◇体験者の言葉で教訓、語り継げ 児童8人が犠牲になった大阪教育大付属池田小学校(大阪府池田市)の乱入殺傷事件から10年が経過した。当時の在校生はとうに卒業し、残る教員も校長と副校長の2人だけだ。追悼式典で、悲しみを越えて事件の記憶を語り継ごうとする教師らの姿には胸を打たれた。ただ、事件の全貌やそこから学び取る教訓について体系的にまとめた報告書はいまだ作成されていない。苦しみに満ちた取り組みかもしれないが、全国の教育現場で教訓を分かち合うため、原点である事件の記録をぜひまとめてほしい。 8日の追悼式典「祈りと誓いの集い」で、当時6年の担任で今は副校長の真田巧さん(43)が体験を語った。 ◇つらい記憶、皆で乗り越え 01年6月8日午前10時過ぎ、校舎3階の教室で児童と話している時、大きな声が聞こえ、ベランダから外をのぞいた。子供たちがものすごい勢いで運動場へ走っていくのが見えた。避難誘導に加わ