建物という建物が黒焦げとなり、街全体が廃墟と化したマリウポリの空撮映像を観て、胸をえぐられる思いがした。ウクライナのゼレンスキー大統領は「(ロシア軍は)街から何もかもを消し、灰で覆われた死の土地にしようとしている」と語ったが、まさにその言葉通りの光景だった。私の眼には、原爆投下直後の広島や長崎の光景と重なって見えた。 ロシア軍は人口40万のこの街を包囲し、連日激しい空爆や砲撃を加えた。マリウポリの市長の報道官は、ロシア軍に包囲されて以降、子ども約210人を含む約5000人が死亡したと明らかにした(「ロイター通信」、3月28日)。これが事実ならば、文字通りの「ジェノサイド(大量虐殺)」である。 「領土的野心」に基づく侵略戦争 ロシアのプーチン大統領は侵攻を開始するにあたり、隣国ウクライナのNATO(北大西洋条約機構)への加盟は「ロシアの生死にかかわる脅威」だと語った(2月24日の国民向けテレ
戦時中、細菌兵器の開発を行った日本軍の秘密部隊、関東軍防疫給水部、通称731部隊。この組織の全貌を知る手がかりがロシアのモスクワで発見された。命を守るべき医学者が、なぜ人体実験に手を染めたのか。70年の時を経て明らかになるその真実とは。 人体実験を主導したエリート医学者 当事者たちの肉声を記録した22時間に及ぶ音声テープ。終戦から4年後、731部隊の幹部らを裁くために旧ソ連で開かれた軍事裁判の音声記録だ。細菌兵器開発のために、生きた人間を実験の材料として使ったと証言されていた。 「秘密中の秘密というのは、細菌戦をもって攻撃をやるという研究をやったということと。それから人体実験を行ったという2つの点であります」(関東軍 梶塚軍医部長の証言) 731部隊が実験を行っていたのは、中国東北部の旧満洲にある秘密研究所。実験材料とされ、亡くなった人は3,000人に上るとも言われている。NHKが収集した
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