まず最初は、1950年、日本に駐留していた米軍の注文で作ったというスチール製の「2201型」。当時、国内ではスチール製の家具がほとんど普及しておらず、スチール家具といえば米国からの輸入ばかりだったが、1950年の朝鮮戦争をきっかけに米軍による特需で国内調達となったという。岡村製作所では米軍の仕様書に合わせ2201型を製作したのである。 回転機構、座面の高さ調整、背もたれのロッキング機能、固定式のひじ置きなど、現在のワーキングチェアに見られるような機能をすでに備えていた。2201型はその後、米軍だけでなく国内企業にも納入することになったが、「米軍では現場の事務員が利用していたようだが、座面が大きかったり、ひじ置きがあったりしたせいか、国内では幹部用のいすとして使われていたようだ」(いすの博物館の星野朝治館長)という。
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