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杉田俊介の検索結果1 - 40 件 / 233件

  • 松本人志についてのノート|杉田俊介

    (約27500字) (注1)有料記事になる前に、投げ銭を頂いた方で、その後記事が読めなくなってしまった場合、ご連絡下さい。個別にテクストをお送りします。お手数をかけます。sssugita@hotmail.com (注2)この文章を大幅に加筆修正して、また北野武/ビートたけし論を加え、三本の対談座談を行って、一冊の本として『人志とたけし』(晶文社)を刊行しました。よければ手に取ってみてください。 1 以前、渋谷のシネコンで実写版『ジョジョの奇妙な冒険』を観たあと、何だか晴れ晴れとしない気分のまま、居酒屋で映画プロデューサーのK氏と雑談をしていて、積年の小さな疑念がぱっと晴れた、と感じた瞬間があった。たしか北野武の映画について話し込んでいた流れだったが、かつてお笑い芸人を目指していたというK氏は、こんなことを言ったのだ。「松本人志は天才ではありません、あの人はどこまでも普通の凡人なんですよ、杉

      松本人志についてのノート|杉田俊介
    • 『シン・エヴァ』、私たちは「ゲンドウの描かれ方」に感動するだけでいいのか? 根本的な疑問(杉田 俊介) @gendai_biz

      * * * * 【注意】本稿は『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』、『エヴァンゲリオン』シリーズのネタバレを含みます。未見の方はご注意ください。 * * * * 出発点であり、到達点ではない 『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』(以下『シン』)を観る前に、私が考えていたのは、ループでも並行世界でも続編でもぶん投げでもなく、ちゃんと「終わり」を見せてほしい、ということだった。作中の大人たちの行動と責任を、そして庵野監督の成熟と喪失を見てみたかった。何より作中のシンジ、レイ、アスカら子どもたちを解放してあげてほしかった。それに比べれば、作品として成功か失敗かは二の次に思えた。 2021年3月8日、公開初日の朝、劇場で『シン』を観終えた時、こう感じた。庵野監督は、可能なすべてに決着をつけていた。過剰な欲望の表現ではなく、成熟の道を選んでいた。これまでの『エヴァ』の物語に、登場人物たちの人生に

        『シン・エヴァ』、私たちは「ゲンドウの描かれ方」に感動するだけでいいのか? 根本的な疑問(杉田 俊介) @gendai_biz
      • 映画『天気の子』を観て抱いた、根本的な違和感の正体(杉田 俊介) @gendai_biz

        本日1月3日、夜9時から新海誠監督の『天気の子』が地上波で初めて放送される。映画公開時の2019年8月に批評家の杉田俊介が現代ビジネスに寄稿した同作の批評を再掲する。 【本稿はネタバレを含みます】 「アニメ化する日本社会」を批判するアニメ 新海誠監督の新作『天気の子』を観て、疑問を持った。その疑問について書く(今回は枚数制限があるため、他の新海作品との比較などは行わない。私の新海誠論については『戦争と虚構』(作品社、二〇一七年)を参照)。 『天気の子』の舞台は、異常気象でもうずっと陰鬱な雨の止まない、東京オリンピック・パラリンピックの翌年の東京である。伊豆諸島の離島・神津島から何らかの事情で家出し新宿でネットカフェ難民となった高校生の森嶋帆高(ほだか)と、母を病気で失って弟の凪(なぎ)と二人で安アパートに暮らす天野陽菜(ひな)――天に祈ることで天候を晴れに変える力をもった「100%の晴れ女

          映画『天気の子』を観て抱いた、根本的な違和感の正体(杉田 俊介) @gendai_biz
        • 映画『天気の子』を観て抱いた、根本的な違和感の正体(杉田 俊介) @gendai_biz

          【本稿はネタバレを含みます】 「アニメ化する日本社会」を批判するアニメ 新海誠監督の新作『天気の子』を観て、疑問を持った。その疑問について書く(今回は枚数制限があるため、他の新海作品との比較などは行わない。私の新海誠論については『戦争と虚構』(作品社、二〇一七年)を参照)。 『天気の子』の舞台は、異常気象でもうずっと陰鬱な雨の止まない、東京オリンピック・パラリンピックの翌年の東京である。伊豆諸島の離島・神津島から何らかの事情で家出し新宿でネットカフェ難民となった高校生の森嶋帆高(ほだか)と、母を病気で失って弟の凪(なぎ)と二人で安アパートに暮らす天野陽菜(ひな)――天に祈ることで天候を晴れに変える力をもった「100%の晴れ女」――のボーイ・ミーツ・ガールの物語である。 身寄りもなく、経済的にも貧窮した彼らは、陽菜の「晴れ女」の力を使って小さなベンチャービジネスを始めるが、陽菜はその能力の代

            映画『天気の子』を観て抱いた、根本的な違和感の正体(杉田 俊介) @gendai_biz
          • 『呪術廻戦』は「死」をどう描いているか、『鬼滅』『チェンソーマン』との決定的な違い(杉田 俊介) @gendai_biz

            ※本稿は『呪術廻戦』のストーリーの核心に触れる部分を含みます。 死を描く『鬼滅』『チェンソー』『呪術』 近年の「週刊少年ジャンプ」で連載されている『鬼滅の刃』、『チェンソーマン』、『呪術廻戦』、『アンデッドアンラック』等々を読んでいると、次のような印象を受けます。 これらの作品は、たしかに、いかにも「ジャンプ」らしい王道のバトルマンガの系譜を引き継いでいます。しかしそこでは、キャラクターたちのおびただしい死が積み重なり、毎号毎号、憂鬱な展開のインフレを競い合っているかのようです。こうした暗鬱な作品たちが「少年誌」と銘打った「ジャンプ」に毎週掲載され、しかもそれが青年や大人だけではなく、小学生たちにも(特に『鬼滅の刃』『呪術廻戦』)共感をもって読まれている現代の世相とは、いったい何なのか。 人間たちが無意味にあっけなく死んでいくのは、自然法則のように当然なことであり、普通のことだ。これらの作

              『呪術廻戦』は「死」をどう描いているか、『鬼滅』『チェンソーマン』との決定的な違い(杉田 俊介) @gendai_biz
            • 承認欲求がインフレした「総芸能人社会」と「ポピュリズム」の深すぎる関係(杉田 俊介) @gendai_biz

              二〇一九年の夏、ネット(note)に「松本人志についてのノート」という批評文を公開したところ、当初の想定を超えて、大きな反響がありました。長文であり、内容も生真面目な評論文だったため、反応の大きさが意外でした。それだけ、芸人としての松本人志の影響力が大きいということであり、多くの人にとって「松本人志とはどんな存在なのか?」ということが気になっているのでしょう。 それだけではなく、芸能人やお笑い芸人たちという存在そのものが、現代社会のあり方を象徴しているのかもしれない、とも感じました。 実際に私たちはすでに、様々な社会的・政治的な問題を、メディアやSNSなどを通じて「ワイドショー的」「芸能的」に認知し、解釈し、理解するような社会の中で生きています。関心を集めている人々の行動について「うまいことを言おうとする」、そしてそのことによって注目を集めようとする、マキタスポーツ氏の言う「一億総ツッコミ

                承認欲求がインフレした「総芸能人社会」と「ポピュリズム」の深すぎる関係(杉田 俊介) @gendai_biz
              • 『ドライブ・マイ・カー』が「自分の傷つきに気づきにくい男性」に与えてくれる“大切なヒント”(杉田 俊介) @gendai_biz

                濱口竜介監督の『ドライブ・マイ・カー』が米アカデミー賞の作品賞など4部門にノミネートされた。日本映画が作品賞にノミネートされるのは初めてのことだ。 同作の一つの特徴は「男性性」を繊細に描いている点にある。男性性について研究する「男性学」や、男性性の解放を考える「メンズリブ」の視点からは、同作がどう見えるのか。『マジョリティ男性にとってまっとうさとは何か』(集英社新書)などの著書がある批評家の杉田俊介氏が読み解く。 (※本稿は『ドライブ・マイ・カー』の物語の展開の重要な部分に触れているところがあります) 男性にかけられた呪い? ――僕は、正しく傷つくべきだった。 濱口竜介監督の映画『ドライブ・マイ・カー』(2021年)は、村上春樹の短編集『女のいない男たち』(2014年)所収の「ドライブ・マイ・カー」を原作とし(他にも同短編集の「シェエラザード」「木野」を題材として取り込んでいる)、濱口監督

                  『ドライブ・マイ・カー』が「自分の傷つきに気づきにくい男性」に与えてくれる“大切なヒント”(杉田 俊介) @gendai_biz
                • 『鬼滅の刃』を読む――この残酷な世界の中で誰もが鬼にならずにすむように 杉田俊介(批評家)

                  『鬼滅の刃』という作品がこれほどの人気作となり、未曽有(みぞう)の記録を打ち立てているのはなぜなのか。様々な理由があるでしょうし、それは様々な専門家や評者、読者やファンが今後それぞれの角度から分析していくことだと思います。 私はここで、マンガの『鬼滅の刃』を一読者として正面から読みながら、自分なりにその秘密に迫ってみたいと考えています。ネチネチした進み方になるかもしれません。私が自分なりに言葉にしてみたいのは、『鬼滅の刃』という作品が、この世界の残酷さと理不尽さにいかに向き合っているかということ、自分の中にもひそんでいるかもしれない「鬼」の怖さをごまかしていないこと。にもかかわらず、この作品の主人公たちが人間の日々の努力や勇気の意味を、そして他人に対する強い信頼の心を見失っていないのはなぜかということです。そしてそれらすべてが、きっと若者や小学生たちの心にも届きえている――その意味について

                    『鬼滅の刃』を読む――この残酷な世界の中で誰もが鬼にならずにすむように 杉田俊介(批評家)
                  • 『進撃の巨人』は「時代の空気」をどう描いてきたか? その圧倒的な“現代性”の正体(杉田 俊介) @gendai_biz

                    徹底的に「政治的なマンガ」 「別冊少年マガジン」2009年10月号から連載がはじまり、巨大なブームを巻き起こしてきた諌山創(いさやま・はじめ)『進撃の巨人』が、先頃、ついに同誌2021年5月号で完結した。最終34巻は6月9日刊行。あらためて全体を読み返してみると、2010年代の殺伐とした社会的・政治的なリアリティを、『進撃の巨人』がきわめてアクチュアルに描ききっていた、という事実に驚かされる。 『進撃の巨人』は、徹底的に政治的なマンガだったと言える。政治的といっても、日本の政党政治や社会問題をそのまま描写している、ということでは当然ない。現代社会における「政治的なもの」の国際的な動向の核心を直観的につかみ、それを物語の中心に深く埋め込んでいた、という意味である。それは稀有なことだった。 香港生まれで地域文化研究を専門とする銭俊華【ちん・ちゅんわ】の『香港と日本――記憶・表象・アイデンティテ

                      『進撃の巨人』は「時代の空気」をどう描いてきたか? その圧倒的な“現代性”の正体(杉田 俊介) @gendai_biz
                    • まったくモテない男が「自己啓発本」を読んでたどり着いた結末(杉田 俊介) @gendai_biz

                      「男のプライドを捨てられたらよかったのに」「息子さんだってお父さんが生きていてくれることを望んでいただろうにね」――。 この辛辣な言葉は、シングルファーザーの知人が自殺した際に、周囲の人が彼に向けた言葉だ。なぜ自殺した後ですら「男であること」を責められてしまうのか。その時の強烈な違和感をひとつの入り口として、『非モテの品格 男にとって「弱さ」とは何か』という本を執筆した――。 男だから弱い 近年、「男らしさ」の意味も変わってきている。「男は一つの会社に定年まで勤め、給料は妻と子供のために使う」という男性像は、すでに当たり前のものではなくなった。家庭生活も不安定になっている。その中で男性たちもまた、様々なアイデンティティの危機や、ジェンダーの揺らぎを抱えている。 しかしそうした状況に対して、男性たちはそもそも、自分たちが経験し、直面している痛みや葛藤をちゃんと語るための言葉をもっていないので

                        まったくモテない男が「自己啓発本」を読んでたどり着いた結末(杉田 俊介) @gendai_biz
                      • 「ドラえもん論」杉田俊介さんインタビュー 歴代作品から読み解く、のび太の「弱さ」が愛される理由|好書好日

                        文:若林良、写真:斉藤順子 杉田俊介(すぎた・しゅんすけ)批評家 1975年生まれ。神奈川県出身。労働問題やサブカルチャーについての論考を数多く執筆。著書に『フリーターにとって「自由」とは何か』(人文書院)、『宮崎駿論 神々と子どもたちの物語』(NHK出版)、『ジョジョ論』(作品社)など。2019年、ヘイト問題を考える雑誌『対抗言論』(法政大学出版局)を創刊。 とにかく怖かった「のび太の海底鬼岩城」 ――杉田さんと「ドラえもん」の出会いはいつ頃でしたか。 小学校3年生に上がる頃、映画4作目の「のび太の海底鬼岩城」を見たことが大きいですね。それ以前もテレビで見てはいましたけど、映画のインパクトがとにかく強かったんです。 ――どのような感想を抱かれたのでしょうか。 怖かった。その一言です。テレビで見る「ドラえもん」とは全然違うテイストでした。スネ夫とジャイアンが海底で、テキオー灯(どのような世

                          「ドラえもん論」杉田俊介さんインタビュー 歴代作品から読み解く、のび太の「弱さ」が愛される理由|好書好日
                        • | ブックガイド「近代日本の文芸批評を知るための40冊」選者/杉田俊介 藤田直哉 矢野利裕 | すばる - 集英社 |

                          文芸批評を知るために、明治から現代まで── 現在、批評家として活躍する3人が選んだ、 いま読んで欲しい40冊。 選者:杉田俊介/藤田直哉/矢野利裕 坪内逍遥『小説神髄』(岩波文庫) 江戸時代から明治時代にかけて多く書かれていた通俗的な「物語」を批判し、「美術」(芸術)としての「小説」の必要性を高らかに謳い上げ、日本の文学を近代文学に改良しようとした野心的な一作というのが本書の通説である。が、「小説」の新しい価値を謳い上げ、たとえば「模写」が芸術性を持つことを説得するために、その根拠として西洋の文学史や「自然淘汰」などの科学を用いている点には注意が必要であろうか。このように論じることで彼が小説を改良しようとした苦心と誠実さと、同時にここで日本近代文学が抱え込んでしまった屈折も、丹念に読まれるべき一冊。こんなに立派なことを述べたくせに、実作『当世書生気質』前編の末尾が「ポカ。須「我」ポカ。須「

                          • 危機の20年:北田暁大が聞く 第9回 ゲスト・杉田俊介さん 「既得権層」男性の没落(その1) | 毎日新聞

                            「男らしさ」の現在について論じ合う、北田暁大・東京大教授(左)と批評家の杉田俊介さん=東京都千代田区一ツ橋のパレスサイドビルで 今年最大のニュースのひとつは、ドナルド・トランプ氏の米大統領選当選だろう。ポピュリズムなどと称される政治の動き。その背景に、北田暁大・東京大教授(社会学)と、今回の対談相手、批評家の杉田俊介さんは、没落する「既得権層」男性の戸惑いを読む。【構成・写真、鈴木英生】 マイノリティー運動の歴史的蓄積、継承したい 北田 米大統領選でのトランプ氏当選の背景に、先進国全般で進む、いわば「マジョリティーのマイノリティー化」があります。トランプ氏は、雑に言えば、さほど貧困ではないマジョリティー男性の相対的なはく奪感をすくい取って当選した。日本では、橋下(徹)さん人気など以前から同じことが進んでいる。マジョリティー男性がはく奪されたのは、端的に、幸せな家族像です。アメリカならば、郊

                              危機の20年:北田暁大が聞く 第9回 ゲスト・杉田俊介さん 「既得権層」男性の没落(その1) | 毎日新聞
                            • 生田武志、白石嘉治、杉田俊介トークセッション「野宿者/ネオリベ/フリーター」参加 - Kawakita on the Web

                              池袋のジュンク堂で開催された生田武志氏、白石嘉治氏、杉田俊介氏によるトークセッション「野宿者/ネオリベ/フリーター -アンダークラスの共闘へ-」に行って来ました。一応発売日はすでに遠く過ぎていますが生田武志氏『<野宿者襲撃>論』、杉田俊介氏『フリーターにとって「自由」とは何か』、白石嘉治,・大野英士編『ネオリベ現代生活批判序説』の発売記念とのこと。 【参考】:2006-02-18 杉田俊介氏×白石嘉治氏トークセッション 「フリーターとネオリベ現代生活―われわれの生の無条件の肯定のために」 http://d.hatena.ne.jp/kwkt/20060218#p1 メールで交流のあった初対面のid:junippeさんと事前に合流し、いっしょに参加しました。id:sarutoraさんも来場られていたようです*1。 白石氏が司会の形で、それぞれの論者の方が「フリーター」「野宿者」「大学非常勤講

                                生田武志、白石嘉治、杉田俊介トークセッション「野宿者/ネオリベ/フリーター」参加 - Kawakita on the Web
                              • 「弱さ」と「矛盾」を軸に、特異な“思想家”長渕剛の実像に迫る――杉田俊介インタビュー(飯田一史) - エキスパート - Yahoo!ニュース

                                あなたにとっての長渕剛像とはどんなものだろうか。 ファン以外の人にとっては特攻隊の映画『男たちの大和/YAMATO』に主題歌を提供したとか、桜島や富士山麓で超長時間ライブを敢行した、といった断片的な情報を耳にするくらいかもしれない。 僕は特攻隊や自衛隊を賛美する、マッチョなアーティストという偏見を持っていた。 しかしそうした単純化はまったくの誤りだと知らしめる本が登場した。 文芸批評家の杉田俊介氏による『長渕剛論 歌え、歌い殺される明日まで』である。 この本は長渕剛のヒストリーを丹念にたどり、歌詞を読み込み、本人と対話しながら、長渕剛の「男らしさ」とは何なのかを掘り下げていく。ただしこの本は「男らしさ」なるものを、人間が誰しも抱える弱さ、変わろうと思っても変わることができない自己矛盾、ある種の情けなさからとらえなおすのだ。 ねじれている。 そのねじれを体現する長渕剛という表現者がもつ複雑で

                                  「弱さ」と「矛盾」を軸に、特異な“思想家”長渕剛の実像に迫る――杉田俊介インタビュー(飯田一史) - エキスパート - Yahoo!ニュース
                                • 杉田俊介氏における「敵対性」と「倫理」について - Arisanのノート

                                  『フェミニズムはだれのもの?』に収められた森岡正博氏と杉田俊介氏の対談「草食系男子と性暴力」を読んでの感想。 フェミニズムはだれのもの?―フリーターズフリー対談集 作者: フリーターズフリー出版社/メーカー: 人文書院発売日: 2010/04メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 199回この商品を含むブログ (11件) を見る この対談の中で、たとえば森岡氏が次のように述べていることは、たしかにとても重要だと思う。 これは、森岡氏がかつて、田中美津を論じたなかで、はじめは『(自分は)この社会のなかで「男」として生きることそれ自体』には強い痛みを感じることはないと思い、そのように書いていたが、数年の沈黙の後に、『「男」に固有の性の痛みと苦悩は「ある」』のであり、『むしろそれを無痛化してスルーしうると思い込めたこと、そこにこそ、無自覚な男の暴力の真の源泉があったのではないか』(以上、杉田

                                    杉田俊介氏における「敵対性」と「倫理」について - Arisanのノート
                                  • 映画『ドライブ・マイ・カー』と小説『女のいない男たち』の意外な相違点〜村上春樹作品と「非モテ性」(杉田 俊介) @gendai_biz

                                    米アカデミー賞に作品賞などにノミネートされ話題を呼んでいる、映画『ドライブ・マイ・カー』。じつは同作と、原作である村上春樹『女のいない男たち』の間には、見逃せない相違があると批評家の杉田俊介氏は指摘する。そしてその違いからは、村上春樹作品と「非モテ性」の関係が浮かび上がってくる。 女性の「本心」と対峙できない 以前、濱口竜介監督の映画『ドライブ・マイ・カー』について男性学/メンズリブ的な視点から読み解いてみた(「『ドライブ・マイ・カー』が「自分の傷つきに気づきにくい男性」に与えてくれる“大切なヒント”」」)が、ここでは、村上春樹原作の小説『女のいない男たち』と映画『ドライブ・マイ・カー』の違いに注目してみたい。 というのは、映画『ドライブ・マイ・カー』は極めて完成度の高い原作の改変・翻案(adaptation)を行っているのだが、それによってかえって小説『女のいない男たち』における重要な問

                                      映画『ドライブ・マイ・カー』と小説『女のいない男たち』の意外な相違点〜村上春樹作品と「非モテ性」(杉田 俊介) @gendai_biz
                                    • 杉田俊介氏×白石嘉治氏トークセッション「フリーターとネオリベ現代生活―われわれの生の無条件の肯定のために」参加 - Kawakita on the Web

                                      ジュンク堂池袋本店で開催されたトークセッション「フリーターとネオリベ現代生活―われわれの生の無条件の肯定のために」に行って参りました。 当初は『フリーターにとって「自由」とは何か』の著者・杉田俊介さんと矢部史郎さんのトークの予定でしたが、矢部さんが急遽事情とのことでジュンク堂から前日連絡があり『ネオリベ現代生活批判序説』を編集された白石嘉治さんが代わりに対談されました。 ※要注:以下のものは私が見聞きしてきたことを書き留めたものであり、発言者の真意を正確に反映しているとは限りません。 まず白石氏から「ネオリベラリズム」とは何か、ということで簡単な事例や説明がなされました。 市場原理主義とは需要と供給ですべての価値が決まってしまうという幻想。 それを実現させるため日常生活の様々な面に圧力がかかってくる状況。 選択の際にあらゆるものが需給のバランスとして認識され、経済的枠組に縛られる。 無理が

                                        杉田俊介氏×白石嘉治氏トークセッション「フリーターとネオリベ現代生活―われわれの生の無条件の肯定のために」参加 - Kawakita on the Web
                                      • 雑誌『対抗言論』1号について|杉田俊介

                                        ご報告です。 『対抗言論』という「反ヘイトのための言論誌」をはじめることにしました。 編集委員は私(杉田俊介)と櫻井信栄。 編集協力に川村湊先生。 出版元は法政大学出版局。 また法政大学出版局の編集者G氏も積極的に企画に参加しています。(ただし編集委員は2号以降、増える可能性があります)。 さしあたりは年に一回ほどの刊行で、3号までは企画書が通っています。 現在、1号の年内(12月末)刊行を目指して、最後の作業に入っています。 色々と準備している間に、2年ほどの時間が経過してしまいました。 私個人の書き物の中ではもちろん差別やヘイトの問題も扱ってきましたが、それだけでいいのだろうか、これでいいのだろうか、というもどかしさを感じていました。 日に日に悪化し腐敗していく状況、「これがどん底であり最悪だ」と思えること自体がまだ幸運であり、どん底よりもさらにずっと底なしに悪くなっていくこの状況に対

                                          雑誌『対抗言論』1号について|杉田俊介
                                        • 「弱者男性」が闇落ちしないために 杉田俊介さんが弱さの中に見る光:朝日新聞デジタル

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                                          • 杉田俊介「「自己責任論」再考」

                                            「自己責任論」再考 文=杉田俊介 長い間不安定な生活や貧困状態に置かれた人の多くが「悪いのは自分だ」「自分の努力や能力が足りなかったから仕方ない」という自己責任の念に苦しめられる。フリーターもそうだし、野宿者もそうだ。ぼくもそうだったし、今もそうだから、よくわかる。 自立生活サポートセンターもやいの湯浅誠さんによると、格差と貧困は違う。「努力や能力に応じた格差はよい」とはまだ言えるが、貧困は政治的社会的に解決すべき問題で、個人の自己責任の埒外にある(「格差ではなく貧困の議論を」『賃金と社会保障』2006年10月下旬・11月上旬号)。雨宮処凛さんは繰り返し「ニートは全然悪くない。フリーターも全然悪くない」(『すごい生き方』ブログ)と言い切る。 湯浅さんも雨宮さんの質問に答えて「自己責任論は、自分のストレスや社会の矛盾を自分自身に向けさせる、もっともコストのかからない、もっとも安上がりに貧困を

                                            • 杉田俊介『無能力批評』 - kanjinaiのブログ

                                              無能力批評―労働と生存のエチカ 作者: 杉田俊介出版社/メーカー: 大月書店発売日: 2008/05/01メディア: 単行本購入: 10人 クリック: 258回この商品を含むブログ (43件) を見る 2008年6月22日熊本日々新聞掲載 秋葉原の無差別殺傷事件が起きたとき、私はちょうどこの本を読んでいた。そして、杉田さんがこの本で何度も執拗に考え続けているテーマが、秋葉原の事件に二重写しになって迫ってきた。事件の容疑者が犯行に及んだ動機として、格差社会の問題や、学歴に関するの劣等感などが報道されている。 容疑者は派遣社員だったとされる。杉田さんもまた、不安定な職を次々と渡り歩き、現在は介護労働者として働くかたわら、「フリーター」についての言論活動をしている。だが、格差社会の底辺部からこの社会の矛盾を撃つ、というような内容を期待して本書を読んだとしても、肩すかしをくらうだろう。なぜなら、著

                                                杉田俊介『無能力批評』 - kanjinaiのブログ
                                              • 男たちは死んでまで「男であること」を責められなければならないのか。「男性問題」の語りにくさと、模索される「新しい男らしさ」/杉田俊介×荒井裕樹 - wezzy|ウェジー

                                                「それにしても、自分の弱さを真っ直ぐに見つめること、そんなとても単純で素朴なことが、どうして、僕らにはできないのだろうか。この地球上の男たちには不可能だと思えるほど、至難なことに感じられるのか」 「マッチョな男らしさ」ではなく「新しい男らしさ」を模索し続けている杉田俊介さん。冒頭の記述は10月14日に刊行された『非モテの品格 男にとって「弱さ」とは何か』(集英社新書)からの引用だ。障害や生きづらさを抱える人びとの表現活動を追い続けてきた文学研究者の荒井裕樹さんによる「男の弱さ」対談。前回に引き続き、育児を通して知った「男の弱さ」について語りあっていただいた。男はなぜ「弱音」を吐けないのだろうか。その「弱さ」の正体とは一体何であるのか。いま必要とされている「新しい男らしさ」のモデルとは?【全三回】 ・永遠に付きまとう「非モテ」感に、男たちはどう向き合えばいいのか。/杉田俊介×荒井裕樹【第一回

                                                  男たちは死んでまで「男であること」を責められなければならないのか。「男性問題」の語りにくさと、模索される「新しい男らしさ」/杉田俊介×荒井裕樹 - wezzy|ウェジー
                                                • 杉田俊介 on Twitter: "件の記事、今の所リベラルやフェミニズムによる批判は少なめ。めちゃくちゃ多いのは「俺のかんがえる弱者男性(論)と違うから、お前はわかっていない」(中身はちゃんと読まず、ある部分にのみ食い付く)的な冷笑・罵倒・マウントですね。異教も異… https://t.co/RoqtZD9OSN"

                                                  件の記事、今の所リベラルやフェミニズムによる批判は少なめ。めちゃくちゃ多いのは「俺のかんがえる弱者男性(論)と違うから、お前はわかっていない」(中身はちゃんと読まず、ある部分にのみ食い付く)的な冷笑・罵倒・マウントですね。異教も異… https://t.co/RoqtZD9OSN

                                                    杉田俊介 on Twitter: "件の記事、今の所リベラルやフェミニズムによる批判は少なめ。めちゃくちゃ多いのは「俺のかんがえる弱者男性(論)と違うから、お前はわかっていない」(中身はちゃんと読まず、ある部分にのみ食い付く)的な冷笑・罵倒・マウントですね。異教も異… https://t.co/RoqtZD9OSN"
                                                  • 批評とは何か? 「ポスト」クリティークが叫ばれる時代に改めて問い直す(杉田俊介)|じんぶん堂

                                                    記事:作品社 黒田清輝〈読書〉(部分)(1891) 出典:ColBase(https://colbase.nich.go.jp/) 書籍情報はこちら 一対一で、対峙する 批評とは何か。若い頃から批評を志しながら、恥ずかしいことに、いまだによくわかっていない。 ただ、次のことは考える。批評の原点には、一対一で対象に対峙する、という関係性がある。素朴で孤独な営みである。それは依然変わらずある。 対象はもちろん小説作品に限らない。ただ一人で、数多くの優秀な人間が関わった総合芸術のような巨大な作品にも向き合わねばならない。考えてみればそれはいささか異様なことでもある。めまいを覚えるような圧倒的な無力さがあるだろう。 しかし思えば、批評という営みのある一断面は、そうした無力さと切り離せないのではないか。既存の一般的な価値判断に頼れず、自分にとっての美的な価値を自分の言葉で創造し、産出しなければならな

                                                      批評とは何か? 「ポスト」クリティークが叫ばれる時代に改めて問い直す(杉田俊介)|じんぶん堂
                                                    • 杉田俊介著『無能力批評』への批判 - Arisanのノート

                                                      無能力批評 労働と生存のエチカ [ 杉田俊介 ] ジャンル: 本・雑誌・コミック > 人文・地歴・哲学・社会 > 社会 > 労働ショップ: 楽天ブックス価格: 2,376円 この、ぼくにとっても社会にとっても際立って重要と思える本のなかで著者の杉田さんは、たとえば『どんな運動にものってこない人の身体(=無能さ)を、同時に、考えること』(p83)が運動にとって大事ではないか、というふうに書く。杉田さんは、大きな「正義」なり「肯定」(ドゥルーズ)ということから零れ落ちるような、個々(自己)のなかの卑小な弱い部分を手放さず向き合うこと、言わば「ルサンチマンを徹底する」ことこそ、真の「愛」や「連帯」や「平等」を実現する道筋であると考えているようだ。 ルサンチマンを否定し、「弱者」を排撃するにいたったニーチェの反動性(弱さの帰結)を不問にするのでも否定するのでもなく、むしろその「弱さ」をこそ徹底させ

                                                      • 男らしさの呪縛で追い込まれる孤独 批評家、杉田俊介さんの分析 | 毎日新聞

                                                        政府が、英国に次ぎ世界2例目の孤独・孤立対策担当相を置いた(坂本哲志1億総活躍担当相が兼務)。コロナ禍での女性や若年層の自殺増加を受けたものだが、自殺者数は女性より男性の方が多い。中年以上の男性も従来、孤独を抱えているのだ。男性の孤独を論じてきた批評家の杉田俊介さんに、背景にある「強くなければならない」という「男らしさ」の呪縛と、雇用環境の変化やフェミニズムの台頭で揺らぐ心理などを聞いた。【聞き手・鈴木英生・オピニオングループ】 弱さ認められず、助けを求められず --以前から、男性の孤独を論じられていますね。 ◆一般論として、差別や社会的排除の問題は、男性より厳しい状況にある女性やマイノリティーを優先して論じるべきです。けれど、男性たちも孤独や「生きづらさ」を抱えているし、それが広く議論されていないのは問題だと思ってきました。男性の孤独は、二つに大別できます。…

                                                          男らしさの呪縛で追い込まれる孤独 批評家、杉田俊介さんの分析 | 毎日新聞
                                                        • 杉田俊介 on Twitter: "我が身をふりかえればただちにわかるが、健全者としての特権をさんざん享受しているあんたらだって、別に清廉潔白でも正しくもなく、そこそこに愚かでダメでクズな人間の一匹だろう。あんたらが特権や人権を持ってるのは、そのこととは無関係だろう"

                                                          我が身をふりかえればただちにわかるが、健全者としての特権をさんざん享受しているあんたらだって、別に清廉潔白でも正しくもなく、そこそこに愚かでダメでクズな人間の一匹だろう。あんたらが特権や人権を持ってるのは、そのこととは無関係だろう

                                                            杉田俊介 on Twitter: "我が身をふりかえればただちにわかるが、健全者としての特権をさんざん享受しているあんたらだって、別に清廉潔白でも正しくもなく、そこそこに愚かでダメでクズな人間の一匹だろう。あんたらが特権や人権を持ってるのは、そのこととは無関係だろう"
                                                          • 自分の弱さに気が付かない男たちは、弱音を吐く言葉を持っていない。/杉田俊介×荒井裕樹 - wezzy|ウェジー

                                                            2016.10.22 自分の弱さに気が付かない男たちは、弱音を吐く言葉を持っていない。/杉田俊介×荒井裕樹 男の弱さに向き合いながら、「マッチョな男らしさ」ではない「新しい男らしさ」を模索している杉田俊介さんの『非モテの品格 男にとって「弱さ」とは何か』(集英社新書)刊行を記念して行っている文学研究者の荒井裕樹さんとの対談。「障害者解放思想」というバックボーンを同じくする二人がもうひとつ共通するのが育児の経験だ。育児をする中で女性たちの苦労を痛感すると同時に、自分の弱さにも気が付いた杉田さん。育児には「イクメン」というスマートな言葉では片付けられない過酷な現実があると語る荒井さん。育児を通して浮かび上がる「男の弱さ」とは何か。2人の男親によるボーイズトークをお送りする。【全三回】 ・永遠に付きまとう「非モテ」感に、男たちはどう向き合えばいいのか。/杉田俊介×荒井裕樹【第一回】 男たちには言

                                                              自分の弱さに気が付かない男たちは、弱音を吐く言葉を持っていない。/杉田俊介×荒井裕樹 - wezzy|ウェジー
                                                            • 【対談#1】藤田直哉×杉田俊介 2022年は、弱者男性やインセルの年だった?――『エヴ・エヴ』『別れる決心』ディズニー作品から考える「新しい男らしさ」 |作品社

                                                              【対談#1】藤田直哉×杉田俊介 2022年は、弱者男性やインセルの年だった?――『エヴ・エヴ』『別れる決心』ディズニー作品から考える「新しい男らしさ」 アカデミー賞を総なめにした『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』、パク・チャヌク『別れる決心』、ディズニーの作品群、異例のロングラン上映中インド映画『RRR』、新作公開を控える北野武、亡くなったノーベル賞作家大江健三郎の文学まで、その背景にある現在の政治・社会問題や文化批評における「男性性」などを気鋭の二人の批評家が深堀り! アニメ/映画を含むサブカル・エンタメを、さらに楽しむための本格批評対談を2回に分けてお伝えします。 ■問題提起――2022年は、弱者男性やインセルの年?杉田 長い前置きをします。2022年の日本は、インセルや弱者男性たちの氾濫・叛乱の幕開けのような一年でした。たとえば2022年の初頭に、レッド(ブラック

                                                                【対談#1】藤田直哉×杉田俊介 2022年は、弱者男性やインセルの年だった?――『エヴ・エヴ』『別れる決心』ディズニー作品から考える「新しい男らしさ」 |作品社
                                                              • Amazon.co.jp: ゲンロン4 現代日本の批評III: 浅田彰 (その他), 山口二郎 (その他), 津田大介 (その他), 佐々木敦 (その他), 市川真人 (その他), 大澤聡 (その他), さやわか (その他), 杉田俊介 (その他), 五野井郁夫 (その他), ジョ・ヨンイル (その他), プラープダー・ユン (その他), 福冨渉 (その他), 黒瀬陽平 (その他), 速水健朗 (その他), 井出明 (その他), ハンス・ベルティング (その他), 安天 (その他), 辻田真佐憲 (その他

                                                                  Amazon.co.jp: ゲンロン4 現代日本の批評III: 浅田彰 (その他), 山口二郎 (その他), 津田大介 (その他), 佐々木敦 (その他), 市川真人 (その他), 大澤聡 (その他), さやわか (その他), 杉田俊介 (その他), 五野井郁夫 (その他), ジョ・ヨンイル (その他), プラープダー・ユン (その他), 福冨渉 (その他), 黒瀬陽平 (その他), 速水健朗 (その他), 井出明 (その他), ハンス・ベルティング (その他), 安天 (その他), 辻田真佐憲 (その他
                                                                • 深夜のシマネコBlog:杉田俊介さんと論争中

                                                                  2008年06月06日 Permalink 社会批評 杉田俊介さんと論争中 ●杉田俊介さんと論争中 私が主張したい、最も重要な点は、コメント欄に書いたこの部分です。 人間なんて聖人君主じゃないのですから、見つめれば見つめるほど、ボロがでるのが当然だと思います。それを日記に書いている私と、書いてない誰かさんで、どちらがより暴力的かなんて比較しようがないはずです。 そして弱者問題でも、弱い人間を見つめれば見つめるほど、自己責任が見えてくる、それこそワーキングプアを特集した番組の実況では「タバコを吸うな」とか「サウナに泊まるな」なんてことまでいわれるのです。弱者の問題を個人の人間性の問題にするなんて、誰でも簡単にできるのです。それを「見つめる」とはいいません。 そして多分誰かが誰かを見つめるとして、それができるのは自分に対してのみでしょうね。他人を見つめるなんて、長年連れ添った夫婦でもできやしま

                                                                  • 「荒木飛呂彦は、パラリンピックの公式ポスターを描いている」「ジョジョ2部のナチ描写は…」(杉田俊介氏)ハッとした - INVISIBLE Dojo. ーQUIET & COLORFUL PLACE-

                                                                    荒木飛呂彦氏、パラリンピックの公式ポスターを描いているが、『ジョジョ』2部に味方側でナチスが出てくるし、キャンセルカルチャーの対象になりうる。三部くらいまでは女性描写も危うい面があったし、他はどうだったろう。ファンとして色々覚悟しておくべきか。自分を問われる、という意味での覚悟— 杉田俊介@「対抗言論」2号刊行されました (@sssugita) July 21, 2021 twitter.com 浦沢直樹がオリンピック、荒木飛呂彦がパラリンピックをテーマに描いたアートポスターhttps://t.co/YAfKDWlFDB pic.twitter.com/ZQkwJiiJbW— コミックナタリー (@comic_natalie) 2020年1月6日 natalie.mu ジョジョのシュトロハイムは「誇り高きドイツ軍人としてスターリングラードで名誉の戦死を遂げる」だったっけ。 そもそも彼は「国

                                                                      「荒木飛呂彦は、パラリンピックの公式ポスターを描いている」「ジョジョ2部のナチ描写は…」(杉田俊介氏)ハッとした - INVISIBLE Dojo. ーQUIET & COLORFUL PLACE-
                                                                    • 永遠に付きまとう「非モテ」感に、男たちはどう向き合えばいいのか。/杉田俊介×荒井裕樹 - wezzy|ウェジー

                                                                      2016.10.21 永遠に付きまとう「非モテ」感に、男たちはどう向き合えばいいのか。/杉田俊介×荒井裕樹 10月14日に『非モテの品格 男にとって「弱さ」とは何か』(集英社新書)が上梓された。著者の杉田俊介さんは、messyで行われたライター・西森路代さんとの対談で「マッチョにはならず、被害者意識にも染まらず、女性や性的マイノリティの人たちに対する暴力を意識して、なおかつ、『男』としておだやかな気持ちで生きられたらいい」と語っていたが、本書はまさにそうした新しい「男らしさ」を模索する一冊となっている。 「男の弱さは、自らの弱さを認められない弱さ」であり、それを語る言葉が足りていないと語る杉田さん。「男は生きづらい」本が多数出版される中で、杉田さんの実存に迫った試行錯誤は、それらと一線を画すものとなっている。男たちはいかに「男らしさ」を語ればよいのか、『障害と文学』(現代書館)、『生きてい

                                                                        永遠に付きまとう「非モテ」感に、男たちはどう向き合えばいいのか。/杉田俊介×荒井裕樹 - wezzy|ウェジー
                                                                      • まったくモテない男が「自己啓発本」を読んでたどり着いた結末(杉田 俊介) | 現代ビジネス | 講談社(3/3)

                                                                        「嫌われる勇気」が無視しているもの 私はこうした『嫌われる勇気』の考え方に、強い魅力を感じる。けれどもその一方で、この本の過去のトラウマ(傷や痛み)に対する向き合い方には、若干の違和感を覚える。その点を述べておきたい。 哲人は、もちろん、人生の中に傷や痛みがあることを完全に無視しているのではない。しかしそれらがあるという事実を認めながら、今、この場で、私たちが考え方を根本的に変える勇気さえもてば、かつての傷や痛みの意味付けが変わり、誰もが「今ここ」で幸せになりうる、それらを乗り越えられる、と主張するのである。 しかし、そこでは消されているものがやはりある。 それは、人間が過去の傷や痛み、弱さに葛藤し続けることができる存在であるということ、受動的に被った心的な外傷によって苦しみ、試行錯誤し続けることができるということ、そこにも大切な価値があるということ――つまり、弱くあることの勇気が抹消され

                                                                          まったくモテない男が「自己啓発本」を読んでたどり着いた結末(杉田 俊介) | 現代ビジネス | 講談社(3/3)
                                                                        • 新海誠が『すずめの戸締まり』で描きたかったものは何か?(杉田俊介・批評家)/イミダス

                                                                          なぜ少女が主人公になったのか? 現在と未来の「日本(人)」の全体に「大丈夫」と告げ知らせるためには、民衆的な神道や天皇(制)の力が必要であり、何より女性たちの力が必要である――。『すずめの戸締まり』は、そのようなアニメーション映画であると感じられた。 『すずめの戸締まり』の中核にある主題は、2011年の東日本大震災である。主人公である少女・岩戸鈴芽と「閉じ師」のイケメン大学生・宗像草太は、ロードムービー的な冒険を通して、日本各地の被災や荒廃を経験しながら、忘れられつつある東日本大震災の経験に再び対峙する。そして「日本(人)」に祝福の光を与えようとする。 人がいなくなってしまった場所には「後ろ戸」と呼ばれる扉が開くことがある。扉の中には死者の世界、「常世(とこよ)」がある。後ろ戸からは現世に災いが出てくる。それは「ミミズ」と呼ばれ、日本列島の下を蠢(うごめ)く巨大な力である。ミミズが引き起こ

                                                                            新海誠が『すずめの戸締まり』で描きたかったものは何か?(杉田俊介・批評家)/イミダス
                                                                          • トークライブ:杉田俊介氏の『宮崎駿論』(NHKブックス)を巡って:出演 杉田俊介・古谷経衡・田中秀臣(動画リンク先)

                                                                            通がみればなかなかない組み合せ三人による本格的宮崎論がぎっしりの展開。僕もメモをしばしばとりながら話してました。ご来場いただいた皆さんも宮崎駿の世界、そして杉田さんの著作の濃さを堪能していただいたのではないか、と思います。以下にライブの動画があります(将来の宮崎研究のアーカイブとしても重要だと思い直し、動画を配信しました)。 http://www.ustream.tv/recorded/49013248 宮崎駿論 神々と子どもたちの物語 (NHKブックス) 作者: 杉田俊介出版社/メーカー: NHK出版発売日: 2014/04/19メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログ (9件) を見る

                                                                              トークライブ:杉田俊介氏の『宮崎駿論』(NHKブックス)を巡って:出演 杉田俊介・古谷経衡・田中秀臣(動画リンク先)
                                                                            • 杉田俊介「よわさとやさしさー長渕剛試論」

                                                                              『anan』で吉田豪氏による長渕剛インタビューが掲載されたり、また長渕剛氏の発言録も出版されたりと、長渕剛を語るベースがここ最近でもかなり提供されている。しかしその資料的ベースを十分に活かした長渕論があるかといえば皆無に等しいといっていいだろう。その中で杉田さんのこの論説は貴重な貢献だ。 すでに杉田さんたちとのトークイベントでの席上でも指摘したが、僕はこの論説を読んでいて、前半部分は長渕の半生の格闘がどうしても三島由紀夫とだぶってきた。杉田さんの論説でもまた日本浪漫派、三島由紀夫と長渕との共通面、断絶面が論説との中盤で強調されている。 その三島と長渕の断絶面をみて、トークイベントでも僕は指摘したが、長渕に太宰治的なものを感得した。 長渕も三島もコンプレックスからの肉体改造を志向し、つねに「今の自分を超えるもう一人の自分」を追い求める演出を目指してもいた。しかし「長渕と三島の精神的コアは、や

                                                                                杉田俊介「よわさとやさしさー長渕剛試論」
                                                                              • 『松本人志についてのノート|杉田俊介』へのコメント

                                                                                ブックマークしました ここにツイート内容が記載されます https://b.hatena.ne.jp/URLはspanで囲んでください Twitterで共有

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                                                                                • 杉田俊介さんのツイート: "自分たちは間違いうる。正義や非暴力を口では語りながら、現実的には無自覚に暴力をふるってしまう。それを認める勇気が出発点だろう。しかし、間違いうるか

                                                                                  杉田俊介 @ sssugita 批評家。非常勤講師。今年は介助者お休み中。新刊→『長渕剛論――歌え、歌い殺される明日まで』(毎日新聞出版、2016年4月26日)。近刊予定→『「ジョジョ」論』(作品社)、『男の弱さを問いなおす(仮)』(集英社新書)。既刊→『宮崎駿論』『無能力批評』『フリーターにとって「自由」とは何か』等。

                                                                                    杉田俊介さんのツイート: "自分たちは間違いうる。正義や非暴力を口では語りながら、現実的には無自覚に暴力をふるってしまう。それを認める勇気が出発点だろう。しかし、間違いうるか