ハスキーやマラミュートなど、シベリアからグリーンランドにかけての地域を原産とする犬は、1万年以上前に人間と一緒に北米大陸にやってきたイヌによく似た身体的特徴をもつという。(PHOTOGRAPH BY PAUL NICKLEN, NAT GEO IMAGE COLLECTION) 米アラスカ大学博物館に「PP-00128」という標本があり、20年ほど前から、かなり古いクマのものだと考えられていた。この標本は大腿骨の破片で、指でつまめるほど小さく、アラスカ南東部の海岸沿いの遺跡から発掘された。同じ遺跡からは、数千年前の魚や鳥や哺乳類の骨のほか、人間の骨も発見されている。 2月24日付けで科学誌「Proceedings of the Royal Society B」に発表された論文によると、遺伝子解析の結果、PP-00128は、今から約1万150年前に人間の忠実な友として氷に覆われたアメリカ大陸