それは昨年3月末のことだった。 東京・紀尾井町にあるホテル・ニューオータニの大宴会場、1000名以上入れる部屋で日本政府主催の国際女性会議が開かれた。地方創生と女性のエンパワーメントをテーマにした分科会で、ある人物の前に長い列ができていた。 第5回国際女性会議WAW!/W20で講演する中貝市長(写真右):豊岡市提供 名刺交換と共に寄せられる感動の声を、驚きと共に受け止めていたのが、中貝宗治(なかがいむねはる)豊岡市長だ。豊岡市は兵庫県北部の自治体で、人口は約8万人。中貝市長の話は人口減少に悩む多くの地方都市関係者と、国会議員の心をつかんだ。 豊岡市は、国内にあるほかの多くの自治体と同様、働く女性や女性管理職を増やそうとしている。他の自治体と大きく異なるのは、こうした取り組みを「女性活躍」ではなく「ジェンダーギャップの解消」と呼んでいることだ。これは、単なることばの問題ではなく、中貝市長の大