1991年、高校3年だった私はバブル崩壊のニュースが騒がれていても何も考えていなかったし危機感もなかった。 生まれてから株価や地価が上がり続ける好景気のニュースや、良い時計、良いブランド、良い車、お洒落な都会の暮らしと浪費を煽るTV番組しか見てこなかったので 経済が右肩上がりなのは1+1は2だというのと同じくらい揺るぎない当然の事実だと刷り込まれていた。 だからバブル崩壊なんて聞いても一時的な大騒ぎだと思っていたし歴史の教科書に載るレベルの事が今起きているなんて実感は全くなかった。 もちろん、後から我が身を以て知る事になるのだけど。 地方の田舎だったので大学進学はまだ当たり前ではなかった。 大学は都会の人、お金持ち、頭のいい人が行くところという認識。女性の大学進学率は身の回りの体感で2割以下だったと思う。 高卒で就職した先輩たちからは夢のような話ばかり聞いていた。 就活は東京に行くと良い。