毎年、5~6月に米ロサンゼルスで開かれる世界最大のコンピューターゲームの見本市、「エレクトロニック・エンターテイメント・エキスポ」(E3)の“檜舞台”から、任天堂が降りた。1995年の第1回以来、欠かさず行ってきた大規模な記者発表会を、今年は取りやめたのだ。ソニー・コンピュータエンタテインメントや米マイクロソフト(MS)が、年末に発売する新型家庭用ゲーム機を中心に、盛大な記者発表会を行うのとは対照的だ。独自のスタイルで差別化を図る任天堂・岩田聡社長の方針は、ともすれば日本の携帯電話メーカーのように、「ガラパゴス化」する危険性もはらむ。“檜舞台”から降板 「新たな発表形式を確立することにチャレンジします。例年のような大規模プレゼンテーションを行わないことにいたしました」 4月25日に東京で行われた決算説明会。岩田社長は今年のE3についてこう宣言した。E3にはゲームメディア以外のあらゆる媒体が