参拝客の減少を食い止めようと、1200年以上の歴史を持つ「熊野大社」(南陽市宮内)の神官や巫女(みこ)らが、過去の参拝客などへの“営業活動”を続け、来訪を呼びかけている。近年では参拝客が納める「祈祷(きとう)料」などが減り、伊勢神宮直伝の神楽を維持するのも苦しい状況にあり、神官らは、普段のはかま姿をスーツに替え、県内外を訪ね歩いている。全国の神社を統括する宗教法人「神社本庁」は「全国的な参拝者減の中、先駆的な取り組みだ」としている。 同大社では、毎年1月〜3月上旬、「太々(だいだい)神楽」を奉納。土日を中心に毎年約50回、披露している。 この神楽は1929年、「東北は伊勢神宮から遠く、太々神楽を見に行けない人が多い」と、当時の宮司が同神宮に頼み込んで教えてもらった。最盛期の75〜85年には、県内外から約4万5000人が訪れ、国鉄(現JR)が臨時列車を運行するほどだった。 しかし、高齢化など