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ブックマーク / yashio.hatenablog.com (15)

  • 差別語の三相を見つめて適切に距離を取る - やしお

    小説を商業出版することになり、これまで自分で書いて見直すだけだったのが、編集者・校正者による校正・校閲のプロセスを初めて体験した。その過程で差別語・差別表現に関しての指摘を受けて、改めて自分の中での判断について少し整理しておきたいと思った。 ある言葉が持つニュートラル、ネガティブ、ポジティブの三相を同時に見ないと、「その言葉をここで使うのが適切か」は判断ができないけれど、三相のうち一面しか見なかったり知らなかったりすると正確に判断ができなかったり、話が噛み合わなくなったりする。 指摘を受けた点1 「発狂」や「狂人」に指摘が入った。 江戸時代に実在したという届出「発狂扱ひ」に言及した箇所に指摘が入った時はどうしようかとも考えて、「精神状態の異常による行動という届け出」と言い換えた。 明治時代に精神障害者が「狂病者」と呼称され、「狂」に否定的・差別的な意味あいが付与されてきた。1970年代に「

    差別語の三相を見つめて適切に距離を取る - やしお
  • 中年会社員が部署異動してつらかった話 - やしお

    会社で部署異動になって5ヶ月超が経った。経験のない業務分野で係長クラスになっている。 今まで会社勤めをしていて、業務内容に特にこだわりもなく、それなりにやれてきたから、まあ大丈夫かと思っていたけど、あまり大丈夫じゃなかった。結構つらかったし、割と嫌な気分になっていた。(今は割と大丈夫。) どの辺が辛かったかとかメモに残しておこうと思って。 異動前 大手メーカーに新卒で入社して15年ほど勤めている。 前の職場(比較的製造現場に近い技術系職場)では、4年ほど担当者として働いた後、係長ポジションになって4年ほど働いた(係のメンバーは10名弱)。 異動 同じ事業部門の中で別の課に異動した。異動先の課の業務内容は、漠然とした理解しかなかった。 30名程度の課で、25名の係の係長をしろとのことだった。もともと課の管掌範囲が広いこともあり、十分にマネジメントが機能しておらず、その辺りを助けてほしいみたい

    中年会社員が部署異動してつらかった話 - やしお
  • 反社カルトが国政に食い込む構造 - やしお

    政治構造への従来の認識と、最近の統一教会関連の報道を合わせると、だいたいこんな感じだろうかと現時点で思うところのメモ。 ゲームのルール 国政は数のゲーム。多数決による。 多数決は「採決の前に議論が尽くされ(修正が施され)、十分な情報が採決者にインプットされていること」が前提・理念で、来はただの「数のゲーム」ではないが、多数派が理念を無視することで無化される。 無化する理屈として「多数決で選ばれた=全員が賛成」というすり替えが多い(与党だから国民の意思そのもの、というような) 多数決で勝つための数(議員数)を増やせる人物/集団(政治家/派閥)が力を持つ。 議員の数を増やすには、選挙で票を集める必要がある。 選挙の票には組織票と浮動票が(仮に分類すると)ある。 世間の感心が低く投票率が低い時、組織票の相対的な割合が高まる。 組織票の「当落の正確なカウントができる」「組織票の倍が彼我の差になる

    反社カルトが国政に食い込む構造 - やしお
  • 逮捕にそなえる人生継続計画 - やしお

    実際に逮捕・起訴された人の事例をいろいろ読んでみると、普通に生活・仕事していてもされる時はされるんだと思う。 痴漢冤罪や荷物すり替えで違法薬物の運び屋にされるなどの巻き込まれケースだったり、もともとルール(法律・運用)が曖昧なグレーゾーンが拡大解釈で突然咎められたり、捜査機関の描いた架空のストーリーの登場人物にされたり、人は犯罪の意識が希薄だったり、色々ある。 逮捕・起訴されると人生に大きなダメージを被る。会社なんかで災害を想定してBCP(事業継続計画)を事前に立てたりするけど、それと同じような感じで、万が一逮捕された場合でも「こうなる」をそこそこ認識して「こうする」を事前に決めておければ役に立つかもしれないと思うようになった。 概要 弁護士選び 逮捕~裁判の流れ 逮捕 逮捕後 留置場・拘置所 取調べ・調書 捜索差押 勾留請求・勾留質問 裁判 世論形成・名誉回復 参考事例・参考文献 概要

    逮捕にそなえる人生継続計画 - やしお
    ruinous
    ruinous 2022/02/09
  • リスクの洗い出しと判断のコツ - やしお

    会社で係長的なポジションになって3年近くが経った。先日、副係長というか職長的なポジションが新たに設けられ、30歳前後のメンバーが就いた。折を見て彼らに伝える機会があるかもしれないし、3年やってみた知見を自分の中で一度整理しておきたいと思った。(大手メーカーの製造側に近い部門で働いている、という前提がある。) 自分が苦しくならないようにする 究極的には人が自分でスタイルを確立するしかない。 「こうした方がより良い」と思って行動変容しても、それで自分が苦しくなるなら続けられない。 どうせ正解の型が一意に決まるわけではないし、仮に正解の型があっても自分を完全にはめ込むこともできない。 「自分がやれるようにやるだけ」くらいに思っている方が精神衛生に良い。それで不適格ならしょうがない。 一方で「より良い方法」に寄せる努力も必要で、その間のバランスが必要になる。 例えば自分自身は、人付き合いがすごく

    リスクの洗い出しと判断のコツ - やしお
  • 「ドン」がネットワークのくびれで機能する - やしお

    森喜朗元首相の女性蔑視の価値観・言動が問題視され、五輪組織委の会長辞任のニュースが流れている時に、たまたま森功『同和と銀行』を読んでいた。森喜朗はこれに近いと考えると分かりやすいのかもしれない、とふと思った。 20年前に数々の舌禍で内閣支持率7%で退陣したのに、再び公的な要職に就けるのは何なんだろう。再びその言動が批判されても、理事会からは退任させられることもなく、「余人をもって代えがたい」と擁護される。 普通に考えれば「余人」は絶対にいる。もっと若くて能力が高く、価値観や言動もふさわしい人物は確実に存在する。人の意思による辞任ではなく、理事会が解任することで「この組織の価値観ではない」と示した方が良いだろうと思える。しかし周囲は森喜朗を高く評価して固執しているように見える。そのズレがどうして生じるのか、と不思議な気持ちになっていた。 「調整力」「影響力」「人脈」などが評価されるのだとし

    「ドン」がネットワークのくびれで機能する - やしお
  • 新自由主義の自己責任・競争社会が生み出す景色 - やしお

    新自由主義経済が進むと格差社会になる、苦しい社会になる、とはよく聞く話だけど、金敬哲(キム・キョンチョル)著『韓国 行き過ぎた資主義』はそれが具体的にどういう世界なのかを見せてくれる。 韓国 行き過ぎた資主義 「無限競争社会」の苦悩 (講談社現代新書) 作者:金 敬哲発売日: 2019/11/13メディア: 新書 海を隔てた隣国でこんなことになっているのかとかなり驚いた。(そういう面を抽出して紹介しているから特にそう見える、という点はあるとしても。) ソウルには行ったこともあるし映画も色々見ていても、社会の仕組みや実情、人々の価値観まではなかなか分からない。日韓国は同じ東アジア圏の西側諸国で、生活水準・物価水準も同程度という共通点があるから、この格差社会の進行具合の差がより際立って(他人事じゃないという怖さを伴って)感じられる。 つい最近も、人材派遣会社会長・経済学者・元国務大臣の

    新自由主義の自己責任・競争社会が生み出す景色 - やしお
  • 民主党政権を今さら振り返る - やしお

    安倍首相の辞任表明とは無関係に、そういえば民主党政権ってどうだったっけと思って今月を読んでみたのだった。 民主党政権 失敗の検証 - 日政治は何を活かすか (中公新書) 作者:日再建イニシアティブ発売日: 2013/09/21メディア: 新書 民主党が2012年末に下野した後、大学教授や弁護士らのプロジェクトメンバーが現役議員らにアンケートやヒアリングして、経済や外交など各分野ごとに民主党政権の来し方をまとめて2013年に出版されている。タイトルも「失敗の検証」だし、下野直後にまとめられていることもあって、どちらかというと成果より「どうして3年で崩壊してしまったのか」という内容になっている。 反面教師としての民主党政権 民主党の来歴(政権獲得まで) 民主党の来歴(与党時代) 民主党の来歴(政権を手放した後) 矛盾するアイデンティティ 党内ガバナンスの脆弱性 参院での不安定 マニフェス

    民主党政権を今さら振り返る - やしお
  • 「安定した政権は全て良い政権である」という感覚 - やしお

    「安倍首相をどうして支持するのか」という実感を綴った記事が非常に面白かった。 安倍総理は何故ここまで叩かれるんだろう - えすけーぷ37のブログ 支持者の内在的なロジックは非支持者からは極めて見えにくい。それが一定程度可視化された点で貴重であり興味深い。記事のおよその論旨は以下の通りだった。 長期政権は、政策が評価されたことの結果である。 外交・内政(経済)ともに一定の成果はあった。 各種疑惑(森友・加計・桜)は首相主導ではなく外在的なもの。 疑惑を野党が追求するのは、他に政権を叩く材料がないため。 仮に不正があっても些末なことで問題ではない。国益に叶う仕事をする者が良い政治家である。 ここには大きな特徴が二つある。 一つが「具体的なデータや論拠は提示されない」という点。一切が印象に基づいて構築される。「あくまでも一般人の肌感覚的評価です。」という一文は、そうした姿勢の自己言及として象徴的

    「安定した政権は全て良い政権である」という感覚 - やしお
    ruinous
    ruinous 2020/06/02
  • 権力に追従する技術 - やしお

    この前テレビをつけたら国会中継(衆院予算委)をやっていた。旅行の出発当日で荷造りしながらつけっぱなしにしていたら、途中で自民党の萩生田光一議員が質問者として出てきた。 萩生田議員は、日会議と創成「日」のメンバーで、国粋主義者で、安倍首相の追従者の筆頭、という漠然とした知識はあったけれど、実際に喋っているのをきちんと見るのは初めてだった。 萩生田議員の名前は、西村康稔議員とセットで「安倍首相の熱心な追従者」として覚えていた。 清和会の中で次期大臣の座を狙う二人だが、西村議員が、西日豪雨の際に安倍首相や小野寺防衛相を含む自民党議員が宴会をしていた写真をTwitterにアップして大炎上させたり、総裁選で「石破の応援演説に参加すれば将来に差し障る」と神戸市議を恫喝したことがバレたりして、「失点」を重ねている中で、萩生田議員の方がリードしている、というようなニュースを去年に見て、この二人の名前

    権力に追従する技術 - やしお
  • マネジメントはバランス感覚の問題かもしれない - やしお

    職場のグループリーダー(GL)になるから準備する、という話を前に書いた↓ 年明けにGLを交代して1ヶ月が経って、思うところをメモする。 会社でグループリーダーになるから準備する - やしお バランス感覚の問題 GLって「メンバーの進捗管理をする」「マネジメントをする」というのが仕事だと思っていた。それは間違いではないけど、実際にやってみるとそこよりもバランス感覚の問題なんだなと思った。 進捗管理だけならメソッドを習ってやればできるかもしれない。でもそうじゃなくて、情報・時間・人手・お金といった様々な制約がある中で、どこで折り合いを付けて現実のアクションに落とし込むのかというバランス感覚が優れているのが、いいGLってことなんじゃないかという気がしてきた。そこを自分の中で訓練して精度を上げていく必要があるなと思っている。 GLになってから、入ってくる情報の量が格段に増えた。想像はしていたけど実

    マネジメントはバランス感覚の問題かもしれない - やしお
    ruinous
    ruinous 2019/02/13
  • 出口をふさいで人事権を握ると人が狂う - やしお

    財務省の文書改竄の話を見ながら、「出口をふさぐ」と「人事権を握る」を同時にやると、「正しいことをやる」より「人事権者に気に入られる(過剰な配慮や忖度をする)」を選ばざるを得なくなるんだ、みたいなことを思った。「出口をふさぐ」というのは、別に官僚をクビになったってアカデミックや民間でキャリアや実績を積み上げられるし、政権が変わればまたスタッフになれるかもといったパスがなくて、一度辞めたら二度と戻ってこれないといった出口のなさのことで、「人事権を握る」というのは2014年に設置された内閣人事局によって審議官クラス以上の各省庁の人事権が内閣に集約されたこと。 学校なんて行かなくても大丈夫、別に大学にも入れるしと思っている(親や周囲が思わせてくれる)子であれば大丈夫でも、そうでないと追い詰められて自殺してしまうのと似ているのかもしれない。 官僚は外部との流動性が低いというのは、日が「ポストに人を

    出口をふさいで人事権を握ると人が狂う - やしお
  • 知る機会の差で外注先を苦しめないこと - やしお

    大手メーカーで働いていて、こっちの会社が設計、外注先が完成品の製造(組立調整)って関係の中で、作り方を伝えるだけじゃなくて「どうしてそうなってるのか」も伝えた方がいいなと最近しみじみ思うことがある。 組調の手順は、ないと作れないので必ず外注先に伝えられる。でも「なんでそういう手順になっているのか」「どうしてここの調整を頑張る必要があるのか」、さらにその背後の「この製品はどういう目的で存在しているのか」「どういう原理で目的を実現しているのか」といった意図や理屈もちゃんと伝えた方がやっぱりいいなという。 自分は設計じゃなくて検査の部門で働いている。検査で不良にすると外注先から「どうしたらいいですか?」と直接聞かれることになる。誰でもわかる不良(寸法が違うとか欠品とか傷とか)じゃなくてその製品の構造や原理を知ってないと不良箇所が特定できないということもよくある。「僕は検査の人だからそんなの関係な

    知る機会の差で外注先を苦しめないこと - やしお
  • 会社のなかの筋を知る - やしお

    それなりに人数の多い会社の中では、誰に話を通すだの何だのといったことがある。この前、入社3年目の若い同僚に 「それは話の持っていき先が違うよ」 「でも○○さんからそうしろって聞いて」 「それは○○さんがわかってないよ」 「そんなこと言われたってわかんないですよ」 と不愉快そうに言われて、それはそうだと思った。 どこにどう筋が通っているかというのは、背後に理屈がある。その理屈を見せずに結論だけ言っても混乱させるだけだ。それでもう少しきちんと説明したい。 その前に自分で整理しておこうと思った。 建前と実態 まず最初に考え方の枠組みについて。考える方向には建前と実態がある、とみなす。 建前 : 条件から出発して、順番に考えたら「こうなる」という理屈 実態 : 現実にこう運用されている、という観察結果 建前=演繹的=セオレティカル、実態=帰納的=プラクティカルという感じで、逆方向のアプローチだ。こ

    会社のなかの筋を知る - やしお
    ruinous
    ruinous 2015/05/09
  • 若い同僚を疲弊させたくない - やしお

    隣の席に入社2年になる若手社員がいる。私が半年前に今の部署に異動してから様子を見ていて、大変そうな状況になっている。まだ経験の浅いうちに、仕事のマネジメントをしてくれる人がいないというのはつらいことだなと思った。 自分が入社して配属された部署には、課の下に3、4人程度の「チーム」があってリーダーがいた。そのリーダーが部署間の調整や仕事の割り振り、メンバーの進捗を確認したり、あるいは物事の判断をしていた。メンバーにはきちんと仕事がフィルタリングされた状態で入ってきたし、業務の負荷量も把握してくれていた。だからメンバーは自分の作業に集中すればよかった。またメンバーが「いったいどういう背景や経緯でこの作業があるのか」と聞けばリーダーはきちんと教えてくれたし、あるいは「これはこうした方がいいのでは」といった提案も受け付けてくれていたから、「ひたすら作業ばかりをしてむなしさが募る」といったこともなか

    若い同僚を疲弊させたくない - やしお
    ruinous
    ruinous 2015/04/13
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