フェミニズムやブラック・ライヴズ・マター、そしてフェミニズム内部でのトランス排除問題に関連して耳にすることが増えてきた単語「インターセクショナリティ」。しかしその意味を詳しく知っている人は意外にも少ないのではないか。 「交差性」とも訳されるインターセクショナリティだが、なぜフェミニズムを学ぶ上で必須の概念なのか。 東京大学大学院教育学研究科附属バリアフリー教育開発研究センターに所属し、クィアと障害(*)、フェミニズムについて研究している飯野由里子さんにお話を聞いた。 「障害」という用語については、そこに含まれる「害」という字が人びとに否定的な印象を与え、障害者に対する負のイメージに結びついてきたと考えて「障がい」や「障碍」といった表記を用いる人もいる。他方、障害学においては、多数派(たとえば非障害者)の利便性を前提に社会が作られていることで生じている障壁(バリア)が少数派の側にもたらす不利
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