医師の処方が必要な睡眠導入剤トリアゾラム 埼玉や鳥取などで不審な死を遂げた男性たちの遺体から相次いで成分が検出された睡眠導入剤――。入手するには医師の処方箋(せん)が必要だが、インターネットのサイトなどでは闇取引が常態化し、犯罪に悪用される例は後を絶たない。薬はなぜ蔓延(まんえん)するのか。 睡眠導入剤は以前からしばしば犯罪の現場に登場する。堺市では8月、ジュースに混ぜて20代の女性に飲ませ性的暴行を加えたとして、不動産仲介業の男が逮捕された。昨年12月に逮捕された山形県山辺町の女は、夕食のみそ汁に混ぜて夫と孫に飲ませた後、殺傷したとされた。強姦(ごうかん)や殺人などのほか、最近は眠らせた後に金を奪う昏睡(こんすい)強盗の手段として悪用される例も多い。 睡眠導入剤は、医師の処方箋がなければ売ってもらえず、譲渡も麻薬及び向精神薬取締法で規制されているが、インターネット上にはこうした薬物