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ブックマーク / blog.livedoor.jp/route408 (8)

  • 一人でサイエンス : 有機化学美術館・分館

    4月29 一人でサイエンス カテゴリ:有機化学医薬 Nature誌やScience誌などで、有機合成関係の論文を見かける機会が増えてきました。90年代ごろには、両誌に有機分野の論文が載ることはきわめてまれで、Nicolaouのタキソール全合成(Nature 367, 630 (1993).)や、村井らの触媒的C-H結合活性化反応(Nature 366, 529 (1993).)など、文字通り歴史的な論文がたまに掲載される程度でした。筆者など、ちょっと生物学分野に偏り過ぎなんじゃないの、と思っていたものです。 しかし最近では、毎週のように――はちょっと言い過ぎかもしれませんが、かなりたくさん有機分野の論文が掲載されるようになりました。その分、なんでこれがNature、Scienceなんだろかと思うようなこともありますが、まあ筆者の見る目がないのでしょう。 こうした超一流誌に掲載される論文は、

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  • 赤はなぜ色褪せるのか

    9月6 赤はなぜ色褪せるのか カテゴリ:有機化学構造 街を歩いていると、色あせた古い標識を見かけることがあります。 この標識は来鮮やかな赤色の矢印なのですが、ご覧の通りかなり褪色して薄いピンクのような色合いになっています。これに対し、国道のおにぎりマークや縁取りの青はまだ鮮やかさを保っています。このタイプの標識は、1995年から設置されるようになったものですので、20年ほどで赤だけがずいぶん色褪せてしまっているということになります。 このように、赤色が他の色より褪色しやすいというのは、ちょくちょくみかける現象です。ひどくなると下の写真のように、肝心なところがきれいに抜けて読めなくなったりします。大事なことは赤で書きたくなりますが、時の流れを考えるとあまり得策でないことがわかります。 さて、なぜ赤色はさめてしまいやすいのでしょうか?これは偶然ではなく、それなりの理由があります。まず赤い塗料

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    ruinous
    ruinous 2015/09/06
  • 天然に存在した意外なもの(2)

    4月4 天然に存在した意外なもの(2) カテゴリ:有機化学 ということで、以前書いたネタの続きです。 ・珍しい官能基 天然にはずいぶんといろいろな化合物があり、まさかこんな構造は存在してないだろうと思えるものが、ちょくちょく見つかります。たとえば昔は、三重結合は天然物にはないなどと書かれたがあったものですが、今や下図のようなトリイン構造を持つものも見つかっています。どこかに突き刺さりそうな構造ですが、魚毒性があるのだそうです。ichthyothereolという名前ですが、どう発音したものなのかよくわかりません。 ichthyothereol 珍しい官能基としては、アジドを含んだ天然物がひとつだけ見つかっているのだそうです。「たゆたえども沈まず」さんでこれを知った時にはたまげました。非常にレアな構造ですが、いったいどのように生合成されているやら、非常に謎です。 アジドを含む唯一の天然物 同

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    ruinous 2015/04/05
  • 「コク味」の分子 : 有機化学美術館・分館

    8月26 「コク味」の分子 カテゴリ:味・におい においや味に関する表現というのは、なかなか他人に伝わりづらいものです。たとえばの話、「コクがある」という表現はよく使われますが、それって何?と聞かれると、わかるように説明するのはとても難しいのではないでしょうか。 ちょっと調べてみると、コクは基五味(甘味、塩味、酸味、苦味、旨味)に分類されるものではなく、味の深み、濃度感、充実感といった感覚のようです。いくつかの味が絡まりあったり、同じ味でも長い時間感じていると「コクがある」という感覚になるものだそうで、言葉にするには大変ややこしい、書き手泣かせの味覚です。 化学屋としては、じゃあそのコクってのは分子レベルでいうとどういうことなの?と思ってしまいます。と、実は「コク」を与える化合物というものが存在しているのだそうです。へえっ、と思ってしまいますが、そのコク味の担い手がグルタチオンだというの

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    ruinous 2014/08/26
  • STAP細胞の「不正」とは何だったのか : 有機化学美術館・分館

    4月11 STAP細胞の「不正」とは何だったのか STAP細胞の騒動が世間を揺るがせています。特に4月9日、小保方晴子氏が久方ぶりに姿を表し、記者会見を行ったことで、騒ぎは最高潮に達した感があります。 ブログではこの件に関し、今まで何も触れてきませんでした。専門外でもありますし、あまりよい話題でもないですし、筆者は他人の不正をあれこれ論評できるような偉い人間でもありません。 ただ、9日の会見を見て、「小保方氏の発言に納得した」「彼女の言うことを信じた」という人が多数派であったのには驚きました。ネットでのアンケートでもそうですし(※)、テレビ番組での調べでも、6〜7割の人が小保方氏を支持するとの結果が出ていました。これはずいぶんとずれが生じているかなと感じたので、思い切ってこの件について書いてみます。 (※)4月12日現在では投票結果が逆転し、「納得できなかった」が多数派となっているようで

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    ruinous 2014/04/12
  • ベンゼン環を引きちぎる : 有機化学美術館・分館

    1月18 ベンゼン環を引きちぎる カテゴリ:有機化学 よく「亀の甲」などと呼ばれるベンゼン環の正六角形構造は、有機化学の象徴と呼ぶべきものです。グラファイト、PETなど身近な物質、フラーレンやカーボンナノチューブといった先端炭素材料も、このベンゼン環の安定性を基礎に出来上がっています。一面で、PCBやダイオキシンなど、環境中からなかなか消えてゆかない有害物質の頑丈さも、このベンゼン環の安定性に由来するものです。 PCB(上)とダイオキシン(下)。いずれも一例 ベンゼン環の持つこの安定性は、6つの炭素が持つπ電子が共鳴し、全体に行き渡って(非局在化)いることによります。図の上では単結合と二重結合が描いてありますが、実際には全てのC-C結合は1.5重結合というべき等価なものになり、安定化しています。この効果こそが、有機化合物の世界を格段に幅広く、奥深くしているといっていいでしょう。 ベンゼン

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    ruinous 2014/01/18
  • サイエンスカフェにいがた : 有機化学美術館・分館

    8月28 サイエンスカフェにいがた さて25日、新潟でのサイエンスカフェは無事に終了しました。今回は元素の話がテーマということで、ヒ素細菌やら自然フッ素やらの話題を盛り込んでいろいろと語ってまいりました。わざわざ富山や京都から足を運んでいただいた方もおり、大変に嬉しいかぎりでした。 ヒ素の毒性について サイエンスカフェにいがたは今回が第60回、ちょうど5周年ということでした。これだけ続いているカフェは、全国的にもそうないそうです。記念すべき回のゲストに呼んでいただき、大変にありがたいことでした。筆者も大学では裏方をやりましたので、イベントを運営するしんどさはそれなりに経験しています。5年間、こうして続けてきたことに、心から敬意を表する次第です。 周期表はどこまで広がる?ファインマンの予言は当たるか? 終了後の打ち上げでも、いろいろな方と語る機会を得ました。中でも印象的であったのは理系漫画

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  • 波打つ炭素材料「ワープド・ナノグラフェン」登場 : 有機化学美術館・分館

    7月16 波打つ炭素材料「ワープド・ナノグラフェン」登場 カテゴリ:炭素材料 フラーレン、カーボンナノチューブ、グラフェンといった炭素材料、いわゆる「ナノカーボン」の可能性については、ブログで何度も取り上げている通りです。これらの材料は、球状で自己完結しているフラーレン類が0次元物質、直線的にどこまでも伸びるカーボンナノチューブが1次元、平面的に広がるグラフェンが2次元と見ることができます。 となると、3次元ナノカーボンという物質を想像したくなります。ナノカーボンは芳香族の6員環が基ですが、これだけだとどうあがいてもナノチューブかグラフェンのような物質にしかなりません。立体要素を導入するには、5員環や7員環を導入する必要があります。 5員環を入れると、全体はお椀のように丸みを帯びます。また7員環が入ると、鞍のように反り返った形状になります。 コランニュレン 7-サーキュレン こうした環

    波打つ炭素材料「ワープド・ナノグラフェン」登場 : 有機化学美術館・分館
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