注:この記事は、有識者個人の意見です。COVID-19有識者会議の見解ではないことに留意ください。 本論説は、2022年5月から6月にかけて内閣官房で開催された「新型コロナウイルス感染症対応に関する有識者会議」(座長永井良三)の報告書とりまとめに先行して、2022年5月25日に事務局に提出した個人的意見書である。感染症法・特措法と運用、情報の基盤・収集・公開、保健所、研究、専門家助言組織、有事の法整備、司令塔のあり方に関する問題点をまとめた。なおこの意見書は、6月21日の座長会見で記者に配布され、約1時間にわたり説明が行われた。 最近のCOVID-19感染状況 概要 わが国の新型コロナウイルス感染者数と死亡者数は主要国よりも少なく、対策は成功したように思われる。しかし、これは現場の努力と国民の高い公衆衛生意識によるところが大きい。その一方で、医療提供体制の逼迫、感染予防の現場や医療現場への