翌日が地獄だった。熱は38度台後半に上がり、体を起こすこともできない。動けたのはトイレのときだけで、昼過ぎに夫が買ってきてくれたゼリー飲料とりんごしか口にできなかった。 前夜のうちに、息子が九州の祖父母(私の両親)に「お母さんが熱が出た」と連絡を入れたらしく、心配した両親から何件も着信とLINEのメッセージが入っていた。が、返信する気力もなかった。自宅にあった風邪薬を2回飲み、仕事関係者にだけ最低限の連絡を入れた。 これだけ熱が上がるのは15年ぶりで、「新型コロナかどうかはともかく、インフルエンザか何かウイルス性の病気じゃないか」と心配ではあった。何の予兆もなく突然、体調が崩れたのだ。 だがこの日は、病院に行くことは考えなかった。自力で歩くのは無理だったし、うちには車がない。早々にコロナを疑った息子が、ネットで調べて「受診の目安は37.5度以上の発熱が4日だってよ」と言ってきた。37.5度