農業人口が減少し続ける日本にとって、人手不足は喫緊の課題だ。山形県はこの問題に対処するべく、高額なロボットを導入したり、大学と組んで最先端ロボットの開発に挑んだりしているが、それらは決して容易には進まない。米紙「ニューヨーク・タイムズ」が、農村の厳しい現実を取材した。 裏切られた期待 サクラの花の色は、ピンクと白の間を淡く漂っている。その開花時期はごく短い。日本人がなぜこれほどサクラを愛するのか、その理由を説明するのは難しい。だが、彼らがこの花を深く愛しているのは紛れもない事実だ。 ロボットは、サクラのそんな儚い美しさを解さない。また、雪に閉ざされた山形県西川町の人々が、なぜ冬に咲くサクラの品種「啓翁桜」の栽培にこれほど心血を注いできたのかも理解できない。しかし、この町の住民は、自分たちが育てるサクラを守るためにロボットが必要であることに気づいた──少なくとも、そのときはそう確信していた。

