2027年の開業まで残り10年を切ったリニア中央新幹線。すでに駅舎やトンネルなどの建設が進むほか、品川や名古屋といったリニア新駅の予定地周辺では、駅前再開発や観光PR、企業誘致など開業を見越した動きも盛んだ。沿線自治体は、新たな“夢の超特急”の到来を指折り数えて待っている。 ところが、ここへ来て2027年の開業に間に合わないのでは、という懸念が持ち上がっている。発端は、昨年末に浮上したリニア工事の談合疑惑だ。東京地検特捜部や公正取引委員会が大手ゼネコン各社を家宅捜索した。 捜査を受けても現場の工事が止まるわけではないが、JR東海が契約手続きの厳格化を表明するなど、今後締結される工事への影響を懸念する見方が上がっている。リスクを警戒して工事の受注に及び腰になるゼネコンが出てくる可能性もある。 「何が起こるか分からない」南アルプス 懸念材料は談合疑惑だけではない。2027年開業というスケジュー