青春コメディというジャンルは、長い間、ストレートの白人少年たちの王国だった 豪州の歌手ステラ・ドネリーが友人に強姦被害を告白された体験をもとにセカンドレイプや犠牲者非難を歌った2017年の楽曲、そして英国の歌手デュア・リパが帰宅途中に男子が近くにいたら鍵を指に挟んで自衛していたことを歌った2020年の楽曲は、どちらも同じ「Boys Will Be Boys」というタイトルが付けられている。「男の子だからイタズラはしょうがない」という身勝手な性的接触や加害性を糾弾した#MeToo時代のアンセムである。 青春コメディというジャンルは長い間、このようなレイプカルチャーを野放しにし続け、異性愛規範に基づいた童貞卒業を目論むストレートの白人少年たちの王国だった。1980年代、郊外に住む中産階級の白人のティーンエイジャーや変わり者の子どもたちを愛情深く描いたジョン・ヒューズは、映画評論家ロジャー・エバ