球で一様に分布していることがわかりました。また、リュウグウの表面はハワイのアア溶岩と同程度に激しくデコボコであることがわかりました※。本研究で得られた熱慣性と凹凸度は、リュウグウの軌道進化の計算に大きく影響します。 ※リュウグウは数メートル四方での凹凸度合い、アア溶岩は数十センチメートル四方での凹凸度合の比較であることに注意。 ■小惑星表面温度に対する凹凸効果 小惑星表面温度は表面の構成物質や粒径などを表す重要な指標です。太陽入射エネルギーが一定の場合、平坦な表面の温度は熱慣性(温まりにくさ)で決まり