新型コロナウイルスによりスポーツや芸術・文化イベントの中止や延期が相次いでいますが、囲碁の世界も大きな影響を受けています。4月初旬から対局が延期になっており、私、一力遼らプロ棋士も外出自粛いわゆる「巣ごもり」生活が続いています。そんな囲碁界の現在を、私の目を通しお伝えしたいと思います。 (棋士八段、河北新報東京支社編集部記者) ■4月8日から対局延期 日本棋院(東京)と関西棋院(大阪)が対局の延期を発表したのは4月7日でした。翌日から、棋士は自宅で研鑽(けんさん)を積む日々が続いています。 そのような状況下においては、ネットを通じたオンライン対戦が主な勉強法となっています。私の場合は、月曜と木曜は井山裕太棋聖や芝野虎丸名人ら10人ほどが参加するリーグ戦を行い、水曜と土曜は世界戦での成績向上を目指す「ナショナルチーム」に所属するメンバーでの研究会を行っています。従来はどちらも日本棋院で開催し