第3章 無差別殺傷事犯の実態 本章では,調査対象事件である無差別殺傷事件について,判決書・刑事事件記録及び刑 事施設記録等に基づいて調査を行った。なお,調査対象者が複数の無差別殺傷事件を行っ た場合は,特に断らない限り,主たる無差別殺傷事件(被害者数が多いもの,殺人既遂と なったもの,最も初期に行ったものの順による。 )を対象に分析している。 第1節では,調査対象となった無差別殺傷事件を行った者について,その年齢,家族, 就労,前科関係等の実態を明らかにし,特徴を探った。 第2節では,調査対象となった無差別殺傷事件について,その時間的,場所的,方法的 特性等の実態を明らかにするとともに, 犯行の動機, 態様, 前科による類型区分を行った。 第3節では,調査対象者の内的特性,心身の状況等を明らかにし,調査対象者が無差別 殺傷事件に至った背景要因,犯行経緯等を分析した。 第1節 調査対象者の基