2018年はクリムト没後100年。クリムトが生涯を通じて活動の拠点としたウィーンの街を旅し、彼が生きた時代とその作品を肌で感じます。 ウィーン市内にある「美術史美術館」。階段ホールの装飾壁画の一部をクリムトが担当した。 グスタフ・クリムト(1862-1918)は19世紀末から20世紀初頭にかけてのオーストリアを代表する画家として知られています。 クリムトの画家としての歩みは、19世紀末のウィーンにおける大規模な都市改造や、従来の保守的な文化様式から脱却に向かう時代の空気と大きく関係していました。 ブルク劇場 まずやってきたのは、ウィーン市庁舎の向かいにあるブルク劇場。今もさまざまな演目が日々上演されている現役の劇場であり、クリムトが手がけたもっとも初期の作品を天井画の形で観覧できる場所でもあります。 クリムトは工芸学校に通って応用美術を学んだ後、1883年に弟のエルンスト・クリムト、画家仲
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