中国のゼロコロナ政策の行き詰まりが、世界の金融・株式市場を揺さぶっている。いま習近平体制が直面するのは、以下の深刻な矛盾である。中国の感染症研究の第一人者・鍾南山氏は4月6日、ゼロコロナ政策は「長期的に続けることはできない」とする論文を発表した。王様は裸だと告げるこの論文はSNSに拡散し、当局は消去に大わらわとなっている。経済活動とコロナ対策の両立に転じようにも、問屋が卸さない事情がある。ゼ
日経は、半月前、7-9月期について、消費が6月の水準を保つだけで前期より高まる「ゲタ」を履いているとして、読者を元気づけていたが、7月の家計調査の実質季節調整済指数は、前月比で-0.2の低下となり、基調を示す「除く住居等」は-0.8にもなった。本コラムの警告どおり「ゲタ」は割れ、多くのエコノミストのV字回復への期待は、半月もたずに瓦解した。 7月の鉱工業生産指数は、投資財の特定要因の押し上げで、わずかに生産がプラスになっただけで、在庫は前回不況時に匹敵する水準にまで達し、年内は生産調整が続くことが避けられなくなった。それどころか、消費財の生産・出荷は、未だ下がり続けており、8月の鉱工業生産は悪化する恐れが高い。デフレスパイラル勃発の崖縁に立つ、不穏な情勢にある。 ……… まずは、家計調査の図から見ていただこう。7月は見事にお辞儀をしている。これから発表される消費総合は強めに出がちだが、供給
当然の結果ではないだろうか。今回の円高局面である。日本は、2010年度後半に、10兆円もの緊縮財政を行い、デフレを放置した。他方、米国はQE2を行い、ドル安と資源高によって、物価高となったのだから、円高ドル安にならない方がおかしい。 もちろん、物価差が開いても、日銀が金利を下げ、金利差をつけることができれば、円高を緩和できるのだが、短期金利はゼロに近く、長期金利は1%割るところまで来ているのだから、それは無理な話である。昨日の夕刊で日経は、円高の背景には日米の金利差縮小があると報じている。米国の長期金利は、3%程度であったものが、この1か月で2%程度まで低下した。日本の長期金利は、もともと1%程度しかないのだから、従来の金利差を維持しようと思えば、マイナス金利にでもしなければならない。 金融政策には限界があるのだから、円高のためにも、デフレが続くような緊縮財政をすべきではないのである。「え
非常に残念なことですが、10/1、安倍総理は消費税を来年4月から8%に増税することを発表しました。 その一方で安倍総理は5兆円規模の補正予算を組むので、実質的には3%増税のうち2%は負担増にはならないという話があります。リフレ派として知られる、内閣参与の浜田宏一氏、本田悦朗氏もそう考えているという記事もあります。*1 8月30日の金曜日。首相の安倍晋三(59)は、官邸で2人の内閣官房参与を昼食に誘った。米エール大名誉教授の浜田宏一(77)と静岡県立大教授の本田悦朗(58)。その週は政府が消費増税を巡り有識者の意見を聞く「集中点検会合」を開き、27日に浜田は出席。本田は31日に参加を控えるはざまのタイミングだった。 アベノミクスの理論的な支柱として別格の扱いを受ける浜田は安倍に持論を改めて述べた。「3%をいきなり上げる例は諸外国にもありません。ショックが大きくなる可能性があるからです。それを
その日、消費増税検証会議は最終日を迎えていた。各界からの意見聴取は進んでいたが、ほとんどは「予定通りの増税はやむなし」であった。誰もが「国の借金はGDPの2倍」という言葉には不安を感じていたし、もうここまで来たら、後戻りはできないだろうと空気を読んでもいた。「増税は国民の総意」となって、万一の責任を問われないとなれば、総理も乗るに違いない。そんな観測ももっぱらだった。 最終日も滞りなく進み、意見表明もあと一人となった。残っていたのは、ある業界の代表であった。温厚そうな会長は、「どうか景気対策の方もよろしく」と条件は付けたものの、やはり賛意を表して締めくくった。これで会議も終わりという安逸な気分が流れ、あと5分で刻限という、その時だった。隣に座っていた副会長がおずおずと手を上げ、「一つ教えてもらえまへんか」と関西弁で尋ねてきた。 副会長は、特に意見を言いたかったわけではない。せっかく、首相官
携帯関連の将来や最新の技術情報や業界の行く末などを適当に綴るblogです。 内容の信憑性は?余り信じない方がいいと思います。 本家の鈴の音情報局はこちら→http://suzunone.0g0.jp:8800/ スマホ・携帯端末アクセス[ランキング]/[アクセスシェア(グラフ)] (毎年10/1にログをクリア) 先月の終盤の頃からまことしやかに噂や報道が流れ始めていましたが、韓国経済がかなり やばい事になってきています。 早い話で言うと7月頃に言われていたアメリカのデフォルト懸念と同レベルかそれ以上の 危険が韓国に迫っています。 事の一つはこれです。 韓国の株式市場が崩壊寸前 8月以降で17兆円が蒸発=中国紙 >韓国紙・朝鮮日報によると、韓国株式市場のKOSDAQ指数は世界的な金融不安の >影響を受け、リーマンショック以来、最大の暴落となっている韓国株式市場では8月以降、 >265兆ウォン
少しでも効果があると思うと、どんなに代償が大きくても、やめられないんだね。消費増税も、法人減税も、そして、金融緩和も。穏健な財政さえすれば、痛みも少なく、大きな効果が得られるのだが、どうしても信じられないらしい。経営改善には凡事の徹底が何より大切なのだと説いても、即効を求めて奇手に走り、失敗を繰り返すのと一緒である。 消費増税は、2014年度をマイナス成長に突き落とす抜群の威力を見せたし、法人減税は、配当を2割増やして設備投資を2%だけ伸ばすという偉大な成果を上げた。金融緩和は、円安と株高で景気を浮揚させたものの、消費税には抗すべくもなく、異次元第二弾を打って、せっかくの原油安メリットを無駄にする立派な貢献をした。 皆さんは、ため息が出ないだろうか。どうして、増税幅を刻み、投資減税にとどめ、好機を素直に受け取るという、平凡な対処で済ませられないのだろう。犠牲を秤にかけない極端な政策が、成長
「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかる」などと発言し、国内外から女性蔑視として批判を浴びた東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長(83)。 【写真あり】各メディアによるとJOC評議員のメンバーは笑いをこぼしたという。 釈明会見では辞任を否定したが、それは周囲から引き留められての判断だったという。毎日新聞によると、森会長は「元々、会長職に未練はなく、いったんは辞任する腹を決めたが、(組織委の)武藤敏郎事務総長らの強い説得で思いとどまった」と経緯を明かしている。 「森会長が問題となった発言をした際には、周囲から笑いが起きました。このことについてJOCの山下泰裕会長(63)は『指摘する機を逸してしまった』と釈明し、進退についても『最後まで全うしていただきたい』と擁護。橋本聖子五輪相(56)も辞任は求めませんでした。 スポーツ庁の室伏広治長官(46)は『我々はすべての女性の味方』な
江川紹子、西岡研介、山田清機、小林美希、出井康博、石井光太、松本美奈、岡田武史、富坂 聰、中村繁夫、溝口 敦、宇垣美里、河合香織、開沼 博、稲泉 連、鈴木敏夫、羽鳥好之、矢野康治、中島伸子、岩尾俊兵、滝田洋一、石井妙子、與那覇 潤、編集部 「平成全史」特集後編では、事件、災害、雇用、教育など、主に社会問題について考える。「失われたX年」と、過去の栄光を取り戻そうとするのではなく、令和の時代にどのようなビジョンを描き、実行していくのか?それは、今を生きるわれわれ自身にかかっている。 Chronology 編集部が取材・撮影した写真で振り返る平成(後半)と令和 Part 1 「平成」を利用したオウム真理教 カルトは今もあなたの隣に 江川紹子 ジャーナリスト Part 2 阪神大震災で進化した警察〝未災者〟の国民にできること 西岡研介 ノンフィクションライター Part 3 「相場観」を失っ
忙中。 日経新聞電子版始動、しかし個別記事へのリンクを禁止、違反者に損害賠償請求も示唆 http://slashdot.jp/it/article.pl?sid=10/04/05/0220235 http://twitter.com/kirik/status/11625444147 [引用]賠償請求された側、おいしすぎるだろ。私も提訴されたい。 RT @sasakitoshinao いまだにこんなことを言ってるのか、日経。果てしないトホホ感。/ 日経新聞電子版始動、しかし個別記事へのリンクを禁止、違反者に損害賠償請求も示唆 http://bit.ly/c8ATPN しかもすげえ! 有料版のログイン画面が堕ちてるぜ。3回ぐらいリロードしてやっと到達。困ったもんだ。しかも、番地とかも全角でないと入力できないらしい。どうしてこうなった。 何かに勧誘すると怒られるらしいので、平沼・与謝野新党の記事
戦前の格差問題を読んだ後は、戦後、どうなったかを知りたくはないかね。それなら、橋本健二先生の『格差の戦後史』がお勧めだ。経済コラムなのに、政治学や社会学の本ばかりですまないけど、戦中に大きく平等化し、70年代まで格差は縮小したものの、80年代以降、再び格差が広がっているという事実を、「ピケティ前」に摘出し、実情を鮮やかに描いているわけだから、今読む甲斐はあるというものだ。 ……… 『格差の戦後史』は2009年秋に出され、2013年末に増補新版となっている。出版の頃は、リーマンショック後でもあり、労働者階級にも及ばない「アンダークラス」という最貧階級の出現を強く印象づけるものだった。5年経って、階級の存在は常識となり、「格差拡大は資本主義の常態」とするピケティの主張もあって、どう解決すべきかに関心が及んできたように思う。 直感でも分かるのは、景気が良ければ、格差は縮小するということだ。失業が
Googleトレンド検索急上昇ワード(2021年2月23日) 順位 キーワード 検索ボリューム 関連語 急上昇日 月間 1 黒木瞳 50,000 132,000 黒木瞳 娘 萌子 黒木瞳 化身 黒木瞳 旦那 黒木瞳 娘 黒木瞳 現在 黒木瞳 宝塚時代 黒木瞳 性格 黒木瞳 失楽園 黒木瞳 年齢 2 おちょやん 20,000 160,800 おちょやん 視聴率推移 おちょやん感想ヤフー おちょやん 放送期間 おちょやん みつえ役 おちょやん 福助役 おちょやん 成田凌 おちょやん キャスト おちょやん感想 おちょやん あらすじ おちょやん弟役 3 Daft Punk 20,000 538,400 daft punk discovery daft punk 松本零士 daft punk wiki daft punk grammy daft punk 解散理由 daft punk 来日 daft
(前回から読む) 「中国がアジア金融の盟主になる」と主張する記事が韓国主要紙に載った。中国発の金融危機までが懸念されているというのに。 次の救世主は中国 前回は、韓国はなぜ、あれほど中国に突っ込んでしまうのか、との質問で終わりました。中国経済は大きく揺れています。 鈴置:それに関連、興味深い記事が中央日報に載りました。これを読んだ日本の金融専門家は一斉に「韓国はいったい何を考えているのだろう」と驚きました。 「米国が利上げすれば、中国がアジアを掌握?」(9月15日、日本語版)です。この記事は無署名ですが、原文の韓国語版(9月13日、中央SUNDAY 第444号)を見ると、書いたのは中国経済金融研究所長の肩書を持つ、チョン・ビョンソという韓国人エコノミストです。 「今、世界が直面する金融危機により、米国のドルによる支配は終焉する」と主張した記事で、結論部分を要約すると以下です。 (前回、金融
日本の経済論議の二大悪癖は、歳出の当初と補正を連結して前年度と比較しないことと、税収の当局の見積りを鵜呑みにして点検しないことだ。要するに、まともな経済運営の議論のレベルに達していないということだね。国際的に見たらお恥ずかしい限りだが、これが現実だ。それでも、最近、税収の弾力値の大きさを巡って議論がされるようになったのは、一歩前進である。それを紹介しているのが、今日の「エコノフォーカス」だ。 まず、押えておきたいのは、税収の弾性値では短期的な税収は計れないということだ。当たり前だが、弾力値を出すのに10年分なりのサンプルを使うなら、それは長期的な傾向を示すものにしかならない。したがって、財政当局は、景気回復で短期的に税収が伸びそうなときに、税収を低く見せようと好んで持ち出すことになる。税収の弾力値について議論すること自体が当局の土俵に乗るようなものである。 景気回復期に税収が急増するのは法
今日の日経は、おもしろい見出しを付けているね。今度の消費増税は「97年とは違う」か。これは、ラインハートとロゴスの「国家は破綻する」の原題「This Time Is Different 」のもじりなのかな。つまり、「今回は違うと言って、同じ失敗を繰り返す」という意味。記事の内容は、「今回は増税しても大丈夫」という内容なのだけど、真意は別にあるのかもね。いまさら、社説も変えらないだろうし。 日経では、昨日、滝田洋一さんが電子版に書いた「日本版「財政の崖」、突破のヒントは米国に」が良かったね。滝田さんは筆者と見解は違うが、データを出してくるから議論が成り立つ。注目は、中島厚志さんの資料を引いた、米国の増税が消費に与えた要因分析だ。増税が所得を減らして、消費を抑制したことが明確に出ている。まあ、「所得が減れば、消費は減る」というのは、経済学の最も基本的な理論の一つではある。 その点、日銀の黒田総
今回は、韓国の外交と経済の抱える問題を検証してみましょう。 ■「李大統領の崩壊した外交」(韓国・中央日報記事) まだまだ量的には極めて少ないのですが、韓国メディアにおいて李大統領の外交姿勢に対する冷静な批判記事が掲載されました、大変興味深い記事です。 27日付け韓国・中央日報記事。 【中央時評】李大統領の崩壊した外交 2012年08月27日11時13分 [ⓒ 中央日報/中央日報日本語版] http://japanese.joins.com/article/266/158266.html?servcode=100§code=140 文正仁(ムン・ジョンイン)延世大教授・政治外交学による「李大統領の崩壊した外交」という強烈なタイトルの記事でありますが、記事によれば李大統領の外交は日本だけでなく、中国・北朝鮮・米国と周辺国との関係をことごとく悪化させてきたのだと批判しています。 まず、北朝鮮。
アベノミクスの成果と課題 浅田 統一郎/中央大学経済学部教授 専門分野/マクロ経済学、特にマクロ経済動学 2012年12月16日に行われた衆議院総選挙で、「年間2%の物価上昇目標(インフレ目標)を明確に設定して、日銀法の改正も視野に、政府・日銀の連携を強化する仕組みを作り、大胆な金融緩和によってデフレ・円高からの脱却をはかる」ことを選挙公約として掲げた安倍晋三総裁率いる自民党が連立与党の公明党を含めて衆議院の3分の2以上の議席を占めて、第二次安倍政権が誕生した。その直後の2012年12月20日に公刊された論説において、筆者は、以下のように書いた。「安倍新政権が選挙前から打ち出した金融政策は基本的に正しく、妥当であると考える。このような金融政策は、日銀は決して実施しようとしなかったが、米国のFRBをはじめとして、日本以外の中央銀行が普通に実施している世界標準の金融政策に過ぎない。」(文献[1
『子どもに貧困を押しつける国・日本』(山野良一著)は、タイトルを見て告発調なのかなと思ったら、基本になる数字を、よくある疑問に即して丁寧に説明した良書であった。同時に、厳しい生活に置かれる子供たちの声を紹介しつつ、数字の意味するところを浮かび上がらせている。最近の政策動向にも触れており、社会問題に関心のある方はもちろん、アベノミクスの行方を知りたい人にも、手に取ってもらいたい一冊である。 ……… 豊かなはずの日本で、子供の貧困率は16.3%と、6人に1人にも上る。一世代前の1985年には10.3%であったから、6割増しになっている。特に、1997年以降は、貧困線の所得が下がる中で、貧困率が上昇しており、一層、深刻である。これは、消費増税でデフレに突っ込み、雇用が悪化して、非正規が大きく増えたことが背景になっている。一昔前の低失業率で若年層には仕事があった時代とは、様相が一変している。 ある
経済学にとって、「なぜ成長するのか」という問いは根源的なものだし、「資本ストックと労働供給量が増加すれば、生産量は増加する」というのがあまりに自明だとすれば、TFPに関心が向くのは当然だ。しかし、TFPは残差であって、直接に計測できるものではなく、中身が何なのかも特定しがたい。そして、そもそも、TFPに関心を持つ必要があるのかという課題設定についての疑問も湧いてくる。 実もフタもないが、1991年~93年にかけて成長率が落ちたのは、投資のGDP比率が落ちたからだし、1994年~96年にかけて上向いたのは、投資率が底入れしたからだ。1997年から2000年にかけて成長率が再び降下したのは、ハシモトデフレから投資率が下がったからである。投資の動きで十分に説明できるのだから、あえてTFPを持ち出さなくても済むような気がする。 むしろ、2001年から2008年にかけて投資率が上がり、設備投資は歴史
テレビ東京は、バーチャルアナウンサー「相内ユウカ」が登場するYouTube生番組「相内ユウカにわからせたい」を3月4日始めた。経済番組「ワールドビジネスサテライト」(WBS)放送直後、相内ユウカが、その日の気になるニュースについて、キャスターを質問攻め。台本なしの生放送で、4日の放送では、米朝首脳会談について切り込んだ。 相内ユウカは昨年8月、WBSのVTuber特集に登場した番組オリジナルのバーチャルアナウンサー。同番組の相内優香キャスターが声とモーションを担当した。放送中には、Twitterトレンドに「Vチューバー」や「WBS」などが浮上すなどネット上で大きな注目を浴び、その後も3回にわたって番組に登場している。 新番組「相内ユウカにわからせたい」では、WBS後のスタジオで、相内ユウカがキャスターにスバズバ質問。Twitterで寄せられた視聴者からの質問も取り上げる。4日の配信で相内ユ
一面特集の「ユーロ・遠い安定」は、今日で終わり。良い内容だったね。トリは、エースの滝田洋一さんだ。タイトルは、「日本は別は本当か、改革怠れば危機飛び火」である。欧州危機を経験して、経済や財政の安定にとって何が重要なのかの認識が深まったように思う。むろん、「消費税しかない」は論外である。 教訓の第一は、中央銀行を持つことの有難さである。財政赤字も経常赤字も大きい米国が安定しているのは、バーナンキFRBがあればこそ。トリシェECBとの対応の違いが出たというところだろう。日本が「東アジア共同体」を作って日銀を手放すことは、あり得ないが、タカ派の日銀総裁が任命される可能性がないわけではない。もっとも、日本の場合、日銀が緩和しても、財政は緊縮するという非協調ぶりの方が問題だ。 第二は、経常黒字の重要性だ。滝田さんも指摘するように、これは国債の国内消化と表裏一体の関係にあり、日本の巨額国債を管理する上
(前回からの続き) 今日の日経の滝田洋一さんの「核心」は好感が持てるね。安易に「消費税でも大丈夫」とせずに、きちんと計数を把握している。こうでないと議論にならない。ただし、計数の把握がまだ甘い。それでは、前回の続きとしよう。 ……… 次は、「出るを計る」である。計数が複雑なので、結論を先に書くと、年度内に5兆円規模の補正予算を組んでも、歳出は前年度並みになるだけなので、消費増税のデフレ・インパクトを緩和しようと思えば、10兆円規模の補正予算が必要になる。大規模な経済対策と一気の消費増税を組み合わせるくらいなら、消費増税の上げ幅を圧縮すべきというのが、常識的な結論ではないか。 まず、思い出してほしいのは、今年1月に、15か月予算ということで、国債を5兆円増発し、公共事業を中心に経済対策を打ったという事実だ。したがって、来年1月までに、同様に5兆円規模の補正予算を組んでも、昨年度より緊縮財政に
昨日、また一つ現実が明らかになった。ひと月前のコラムで「5月の家計調査が横ばい程度であれば、それで消費増税のもくろみは終わり」としていたが、結果は正にそれだった。明日で終わる6月がかなり良くないと、4-6月期の消費は成長なしとなろう。消費はGDPの6割を占めるから、他の需要項目が好調だとしても、消費増税の条件である2%成長のハードルは高い。予定通りの増税は困難と見るべきだろう。 ……… 5月の家計調査の結果は、季節調整済の実質指数が99.8で、前月比+0.1のほぼ横ばいであった。仮に6月が1-3月期の平均値の102.4まで高まったとしても、4-6月期は100.6と前期から-1.8にもなってしまう。1-3月期に4.0も伸びた反動が出た形だ。アベノミクスで急に景気が良くなったように感じているかもしないが、偶々の要素が大きい。これまでが出来過ぎであったことは、4-6月期のデータで明らかになろう。
エコノミストは演奏家のようなところがある。経済データという譜面に従って奏でなければならないが、曲の解釈がとても大事である。「あなたは、どう弾きたい?」というのが問われるのだ。演奏家と同様、これを明瞭にイメージできるかが、非凡と平凡を分かつように思える。 ……… 2月鉱工業生産について、第一生命の新家義貴さんの分析は、「ネガティブサプライズ、内容も悪い」(3/30)と小気味良かった。反動減は予想されていたし、データ的には、「前月と均せば、緩やかに回復」としてもおかしくないのに、評価は鮮明だ。筆者なんぞは、「悪い数字が出たなぁ」と思いつつも、気力が薄れかかっていて、ビビットに反応できなかったよ。 新家さんは、高めの成長イメージを持ち、そこにデータを位置づけるから、反応できたと思う。新家さんが予測力に優れているのは、潮目を読もうと努力しているからだろう。それには、経済がどういう方向に進んでいるか
テレビ東京の大江麻理子キャスターが8日、自身のツイッターを更新。働き方改革のため、出演する経済ニュース番組『WBS(ワールドビジネスサテライト)』を1月の間はお休みすることを明かした。 【写真】素顔ちらり…大江麻理子キャスターのオフショット ツイッターを更新した大江キャスターは「WBSを担当して6年近く。ちょっと疲れが溜まってきていたことと、キャスターの働き方改革を進める会社の方針で、1月いっぱい、お休みをいただくことになりました」と報告。「毎年この時期に冬休みがあるのですが、それに合わせて有給休暇も消化します。しっかりリフレッシュして2月に戻ってまいりますね!」と呼びかけた。 大江キャスターがお休みの間は須黒清華アナと相内優香アナがキャスターを務めること明かし「いつもの滝田洋一さん、山川龍雄さん、北村まあささん、片渕あかねさんががっちり守ってくれます」と盤石の体制でリフレッシュに務めるこ
先日、ジェフリー・サックスの「世界を救う処方箋」を読んだ。内容は、リベラル派から見たアメリカである。若い人にはアメリカの政治経済を知るための良書だが、筆者にとっては、見知ったアメリカである。ただ、そこから受けた印象は、かつて知った時とは、随分、違ったように思えた。小さな政府の「病」は、いまや日本の問題でもあるのだと。 日本の政治経済の主流の思想は「近代化」であり、その推進役は官庁であった。産業技術を取り入れ、設備投資を進めて資本を蓄積する。輸出を増やすとともに、貿易や資本の自由化も受け入れていく。また、社会資本を建設し、高等教育や社会保障を徐々に整える。そうした営みである。欧米にあるものを、日本なりに消化して実現することとも言える。 一般的には、欧米へのキャッチアップは、高度成長期までに達成されたとされるが、社会資本は、1980年代でも不十分と思われていたし、社会保障は、最後の大型制度の導
日本の経済運営にとっては「偉大な飛躍」かもしれないね。足元の税収を考慮して中長期の計画を練ることは、財政学の初歩でしかないが、これまでは、まったく出来ていなかったのだから。財政再建目標までの9.4兆円のギャップを埋めるのに、歳出削減は5~6兆円で十分と、経済財政諮問会議で民間議員が提言したことには、そういう意味がある。そうした事情も分からず、日経は「もっと痛みを」みたいな社説を掲げていて、なんとも情けないものがある。 ……… 編集委員の滝田洋一さんが指摘するように、足元では国の税収に大幅な上ブレが生じている。これは、消費増税によって、消費は低迷したものの、円安・株高・原油安を背景に、企業収益が好調に推移したことによる。上ブレの着地点を見極めるには、あと半月ほど待たねばならないが、現時点で1.9兆円程と予測できる。 国の税収が上ブレすれば、地方も同様である。地方の税収は、規模が国の7割強であ
スティーブン・ケヴィン・バノン(英: Stephen Kevin Bannon、1953年11月27日 - )はアメリカのメディア幹部、政治戦略家、投資銀行家、ブライトバート・ニュースの元エグゼクティブチェアマン。ドナルド・トランプ元米大統領の政権下で、トランプの任期の最初の7ヶ月間、ホワイトハウスの首席戦略官を務めた[2][3]。Facebookにおけるデータスキャンダルに関与したデータ分析会社ケンブリッジ・アナリティカの役員を務めた[4]。 バノンは1970年代後半から1980年代前半にかけて7年間、米海軍の将校を務めた。兵役後、ゴールドマン・サックスで投資銀行家として働き、ヴァイスプレジデントとして退社。1993年、研究プロジェクト「バイオスフィア2」の所長代理に就任。1990年代にはハリウッドでエグゼクティブ・プロデューサーとなり、1991年から2016年までに18本の映画を製作。
物事は、代案と比較しなければ、優劣が分からないものだ。消費増税の計画をまったくの白紙にしてしまったら、それは「上げないリスク」があるだろう。しかし、増税に反対する者を、すべて「白紙化」論者と決めつけ、増税しかないとするのは、「わら人形」の詭弁というものである。 ……… 消費税の追加増税を1年遅らせると、2015年度予算では、税収半年分の2.7兆円の穴が空くことになるが、日経の滝田洋一さんによれば、2014年度の補正予算では、国債の追加発行なしに4兆円の財源が用意できるそうだから、それをバラ撒かず、2015年度予算に組み込めば、むしろ、財政再建が進むのではないだろうか。 補正予算を見送って、公共事業を追加しなければ、デフレ要因になり得るが、執行が逼迫し、民間工事に支障が出ている状況であるから、弊害は少ない。予備費を用意し、状況を見て追加するようにしておけば、もし、「息切れ」が来ても対応できる
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