旅行は良い。 僕のような存在が気持ち悪いだけで何の生産性もなく、仕事でも出世街道真っ先に諦めた男でも何かを成し遂げた気(ファンタジー)になれる。だから旅行は誰にとっても大人気の遊びだ。 観光地に行って、城や寺や絶景の風景の写真を撮る。 教養がある訳ではないので、城を見ても「思ってたよりショボい」「想像より大きい」「写真で見たのと一緒」以上の感想が出てこないのだが、「本物の城見た!ヨシ!」という実績解除の為だけに見に行く。それで良かった。しかし、今は違う。違ってしまった。 『ブラタモリ』が始まり、タモリさんが「この石垣はですね~」と視聴者に教養マウントとりながら楽しそうにしているのも見てしまうと「石垣どころか城を見ても楽しめない自分……」という劣等感が心のほんの隙間に生まれてしまったからだ。ならば「勉強しよう!」と意欲が生まれれば良いのだが、惰眠を貪ってしまう自分を抑えきれない。 そんな教養