忘れられかけていた女性たちの活躍を蘇らせる一冊──『アニメーションの女王たち ディズニーの世界を変えた女性たちの知られざる物語』 この『アニメーションの女王たち』は、ディズニー・アニメーションの中で、アートに脚本にと活躍してきたにも関わらず、エンドクレジットにも表記されず、伝記などにも存在がほとんど残されていない、女性アーティストを焦点に当てた一冊である。 その立ち上げの時期、最初の女性の参画からはじまって、『アナと雪の女王』までを通して、ディズニーと女性アーティストの関係性は一直線に成長してきたわけではない。平等の観点からいうと、今はディズニーが立ち上げの20世紀初頭からするとよくなったといえる。しかし、その歴史の中には多くの差別があり、一度女性の活躍が増えたと思っても、第二次世界大戦やウォルトの死による女性参画の後退など、大きな波があったのだということが本書を読むとよくわかる。 ピータ