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Courrierの検索結果201 - 240 件 / 1868件

  • 「電波少年」に出演したなすびが米紙に語る「当時の番組は見返せない」 | 辛い体験が人を笑顔にすることもある

    英国で制作されたドキュメンタリー映画『ザ・コンテスタント』の題材となったのは、90年代後半に人気を博したバラエティー番組「進ぬ!電波少年」の企画として放映された「電波少年的懸賞生活」だ。2023年にはトロント国際映画祭で上映され、今年5月から米国のHuluで配信している。 米紙「ロサンゼルス・タイムズ」が、同作の制作の裏側を、なすび、そして監督のクレア・ティトリーへのインタビューを通じて報じている。 知らぬ間に「国中から見られている」 1998年1月、当時まだ芸人の卵だったなすび(本名は浜津智明。「なすび」という芸名は特徴的な長い顔にちなんだもの)は人気バラエティー番組「進ぬ!電波少年」への出演を決めた。 テレビプロデューサーである土屋敏男の発案で生まれた「電波少年」シリーズでは、若手タレントたちが、数々の体当たり企画に挑戦した。なすびが出演することになった企画「電波少年的懸賞生活」(以下

      「電波少年」に出演したなすびが米紙に語る「当時の番組は見返せない」 | 辛い体験が人を笑顔にすることもある
    • 料理が苦手な人でも“料理上手”に思われる「魅惑のワンパンレシピ」5選 | 簡単なのに特別感アリ!

      一見したところ手が込んでいて、難しそうに見えるのに、実は簡単、失敗なし、おまけに美味しくて片付けもラク。もはや作らない理由はない、ニューヨーク・タイムズ・クッキングの一押しワンパン(ワンポット)レシピをご紹介します。

        料理が苦手な人でも“料理上手”に思われる「魅惑のワンパンレシピ」5選 | 簡単なのに特別感アリ!
      • スペイン紙が特集した「現代日本を理解するための小説と映画」はこれだ! | 町田そのこや有吉佐和子の作品を紹介

        現代日本を知るための映画や文学を特集した記事をスペイン紙「エル・パイス」が掲載した。記事によると、かつては遠い国と思われてきた日本だが、今日(こんにち)では文化的に近しく感じられるようになり、日本の作品のなかで扱われるテーマは「現代世界を解釈するために必須」とされるようになっているという。 紹介された作品はすべて英語やスペイン語、フランス語などの外国語に翻訳されたものだ。語学学習にはもちろん、海外の友人に日本に関する本や映画をおすすめする際にも役立つだろう。 かつての遠い国が文化的に近しく 日本はほんの20年前まで対極にある国とされていたが、今日(こんにち)では若者たちの想像力の一部を培いながら、文化的に近しくなった。これは娯楽産業、それも主にアニメのおかげだ。世界中の若者の間では食べ物や音楽、文学や映画といったあらゆる日本文化への興味・関心が高まっている。かつては奇妙なテーマやモチーフと

          スペイン紙が特集した「現代日本を理解するための小説と映画」はこれだ! | 町田そのこや有吉佐和子の作品を紹介
        • 音楽が止まり、文化が殺されている─アフガニスタンの芸術家たちの苦悩 | 恐怖政治が音楽を嫌う本当の理由

          音楽家や芸術家は、怯えながら日々を過ごしている。アフガニスタンの「文化の交差点」としてのアイデンティティは、厳しい抑圧政策に耐え、生き残ることができるだろうか? タリバンの政権奪取後、命さえ危うくなった音楽家たちの苦しみを、英紙「ガーディアン」が取材した。 命を狙われる音楽家たち 2021年8月上旬、タリバンがカブールに迫った頃、アフガニスタンのソーシャルメディア上には奇妙な広告が溢れかえっていた。音楽家たちが、自分の商売道具である楽器や機材を売りに出していたのだ。 その多くは、本来の価値の幾分にも満たない額で投げ売られていた。音楽をこよなく愛するアフガニスタンにありながら、買い手はほとんどつかなかった。 「過去の経験から、タリバンが我々音楽家や楽器にどういう仕打ちをするかもわかっていました。やつらは芸術や音楽を嫌悪しているのです」 こう語ってくれたのは、アフガニスタン北部出身の49歳の歌

            音楽が止まり、文化が殺されている─アフガニスタンの芸術家たちの苦悩 | 恐怖政治が音楽を嫌う本当の理由
          • 【解説】フランス総選挙、極右躍進を支えたのは意外にも「女性票」だった | マクロンの賭けは裏目に

            フランス国民議会(下院、定数577)選挙の1回目投票が6月30日におこなわれ、極右政党「国民連合」が躍進し、最大の得票率を得た。 国民連合は得票率33%で首位に立ち、次いで左派連合の「新人民戦線」が28%、エマニュエル・マクロン大統領率いる与党連合は21%にとどまった。 フランスの総選挙は2回投票制で実施される。7月7日の決選投票で国民連合が勝利を確実にすれば、極右の首相が誕生する可能性がある。 2回投票制とは? フランスの総選挙の仕組みは、1回目投票で過半数を獲得した候補がいれば、そのまま当選となるが、いない場合は決選投票で決める。その際、1回目投票の上位2候補は自動的に決選投票に進み、得票率が12.5%を超えた候補も進むことができる。 このため、決選投票が三つ巴の戦いになる選挙区も出てくる。 国民連合が躍進した理由 移民排斥や人種差別的な主張を掲げる極右政党がなぜこれほどまでの支持を集

              【解説】フランス総選挙、極右躍進を支えたのは意外にも「女性票」だった | マクロンの賭けは裏目に
            • EV時代への備えでトヨタより好位置に付ける「デンソー」に投資家は目を向けるべきだ | トヨタバッテリーEVで出遅れたが…

              クーリエ・ジャポンのプレミアム会員になると、「ウォール・ストリート・ジャーナル」のサイトの記事(日・英・中 3言語)もご覧いただけます。詳しくはこちら。 トヨタは電気自動車(EV)銘柄とは言い難い。一方、同社最大のサプライヤーであるデンソーは、トヨタよりうまくEV時代を乗りこなせそうだ。 トヨタは大半の同業他社と異なり、EVの投入に慎重だった。「プリウス」で開拓した従来のハイブリッド車は、今でも同社のEV戦略で重要な役割を果たしている。トヨタとその高級車ブランド「レクサス」の4-6月期の新車販売は、約3割が従来型ハイブリッド車だった。バッテリーEV車とプラグインハイブリッド車は2%にすぎなかった。 EV戦略で出遅れたトヨタは、EVが主流になりつつある中国などの市場で課題に直面する可能性がある。一方、同社がハイブリッド車に重点を置いてきたことで、デンソーはEV時代に対応できる態勢が整っている

                EV時代への備えでトヨタより好位置に付ける「デンソー」に投資家は目を向けるべきだ | トヨタバッテリーEVで出遅れたが…
              • 香港紙が絶賛 「コアラのマーチ」が世界で偏愛される意外な理由 | 「チョコの絶妙な比率、人間工学的に優れたサイズ感…」

                発売からまもなく40年を迎える「コアラのマーチ」は、日本のみならず、欧米やアジアでも広く販売され、地元の人たちに愛されている。 パティシエからアーティストまで、同商品が多くの人を魅了する理由を香港紙が探った。 アジアで生まれ育ったなら、一度は「コアラのマーチ」を食べたことがあるだろう。サクサクとした一口サイズのビスケットには、コアラのイラストが印字されており、そのひとつひとつにチョコレートがつまっている。 ビスケットの滑らかな曲線、チョコレートの絶妙な比率、そして親指と人差し指のあいだにすっぽり収まる、驚くほど人間工学的に優れたサイズ感。こうした要素が、コアラのマーチを「特別なお菓子」にしている。 海外にも広がる「まゆげコアラ」 コアラのマーチを開発したのは、日本の食品大手ロッテグループだ。同社は1983年に、チョコレートを注入できる中空状態のビスケットを焼く技術を開発し、翌84年にコアラ

                  香港紙が絶賛 「コアラのマーチ」が世界で偏愛される意外な理由 | 「チョコの絶妙な比率、人間工学的に優れたサイズ感…」
                • 日本の住宅メーカーは「実家離れできない」米国人の独立を後押しできるか | 積水ハウス「7200億円買収」が生む緊張

                  日本の住宅メーカーは、需要が頭打ちとなった国内市場に見切りをつけ、米国進出に意欲的だ。「不況」と「労働力不足」という二大悪条件下で切磋琢磨してきた日本企業の参入は、米国の住宅事情に大きな変化をもたらすだろうと、英経済紙は指摘する。 遺灰を大きな風船に入れて成層圏で散骨する「バルーン葬」、嚥下しやすい柔らかいビスケット、運転免許証を自主返納した高齢者向けの割引サービス──少子高齢化はこれまで、日本社会に思いもよらない新たな商機をもたらしてきた。 さらに日本の人口動態の変化は、親と同居する18~29歳の米国人にも影響を及ぼそうとしている。2300万人に達するこの巨大な集団が、ついに実家から旅立つ日がやってくるかもしれない。 1月、日本の大手住宅メーカー積水ハウスが、米コロラド州で戸建て住宅事業を手掛けるM.D.C.ホールディングス(MDC)を49億5000万ドル(約7200億円)で買収すると発

                    日本の住宅メーカーは「実家離れできない」米国人の独立を後押しできるか | 積水ハウス「7200億円買収」が生む緊張
                  • 著名人が推薦する「新しい世界と出会える書籍」 2023年上半期版 | 篠田真貴子、宮沢和史、斎藤哲也、沼野恭子、音部大輔

                    篠田真貴子さんがオススメする5冊 篠田 真貴子 エール株式会社取締役。社外人材によるオンライン1on 1を通じて、組織改革を進める企業を支援している。2020年3月のエール参画以前は、マッキンゼー、ノバルティス等を経て、2008年〜2018年ほぼ日取締役CFO。米ペンシルバニア大ウォートン校MBA、ジョンズ・ホプキンス大国際関係論修士。『LISTEN──知性豊かで創造力がある人になれる』監訳。 『日本社会のしくみ』 小熊 英二 篠田真貴子さんの推薦文 「社会のしくみ」は私たちの雇用、教育、さらにはアイデンティティまでを規定している。著者はそれを「企業のメンバーシップ」「職種のメンバーシップ」「制度化された自由労働市場」の三つの社会的機能に分解した。日本社会のしくみは三つの組み合わせで表すことができ、各々の特徴や濃淡を他国や過去と比較して分析している。 「ロスジェネ」を引き起こしたのは不景気

                      著名人が推薦する「新しい世界と出会える書籍」 2023年上半期版 | 篠田真貴子、宮沢和史、斎藤哲也、沼野恭子、音部大輔
                    • “任天堂マニア”のジャーナリストによる英紙の「訪日ガイド」が日本愛に満ちていた | 日本は発見や驚きに満ちている

                      熱狂的な海外のゲームファンのなかには、日本の定番の観光地以外にもゲームにまつわる“聖地”を訪れたいという人もいるだろう。 「生まれながらの任天堂マニア」を自称するジャーナリストが、英紙に「ゲーマーのための訪日ガイド」と題した記事を寄稿し、キャラクターカフェやゲームバー、ゲームの世界観が楽しめるスポットを紹介している。 ゲームファンの日本旅行は「発見や驚きだらけ」 日本を旅すると、圧倒されるのと同時に自由な気分になる。欧米に比べてゲーム文化がいかに主流となっているかが際立ち、世界は広いものだと思わせてくれる。 そこでは、ゲーム文化はサブカルチャーのようには感じられない。普通の文化なのだ。 たとえばある午後、おやつを買うためにコンビニに入ったら「ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム」のキノコをテーマにしたコラボ食品を見つけた(ちなみに、おいしかった)。街角にある公衆電話は「どうぶつの

                        “任天堂マニア”のジャーナリストによる英紙の「訪日ガイド」が日本愛に満ちていた | 日本は発見や驚きに満ちている
                      • 英紙「時代遅れの法律が、日本の男女平等を妨げている」 | 結婚すると女性のキャリアが台無しに…

                        日本は世界で唯一「夫婦同姓」を義務づけている国だが、何十年も問題が放置されている。日本国内で法改正を求める声が再び強まっていると英紙は報じている。 結婚後、サイカワ・アキコを待ち受けていたのは、悪夢のような行政手続きだった。 東京在住の会社員であるサイカワは、パスポートやそのほかの書類の名義を変更したり、SNSのアカウントを更新したりするために、何十という手続きを踏まなければならなかった。すべては、結婚したら改姓することが法律で義務づけられているためだ。 日本では結婚後に男女がどちらの姓を選ぶかは自由だが、95%は女性が変えており、その多くが渋々ながら改姓に応じているのが現状だ。 「時間もすごくかかったし、とにかく面倒でした」とサイカワは漏らす。「でも何より厄介だったのは、戸籍上の姓が夫の姓に変わってしまったことです。そのため会社に対して、職場では旧姓を使い続けたいとはっきり伝えておかねば

                          英紙「時代遅れの法律が、日本の男女平等を妨げている」 | 結婚すると女性のキャリアが台無しに…
                        • 「コーヒーが飲めなくなる日」に備えて“人工コーヒー”の開発が進んでいる | 科学技術が生み出すニューノーマル

                          クーリエ・ジャポンのプレミアム会員になると、「ウォール・ストリート・ジャーナル」のサイトの記事(日・英・中 3言語)もご覧いただけます。詳しくはこちら。 ありふれた朝の一杯のコーヒーが、社会や環境に災難をもたらす。だが近い将来、あなたは害の少ないものを選択できるだろう。それは人工コーヒーだ。 世界中で1日に20億杯のコーヒーが消費される。アラビカ種の樹木1本から採れるコーヒー豆の年間生産量が平均1~2ポンド(約453~907グラム)であることを考えると、コーヒーを1日2杯飲む人のために約20本の樹木から継続的にコーヒー豆を生産することが必要になる。 旺盛なコーヒー需要を背景に、大規模な森林伐採が進み、コーヒー豆の価格上昇とほぼ無縁の農家は低賃金にあえぎ、生産とサプライチェーン(供給網)の移動の両面で相当な量の二酸化炭素(CO2)が排出される。調査によると、コーヒー栽培に適した土地の約半分が

                            「コーヒーが飲めなくなる日」に備えて“人工コーヒー”の開発が進んでいる | 科学技術が生み出すニューノーマル
                          • 英紙が指摘「日本は内部通報者の保護を強化するべきだ」 | 日本では告発をすると罰則が…

                            不完全なホットライン 日本の芸能界最大の性暴力スキャンダルが明るみに出た1ヵ月後の2023年4月、問題の芸能事務所は遅ればせながら、被害者が訴え出るための内部告発ホットラインを設置した。 だが、このホットラインには大きな欠陥があった。その利用対象者は旧ジャニーズ事務所(現スマイルアップ)の従業員だけ、つまり、創業者の故ジャニー喜多川から虐待を受けていた可能性のある何百人もの旧ジャニーズ事務所に所属した男性芸能人には、その新たな仕組みを利用して被害を申し出る資格がなかったのだ。 スマイルアップが委任した外部専門家から成る調査委員会によれば、このホットラインの運用上の瑕疵は、同事務所の内部統制における数多くの重大な欠陥の一つに過ぎない。同事務所の内部統制の不備は、2019年に亡くなった喜多川が、1950年代に初めて疑惑が浮上して以来、性的虐待を重ねる事態を招いた。

                              英紙が指摘「日本は内部通報者の保護を強化するべきだ」 | 日本では告発をすると罰則が…
                            • 西側諸国は傲慢さを改め、BRICSと真面目に向き合うべきだ | トマ・ピケティ「新しい“眼”で世界を見よう」

                              誰の目にも明らかだろう。ガザでの戦争がきっかけでグローバル・ノースとグローバル・サウスの溝がさらに深まるおそれが生じている。 イスラム圏の国々に限らず、グローバル・サウスの国々の多くにとって、イスラエルがパレスチナの飛び地を空爆し、民間人の死者が数千人も出たことは、20年前の米国のイラク攻撃で数十万人の死者が出たときと同じように、西側諸国のダブルスタンダードそのものだと長い間、記憶されるに違いない。 一方、新興国側の主要な集まりであるBRICSは、数ヵ月前にヨハネスブルクで首脳会議を開催し、ますます力を持ちはじめている。2009年から開催されているこの首脳会議は、2011年からブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカの計5ヵ国が参加してきた。

                                西側諸国は傲慢さを改め、BRICSと真面目に向き合うべきだ | トマ・ピケティ「新しい“眼”で世界を見よう」
                              • フランスにも「セックスレスの波」到来 人々の意識に起きた「変化」とは? | 性生活の時間を奪う「大敵」

                                EU諸国のなかではトップクラスの出生率を誇り、性教育も進んでいるフランス。加えて、恋愛の盛んなイメージを抱かれがちなこの国で、性行為の回数がかつてないほど少なくなっていることが、仏調査会社ifopの最新の調査で明らかになった。 「過去1年間でセックスをしたことがある」と答えたフランス人は76%で、2006年と比べると15ポイント減少した。これは過去50年間で最低の記録だという。 一方、「過去1年間で一度もセックスをしていない」と答えた18~69歳のフランス人は、2006年の調査ではわずか6%だったのに対し、今回は24%と大幅に増加。とくに大きな変化がみられたのは若い世代で、性行為を経験したことのある18〜24歳の独身者のうち、28%が1年間セックスをしていないと答えた。2006年には、この数字は5%だった。 定期的に性行為をしているという人のあいだでも、その頻度は減少しているようだ。平均し

                                  フランスにも「セックスレスの波」到来 人々の意識に起きた「変化」とは? | 性生活の時間を奪う「大敵」
                                • ピーター・ターチン「近い将来、米国が2つか3つの国に分裂する可能性は充分ある」 | 「米国のエリートは現状を理解していない」

                                  ──どこかで読んだことがあるのですが、ビル・ゲイツと平均的な米国民の富を比較すると、西暦400年に最も金持ちだったローマ貴族と平民の富の差にだいたい等しいそうです。もしかしたらちょっと間違えて覚えているかもしれませんが、ともかく私が言いたいのは、これはとても許しがたい数字だということです。 その方法は私も使いますよ。ある年のトップの資産を平均年収と比較するのです。これもパターンを見出す方法のひとつですね。 ──そこで2020年前半の米国を見たとき、こうした指標が赤信号を示しているのがなぜなのか、教えていただけますか? エリートは過剰生産されています。あなたがおっしゃるところの「ウェルス・ポンプ」もあります。移民問題もあるし、政治の機能不全も問題です。

                                    ピーター・ターチン「近い将来、米国が2つか3つの国に分裂する可能性は充分ある」 | 「米国のエリートは現状を理解していない」
                                  • 中国に迫るインド経済、それでも投資家が信頼しきっていない理由 | 厄介なビジネス事情も仇となり…

                                    インドの経済は上々なはずなのに、なぜか海外からの長期投資は低下している。一体何が、足を引っ張っているのか。その背景には、複雑な事情があるようだ。 インド経済が好調だ。株価は世界でも指折りの上昇率で右肩上がりを続け、インド政府が投資した空港、橋、道路、クリーンエネルギー関連のインフラは、国のほぼ全土で見られる。2024年のインドの国内総生産(GDP)は、プラス6%が見込まれている。これは米国や中国を上回るペースだ。 だが問題はある。国内企業による投資が、インド経済の成長に追いついていないのだ。新しい機械や工場など、企業が将来の事業へ先行投資する金額も横ばいで、インド経済に占める割合も小さく、さらに減少している。インドの株式市場への資金流入は活発だが、海外からの長期投資は低下している。 インド経済は、青信号と赤信号が同時に点滅しているのが現状だ。いずれインド政府は、臨時支出を削減する必要に迫ら

                                      中国に迫るインド経済、それでも投資家が信頼しきっていない理由 | 厄介なビジネス事情も仇となり…
                                    • 全固体電池へ過剰に依存する日産は「危険な賭け」をしている | 「日産はとにかく、大きな変化を起こしません」

                                      2028年までに全個体電池を量産すると発表している日産。しかし、日産は世界的な電気自動車の市場争いで後れを取っているうえ、世界で競争するための規模も不足していていて、危険な賭けにでていると英紙は指摘する。 全固体電池をめぐる日本と中国勢の見解はわかれている 日産は2028年までに全固体電池を量産すると明言している。その一方で、全固体電池の技術はまだ黎明期にあるとの声もあがる。日産の幹部は2024年4月半ばに、その全固体電池を製造する工場内で、懐疑論を唱える企業は過去にしがみついているだけだと反論した。 「電池メーカーはどこも、現在使われている液体電池でずっと儲けていきたいと考えているのです。すでに多額を投資していますから、CATLのみならず、電池メーカーはどこも、全固体電池にあまり前向きではありません」。その幹部は工場見学の最中にそう語った。 幹部がそのように言うのは、電気自動車(EV)の

                                        全固体電池へ過剰に依存する日産は「危険な賭け」をしている | 「日産はとにかく、大きな変化を起こしません」
                                      • AIの時代に「100%AI不使用ラベル」を打ち出す理由 | 技術だけが過剰に宣伝されている

                                        生成AIが瞬く間に身近なものとなり、ネットやSNSでは人工知能によるコンテンツやサービスが爆発的に増えた。AIが作り出したものから逃れることは難しいと言えるだろう。そんななか、人間のクリエイティブを守るために「AIフリー」を掲げる人たちがいるという。 「AIを使わない」宣言 アップルがiPhoneに生成AIを搭載する計画を発表した時点で、それはこう言ったも同然だった──このテクノロジーはもはや避けられないものとなった、と。 大規模言語モデルは間もなく世界中のスマートフォンの大半に搭載され、メッセージングアプリやメールアプリで画像や文章を生成するようになる。AIはすでに検索エンジンのグーグルやビングに使われている。 800億ドル規模の新興企業であるオープンAIは、アップルやマイクロソフトと提携しており、まるで偏在しているかのようだ。同社のChatGPTやDALL-Eが自動生成するプロダクトは

                                          AIの時代に「100%AI不使用ラベル」を打ち出す理由 | 技術だけが過剰に宣伝されている
                                        • ピーター・ターチン「トランプを支持して権力拡大を狙う対抗エリートたち」 | 米国はロシアより「崩壊」に近い

                                          理論生物学から始め、歴史を自然科学のように研究してきた進化人類学者のピーター・ターチン。その独得で大胆な主張は、世界から注目を集めてきた。ターチンから話を聞いた、英紙「フィナンシャル・タイムズ」のヘンリー・マンス記者が、その主張を鋭く分析する。 危機を予測した進化人類学者 2010年、英誌「ネイチャー」は、各分野の専門家らに自分の分野が10年後にどうなっているか、予測するよう求めた。グーグルのリサーチ・ディレクターは、インターネット検索がタイプ入力ではなく、ほとんど音声入力でなされるようになるだろうと述べた。 そこにはピーター・ターチンのものもあった。もともと生態学者であった彼の予想は、なかでもおそらく最も大胆だった。「次の10年は米国と西欧が不安定化する時期になる」というのだ。特に「2020年ごろに一気に不安定化する」と示していた。 この予想がなされたのは2010年2月のことだ。同年末に

                                            ピーター・ターチン「トランプを支持して権力拡大を狙う対抗エリートたち」 | 米国はロシアより「崩壊」に近い
                                          • 仏哲学者が語る、モチベーションを上げるための「お金以外のもの」の正体 | 「お金だけで充分だということは決してない」

                                            フランスの人気哲学者アンドレ・コント=スポンヴィルは、企業のトップにこう質問するという。「御社の従業員が宝くじで6000万ユーロ(約100億円)を当てたとしたら、何%の人がその後も御社で働き続けますか?」 ほとんどの場合、答えは「ゼロ」だ。「従業員のほぼ全員にとって、仕事は天職でもなければ、喜びでもありません。仕事はただ仕方なくしていることなのです」──「ただし」と彼は続ける。 「人間とはどういう存在なのかを理解できれば、人のやる気を引き出すことができます。そこに哲学の出番があります」 どうやったら「働くモチベーション」を維持できるのだろうか。フランスの管理職向けビジネス誌『クーリエ・カードル』がコント=スポンヴィルに聞いた。 そもそも「モチベーション」とは モチベーションは一種の欲望ですが、実に特殊な欲望だと言えます。それはまず、「行動へと駆り立てる欲望」だからです。次にそれは、「役に立

                                              仏哲学者が語る、モチベーションを上げるための「お金以外のもの」の正体 | 「お金だけで充分だということは決してない」
                                            • フランス文学者・水林章「日本で第二次世界大戦の清算はまだ終わっていない」 | 2つの文化のあいだを彷徨い「自由」を手に入れた

                                              水林章(72)はフランス語の著作『彷徨礼讃』(2014 未邦訳)のなかで次のように述べている。 「人は自分の出生の条件に関する一切を選ぶことのできないまことに不自由な存在だが、言語については母語以外の言語を選ぶ自由を行使できる」 水林は出自のうえでは紛れもなく日本人だが、2011年以降、18歳のときから学びはじめたフランス語で自らを表現する著作家になった。いまではフランス語表現作家の一人として、広く知られている。水林の著作の大半は白地の装丁が特徴のガリマール社から出ており、パリの書店の新刊コーナーでもひときわ目を引く。 パリと東京を行き来し2つの言語で夢を見る水林は、12年前からフランス語で書くことに専心している(註:12年にわたって日本語を「留守」にしたあと、水林は2023年9月に『日本語に生まれること、フランス語を生きること』という日本語と日本社会をめぐる評論を上梓している)。 202

                                                フランス文学者・水林章「日本で第二次世界大戦の清算はまだ終わっていない」 | 2つの文化のあいだを彷徨い「自由」を手に入れた
                                              • 世界中の「出生率上昇のためのバラマキ」にはどれほど効果があるのか | 給付金は増えていく一方だが…

                                                世界に広がる少子化 30年ほど前、東アジア諸国の政府には、女性が身体的に妊娠可能な年齢になったことを喜ぶ理由があった。当時、韓国では、女性がそれまでと同じように行動すれば、出生率が平均1.7人まで下がると見積もられていた。1970年には、出生率は4.5人だったにもかかわらずだ。 東アジア全体で、政治家たちは10代の妊娠を劇的に減少させることに成功した。この一世代のうちに、出生率は驚くほどうまく減少した。だが、それはあまりにもうまくいきすぎた。出生率はいまなお下がり続けているのだ。 現在、妊娠可能な年齢の韓国人女性が、上の世代と同じように行動したと仮定した場合、生涯に産む子供の数は、0.7人だと見積もられている。 2006年以降、韓国政府はGDPの1%に相当する、およそ2700億ドル(約42兆円)を少子化対策に費やしている。それは子供がいる世帯への減税やマタニティケア、さらには政府後援のお見

                                                  世界中の「出生率上昇のためのバラマキ」にはどれほど効果があるのか | 給付金は増えていく一方だが…
                                                • 現代人を「ポリアモリー」に向かわせているものとは何なのか? | 本当にそれは「形にとらわれない生き方」なのか

                                                  近年、映画やドラマ、小説、エッセイなどでも「ポリアモリー」が出てくることが増えている。 ポリアモリーは、複数の人と同時に、合意のもとで親密な関係を持つこと、あるいは持ちたいと願うことを指す。従来の恋愛や結婚観にとらわれない新しい概念として広がっており、その実践に関心を持つ人たちも少しずつ増加しているようだ。 そんな現在進行形の「ポリアモリーの大衆化」について、それは「形にとらわれない生き方」として「やや美化されているのではないか」と、米誌「アトランティック」が疑問を呈している。 現代人のポリアモリーへの関心は、自己の最適化や自己改善、成長、幸福といったものへの「現代人の執着」と深く関連していると、寄稿した米文学者のタイラー・A・ハーパーは述べている。 終わりのない自己改革や幸福の探求は、先行き不安な現代社会の文化的現象になっており、この探求に人生の意味を見出す人たちも少なくない。

                                                    現代人を「ポリアモリー」に向かわせているものとは何なのか? | 本当にそれは「形にとらわれない生き方」なのか
                                                  • ユダヤ教超正統派デモにウェイトレスがブラ見せ反撃する理由 | イスラエルのユダヤ系内部で激化する宗教と世俗の衝突

                                                    エルサレムの中心部で異様な衝突が起こった。カフェのウェイトレスたちが店の前に並び、シャツをめくり上げてブラを見せている。彼女たちが対峙しているのは、ユダヤ教超正統派の衣装をまとった男たちの大群だが、後ろ向きでなにか叫んでいる。 この衝突が現在のイスラエルを象徴する光景だという。その理由とは──。 ブラ見せカウンター エルサレム中心部にあるビーガンでLGBT歓迎のカフェ「バステト」は、土曜日に軽食をとりたい住人たちにとってのオアシスだ。土曜日はユダヤ教の安息日であり、街の営みの大半が休止するからだ。 だが、バステトが青いテーブルを歩道に並べるその通りを毎週、ユダヤ教超正統派の男たちが行列して、いつものように通り過ぎていく。なかには最高級の毛皮帽子と金のローブをまとった者もいる。彼らはカフェが休息の日を冒瀆していることへの不快感を示しているのだ。 「シャボス!」と彼らは連呼する。イディッシュ語

                                                      ユダヤ教超正統派デモにウェイトレスがブラ見せ反撃する理由 | イスラエルのユダヤ系内部で激化する宗教と世俗の衝突
                                                    • 米紙が見た、EV市場で苦闘する「トヨタの焦り」と「日本政府の楽観」 | 「車輪のついたiPhone」のような中国車の衝撃

                                                      米アリゾナ州在住のレイチェル・キューリンは、トヨタの熱烈なファンだった。 信頼性が高く燃費のいい同社のハイブリッド車は、米国で何百万人もの人々に高く評価されており、キュリーンもそのひとりだった。 だが彼女は最近、愛車だったトヨタのプリウスを米ゼネラル・モーターズ(GM)の電気自動車(EV)シボレーボルトに買い替えた。トヨタのEVの販売があまりにも遅れているからだ。 「トヨタファンはどの車を選べばいいのでしょう? 本当に残念です」とキューリンは言う。 米中で失速するトヨタ トヨタはかつて、環境問題に関心を寄せるドライバーに最も人気の高いブランドだった。しかしながらいまは、消費者の嗜好の変化や、化石燃料の使用を大幅に削減しようとする各国政府の要求に応えられずにいる。 トヨタと日本の自動車業界は、80年代にグローバルな市場を席巻して以来、最大の経営課題に直面している。彼らがこれからも自動車業界の

                                                        米紙が見た、EV市場で苦闘する「トヨタの焦り」と「日本政府の楽観」 | 「車輪のついたiPhone」のような中国車の衝撃
                                                      • 270人待ちの大人気「読書パーティー」を覗いてみたら | 読書って“美しい”から

                                                        「読書会」と聞くとなんだか意識の高い人たちの集まりのようで、敷居が高く感じてしまう。でも、「読書パーティー」なら? 米国ニューヨーク、ブルックリンで4人の若者が始めた「読んでしゃべる」集いが、人気を博している。 「初心者の過ちを犯しましたね」。若い女性にそう話しかけられた。 ブルックリン、ウィリアムズバーグにあるバー「フォー・ファイブ・シックス」に入ってから、まだ3分も経っていない。バー入店後3分以内の過ちは個人新記録だ。 「何がいけなかったのかしら」と私は尋ねた。 「背もたれのない椅子を選んだこと」だと彼女は言って笑った。 その通りだった。確かに私は飲み物を手にした後、背もたれのないベンチに座っていた。通常の夜遊びで「背もたれ」が話題になることはあまりない。だが、この晩は違った。 12月の寒い月曜の夜、65人が「リーディング・リズムズ」というイベントに集った。それは「読書会」ではなく、「

                                                          270人待ちの大人気「読書パーティー」を覗いてみたら | 読書って“美しい”から
                                                        • 上げるか下げるか、議論が絶えない消費税についてどう考える? | 経済学者ガブリエル・ズックマンが答えます

                                                          森永卓郎さん(経済アナリスト)からの質問 現在日本では、コストプッシュ型のインフレで国民生活が困窮し、デフレ脱却に向かうことができません。多くの経済学者や政党が、一時的に消費税を引き下げるべきだと主張していますが、岸田政権や財務省は、消費税が社会保障の財源であるとの理由で断固拒否しています。この問題についてどう考えますか? 斎藤幸平さん(経済思想家・東京大学大学院准教授)からの質問 日本のリベラルには、社会保障費の財源として消費税増(18%)を唱える論者が一定数います。しかし、それはMMTなどの反緊縮派からの批判を呼び、またすでに生活が困窮している労働者階級からも反発が強いです。 ピケティが提唱するように、累進型の所得税と相続税の組み合わせがいいと私も思いますが、消費税分を賄おうとすれば、相当の最大税率が必要となり、これはこれで現実的には難しいです。そもそも増税というものを国民に納得させな

                                                            上げるか下げるか、議論が絶えない消費税についてどう考える? | 経済学者ガブリエル・ズックマンが答えます
                                                          • 妻と25年間セックスを続けた結果

                                                            https://b.hatena.ne.jp/entry/s/courrier.jp/news/archives/359090/ 自分は当然のように妻と25年間セックスを続けた結果、 妻以外にはほとんど性欲を感じなくなり、大変人生に満足しているのだが、 インターネット上には自分と同じような夫婦が少なくて戸惑っている 日本の夫婦の7割がセックスレスというデータがありブコメの大半がそれに肯定的であるという現状は理解し難いものがある 自分は特別性欲が強い方でもないし体力も少ない方だが、意識して週に1回以上はセックスするようにしている その結果(もちろんそれだけではないだろうが)、恋人時代と変わらない愛情をお互いに感じ続けている 明らかに最善の選択をしたと思うのだが、滅多にご同意いただけないのはなぜだろうか 単に酸っぱい葡萄なのだろうか だとするとなぜ夫婦がお互いに楽しんでセックスし続けることがそ

                                                              妻と25年間セックスを続けた結果
                                                            • ゴキブリ並みの生命力? ビットコイン価格が上昇し続けている理由 | 2023年秋頃からビットコイン価格が急騰

                                                              米国証券取引委員会(SEC)は2024年1月初旬、代表的な暗号資産であるビットコインを運用対象とする上場投資信託(ETF)の上場申請を初めて承認した。これに伴って再びビットコイン価格が上昇している。しかし、この承認がなされる前の2023年秋頃からビットコイン価格は上昇基調にあった。FTXやバイナンスといった大手暗号資産のトップ逮捕が続いたなかで、なぜビットコインは買われたのか? ゴキブリ並みの生命力 頭を切り落としてもムダだ。ゴキブリは頭がなくても1週間は生きられる。強く叩いても死ぬ保証はない。彼らの柔軟な外骨格は曲げることができ、体重の900倍の重さにも耐えられる。トイレに流しても解決策にはならない。種類によっては、30分以上呼吸を止めることができる。大半の人にとって、ゴキブリは歓迎されざる害虫だ。しかも不死身であるがゆえに、その存在はいっそう忌まわしい。 ゴキブリのような「歓迎されざる

                                                                ゴキブリ並みの生命力? ビットコイン価格が上昇し続けている理由 | 2023年秋頃からビットコイン価格が急騰
                                                              • 日本が旧統一教会につけ込まれたのは韓国への「恥ずべき過去」を忘れたから | 「無知への怒り」が奇妙なカルトを生んだ

                                                                日韓が「アダム」と「エバ」になった理由 安倍晋三元首相の暗殺後、旧統一教会(現・世界平和統一家庭連合)が依然として影響力を持っていることに多くの人が驚いた。米国でも日本でも、同教団の活動は下火になったと考えられていたからだ。 1980~90年代にかけての教団は、不気味で全体主義的な体質、異様な合同結婚式、政治的な影響力を持つことへの露骨な執着で話題を集めた。文鮮明は米国で保守系新聞「ワシントン・タイムズ」を創刊したことでも知られる。 こうした教団の活動の屋台骨を支えていたのは、日本だった。旧統一教会の本部は韓国だが1970年代以降、多くの日本人が熱狂的な信者となり、活動資金の大半も日本から得ていたことに人々は驚かされた。 2017年に教団から追放された元幹部の桜井正上によれば、日本は「事実上、教団の資金源の“支柱”となっている」という。日本国内の旧統一教会の活動を取材するなかで話を聞いた人

                                                                  日本が旧統一教会につけ込まれたのは韓国への「恥ずべき過去」を忘れたから | 「無知への怒り」が奇妙なカルトを生んだ
                                                                • 「キブツ」とは何か? ハマス急襲の矢面に立たされたコミューン | シオニズムがマルキシズムと出会った場所

                                                                  イスラエル北部にあるキブツで五旬節に踊る女性たち(1949年) Photo: UPI / Bettmann Archive /Getty Images 10月7日、イスラエルを急襲したハマスの武装勢力は、パレスチナ自治区ガザとの境界近くにある「キブツ」として知られる複数の共同体にも侵入した。イスラエル南部の伝統的なコミューンであるキブツ・ベエリがとくに大きな被害をうけ、100人以上の遺体が回収された。 キブツはイスラエル建国の基礎となる役目を果たし、同国の歴史においていまなお極めて象徴的な位置を占めている。イスラエルに固有の組織された共同体であるキブツはかつて、集産主義的な文化と農耕中心の暮らしぶりで知られていた。ただしその大半は私営化されて久しい。 そうした共同体の多くがいまや悲劇の代名詞になりつつあるとはいえ、キブツは、歴史上で最も成功した社会主義実験のひとつとしての遺産を保っている。

                                                                    「キブツ」とは何か? ハマス急襲の矢面に立たされたコミューン | シオニズムがマルキシズムと出会った場所
                                                                  • 「世界で最も嫌われる学者」ジョン・ミアシャイマーの悲劇 | ウクライナ危機をめぐる自説で物議を醸し続け…

                                                                    2022年2月23日深夜、ジョン・ミアシャイマー(75)は、シカゴ郊外の自宅で米国の外交専門誌「フォーリン・アフェアーズ」掲載予定の原稿の仕上げにとりかかっていた。 原稿のテーマは、ウクライナ危機の深刻化だった。数週間前からロシア軍がウクライナの国境に続々と集結していたが、ロシア軍の幹部の話ではまだ、侵攻の計画はまったくないとされていた時期のことだ。 シカゴ大学の政治学教授であるミアシャイマーは、ヨーロッパで戦争が勃発する可能性について読者のために解説してほしいと注文を受けていたのだ。その原稿を書き上げたと思ったときのことだ。友人でもある学者のスティーヴン・ウォルトから緊急のメッセージが届いた。 「送信を押すのはニュースを見てからにしたほうがいい。何かがウクライナで起きている」 そのとき、シカゴから8000キロメートル以上離れたウクライナの国境では、ロシア軍の部隊や装甲車両が続々と国境を越

                                                                      「世界で最も嫌われる学者」ジョン・ミアシャイマーの悲劇 | ウクライナ危機をめぐる自説で物議を醸し続け…
                                                                    • 日本の海賊の研究者というと『ワンピース』のことを必ず訊かれる | フランス人倭寇研究者に聞く

                                                                      倭寇の恩恵を受けた大名はいたのか ──日本の守護大名は、倭寇の活動の恩恵を受けていたのですか。 これは学会では議論になっている点です。結論から言うと、私は大宰府を拠点にしていた少弐氏(しょうにし)と、その家来だった対馬の宗氏(そうし)が大きな役割を果たした説を支持しています。彼らが倭寇の活動から莫大な利益を得ていたように見えます。 たとえば高麗と往来していた船に、高麗公事(こうらいくじ)という税を課していたことが史料からわかります。公事とは税のことです。それから唐人、つまり奴隷にも特別な税を課していました。つまり、倭寇の活動に税を課していたわけです。 さらに、倭寇が持ってきた品物が少弐氏の元に流れる傾向があったように見えます。なので、おそらく倭寇の活動がもたらした経済効果は、少弐氏や宗氏にとって、とても重要だったと考えています。 韓国の李領(イ・ヨン)などの歴史家は、倭寇が本格的に始まった

                                                                        日本の海賊の研究者というと『ワンピース』のことを必ず訊かれる | フランス人倭寇研究者に聞く
                                                                      • 英誌が報じる「日本の主婦が再就職しても30%は離職するワケ」 | 既婚女性の職場復帰を妨げる仕組み

                                                                        日本でも働く女性はますます増えているが、一度キャリアから離れて専業主婦になった場合、再就職しても離職する人が少なくない。その構造的な問題を、英誌「エコノミスト」が指摘した。 女性の生き方が変わっている 大洞静枝は大学を卒業後、保険会社で着実にキャリアを築いていた。だが、最初の子供を出産したあと、彼女は専業主婦となった。 「仕事は続けたかったですが、自分の気持ちは抑えました」と、現在40代の彼女は言う。しかし、自身より上の世代の日本人女性たちとは違い、彼女は家にとどまることを望まなかった。8年後の2015年、彼女はジャーナリストとしてまた働きはじめる。 大洞はとても大きな変化を象徴している。かつて日本の女性の労働参加率は、ほかの富裕国と比べて、ずっと低かった。長いあいだ、たいていの女性は第一子を出産したあとに仕事を辞めなければならなかったのだ。文化的慣習に加えて、旧態依然とした税制度や福祉制

                                                                          英誌が報じる「日本の主婦が再就職しても30%は離職するワケ」 | 既婚女性の職場復帰を妨げる仕組み
                                                                        • デジャヴより奇妙で珍しい「ジャメヴ」って何? 日常に潜む不思議な現象 | とつぜん起こる「非現実感」のワケ

                                                                          「知ってるはずなのに…」 初めて経験するはずのことが、なぜか以前にも経験したように感じられる──「既視感」、あるいは「デジャヴ」と呼ばれるこの現象はよく知られており、実際に体験したことのある人も多いだろう。 しかし、デジャヴの反対ともいえる「ジャメヴ」という現象についてはあまり知られていない。2023年、このジャメヴについての研究が、「人々を笑わせ、考えさせた研究」に贈られるイグノーベル賞を受賞した。 研究チームのメンバーで心理学者のアキラ・オコナーとクリストファー・ムーランによれば、ジャメヴとは、「見慣れているはずのものが、何らかの形で非現実的、または新しいものに感じられること」。

                                                                            デジャヴより奇妙で珍しい「ジャメヴ」って何? 日常に潜む不思議な現象 | とつぜん起こる「非現実感」のワケ
                                                                          • 貧困層を目の敵にするイデオロギーが「公共サービスの質」を劣化させている | トマ・ピケティ「新しい“眼”で世界を見よう」

                                                                            この記事は、世界的なベストセラーとなった『21世紀の資本』の著者で、フランスの経済学者であるトマ・ピケティによる連載「新しい“眼”で世界を見よう」の最新回です。 最初にはっきり言っておきたい。フランスの日刊紙「ル・モンド」が掲載した見事な調査報道の記事によって、フランスの福祉機関「家族手当金庫(CAF)」の手当受給者数千人が、無節操で理不尽極まりない手続きの対象にされていたことが白日のもとにさらされた。 これはフランスに限らず、欧州や世界の社会保障や公共サービスの未来が根本的な問題に直面していることを示している。ル・モンド紙の記者たちは、隠蔽されていた数千行のプログラミングのコードを調べあげただけではない。 生計が不安定な人たちやひとり親たちに会い、手当の過払いがあったと不当に疑われて追い回された話にも耳を傾けた。記事が示したのは、闇雲にアルゴリズムを使って調査することが、日々の生活に悲劇

                                                                              貧困層を目の敵にするイデオロギーが「公共サービスの質」を劣化させている | トマ・ピケティ「新しい“眼”で世界を見よう」
                                                                            • いまネットフリックスが「日本の漫画の実写化」に力を入れる理由 | 『幽☆遊☆白書』に『ワンピース』…

                                                                              2023年、ネットフリックスは漫画『ONE PIECE』と『幽☆遊☆白書』を実写化し、世界的な大ヒットとなった。同社はなぜこのタイミングで、これらの伝説的な作品を実写化するに至ったのだろうか。米紙「ロサンゼルス・タイムズ」が日米の関係者を取材し、その理由やヒットの要因、製作秘話などを聞いた。 80ヵ国でトップ10入り 人気漫画『幽☆遊☆白書』の実写化に一定の視聴者がつくであろうことは、ネットフリックスの経営陣には企画が決定した時点ですでに明らかだった。 なにせこの物語は、1990年に連載がスタートして以来(さらにアニメ版がカートゥーン・ネットワークで海外放映されて以来)、世界中でファンを獲得してきたのだから。 というわけで、2023年12月4日の配信開始後、実写版『幽☆遊☆白書』が多くの視聴者を得てヒット作となったことも、特に驚きではなかった。この日本語作品は、12月18日から24日までの

                                                                                いまネットフリックスが「日本の漫画の実写化」に力を入れる理由 | 『幽☆遊☆白書』に『ワンピース』…
                                                                              • 空音央が語る父・坂本龍一 「完璧主義ではない素顔」と「ラストエンペラー秘話」 | “最後の演奏”をとらえた話題作『Opus』

                                                                                世界的な音楽家・坂本龍一(享年71)の“最後の演奏”を記録したドキュメンタリー作品『Ryuichi Sakamoto | Opus』が、第80回ベネチア国際映画祭で公式上映された。本作の監督で坂本の息子でもある空音央に、撮影秘話や巨匠の知られざる素顔を香港紙が聞いた。 「映画制作を提案したのは、僕ではなく坂本のアイデアでした」と、空音央(そら・ねお)は語る。 彼の監督作『Ryuichi Sakamoto | Opus』は偉大な日本人作曲家・坂本龍一の最後のパフォーマンスを捉えたドキュメンタリー作品だ。坂本は2023年3月に71歳で亡くなった。 『Ryuichi Sakamoto | Opus』の予告

                                                                                  空音央が語る父・坂本龍一 「完璧主義ではない素顔」と「ラストエンペラー秘話」 | “最後の演奏”をとらえた話題作『Opus』
                                                                                • ユヴァル・ノア・ハラリ「孤立したイスラエルは完全敗北に近づいている」 | 復讐心、心中志向を捨て去るべきだ

                                                                                  ネタニヤフ政権による戦争での失敗は偶然ではない。長年にわたって壊滅的な政策を採ってきた結果である。3つの長期的な要素の組み合わせが、ガザに人道的大惨事を引き起こすという決断をもたらした。その3つとは、パレスチナ人の命の価値に対する感覚の欠如、イスラエルの国際的地位に対する感度のなさ、イスラエルの真の安全保障上の必要性を無視した優先づけだ。 ネタニヤフとその政治的パートナーたちは、長年にわたり、パレスチナ人の命の価値を軽視する人種差別的な世界観を培ってきた。2023年2月にヨルダン川西岸のハワラで起きたポグロムは、現在のガザの悲劇に通じる。 2023年2月26日、イスラエルの入植者2人がハワラを車で走行中に殺害された。その報復として入植者の暴徒がハワラの家屋、商店、自動車に放火し、罪のないパレスチナ市民数十人を負傷させた。しかし、イスラエルの治安部隊はこの無法行為をほとんど止めようとはしなか

                                                                                    ユヴァル・ノア・ハラリ「孤立したイスラエルは完全敗北に近づいている」 | 復讐心、心中志向を捨て去るべきだ