ドイツ最大の完成車メーカーであり、トヨタ自動車とともに世界最大の完成車メーカーの地位を争うフォルクスワーゲン(VW)が、国内にある工場の閉鎖を検討していることが話題になっている。ドイツ国内にある工場が閉鎖されれば、1937年の創業以来初めてのことだ。対象は完成車工場1カ所以上、部品工場1カ所となる。数千人の雇用が失われる可能性も取り沙汰されており、ドイツでもセンセーショナルに報じられているようだ。 この問題は2つの視点に分けて考えるべきだろう。 【視点1】 EUの脱炭素化戦略そのものの失策 まず1つ目は、この問題はEUのEVシフト、さらにいえば「EUの脱炭素化戦略そのものの帰結」だということだ。